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色はこころのパレット 風俗は民族の心

私の学生時代にした、源氏物語研究の過程で、実は中学生の時に、書店の店頭で偶然手に取って、つい買い求めた一冊の本が一番心に引っ掛かっていた。

『服装から見た源氏物語』(近藤富枝・著)朝日文庫・刊

その中に「六条院の衣配り」という章があり、太政大臣となった光源氏が自邸の六条院に住んでいる女人達へ衣を贈るのだが、それぞれの衣に光源氏の心境が表現されている。

特にその中で、尼僧になった空蝉に送った衣が出てくる。

空蝉 その一 青鈍色の趣き深い織物の表着
   その二 光の使い料のさいたくちなし色の袿
   その三 禁色でないうす紅のかさね

夫を亡くして、出家した尼の空蝉には当然地味な衣を新年に贈っているが
たった一つだけ、「光源氏が着るはずであった衣装の中から一枚、くちなし色の袿をうっかり贈ってしまったのは、源氏の空蝉へのほのかに残る思慕の気持ちを表してしまった。」というこの本の記述が中学生の時から気になって、源氏物語で卒論を書くときにかの「空蝉」を選んだのだ。

私は小さい時から、装束と色彩と心の機微を表すことにずっと関心があったのだと思う。

それが「モノクロよりもカラフルがすき」という
このnoteでずっと書いてるテーマと結びついているのだな、と気付けた。

色彩、色は心を無意識にしろ反映していると思う。
「枕草子」にある様に、
春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて

日本には四季でそれぞれ色がある。
極彩色でない、独特の日本の色だ

日本の色を私は大事にしたい
諸外国のカラフルな色彩も大好きだからこそ、色も含めて風俗は大事にしたい。

このリフレッシュ期間に、「色彩学」と「言葉」の関係を学べれたらいいな。

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