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書籍紹介「電子工作マガジン SUMMER2022」(電波新聞社刊)

電波新聞社より年4回刊行されている「電子工作マガジン」を皆様にご紹介いたします。
今回ご紹介するのはSUMMER2022(2022夏号)です。

本来なら6月17日に発売されていた「電子工作マガジン」夏号ですが、当方側の事情によりすっかり紹介するのが遅れてしまいました。楽しみに待っていてくださった方(いませんね)、お待たせしてしまいすみませんでした。

そんなこんなで季節はすっかり夏!猛暑!台風も来てるそうで、夏号っぽくなってきたではありませんか。前置きが長くなり過ぎてもいけません。今回も私が気になったページをざざーっと紹介していきたいと思います。

なお、本稿執筆中に「電子工作マガジン」の名前が(株)ハートカンパニーによるvoicy放送「音楽熱想」にて登場するという嬉しい出来事がありました!このことは本稿末尾に記載しているので、この記事を見たい方は目次より一番最後の項目に飛んでください。

紹介の関係上、書籍の一部を撮影またはキャプチャーして掲載しておりますが、あくまでも記事理解を助ける範囲に留めるよう配慮しております。もし関係者の方よりご指摘をいただいた際には、速やかに該当部分を削除させていただきますので、何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

親子で挑戦!マイファーストパソコンを自作しよう

前号から掲載されている自作PC系の記事。「親子で挑戦!」というのがポイントで、HatsCreate代表の都亜紀さんが挑戦する親子のところまで出向いて制作指導を行ない、お子様のPCを完成させるという企画です。

そして今回この企画に挑む小学5年生の荒木優一朗くんの父親である荒木潤さんはなんと元「マイコンBASICマガジン」(ベーマガ)のライターだったのです。当時は主に音楽系を担当しておられました。私とは在籍時期がズレていたため編集部などでお会いしたことはないものの、後に行なわれた雑誌のイベントで知り合い、現在はSNSでやりとりしたりたまに飲んだりと親交を深めている仲なのです。なお荒木潤氏は現在、信州大学の教授をしておられます。私みたいなのと仲良くしてくださって本当に感謝しています。

その息子さんである優一朗くんですが、記事によればIchigoJamやScratchでプログラミングをしたりしてるそうな。親の血だなーってどうしても見てしまう…。

さてそれでは、息子さんの雄姿を拝ませていただきましょうか!

めっちゃ順調そうじゃないですか。
おっ、CPUはRYZENなんや…。

CPUとか私もしばらくいじってないから忘れてるなー。
大人もたまにはこういうの読んで知識補完した方がいいかもですよ?

「画面が現れたがまだ動きません」…うんそらそうよ、まだOS入れとらんからね。こういうのを丁寧に紐解いて説明してくれる良記事です。

できたー!!最後は親子揃ってパチリ。「子どもの成長とともにパソコンの内部もカスタマイズし成長させる」って名文ですね!都亜紀さんもお疲れ様でした。優一朗くんPC大切にしてね!荒木潤さんまた飲みましょう🍺

PCレクチャー「きみにもできる!IchigoJamのキットを作ってみよう!」

「マジ引くわ~」ってデアラ好きには刺さるネタ(笑)。それはともかく!くりひろし先生によるパソコン・レクチャー、今回はIchigoJamハーフキット(CPU部分だけ既に装着完了しているセット)を用いてIchigoJamを自作する過程を紹介しています。

とはいえさっきの自作PCとは違い、こっちは基板に抵抗やコンデンサを指したりはんだ付けしたりとかがあるから、ハーフキットとはいえそれなりに手強いです。もっとも、こっちの方が「電子工作」マガジンという主旨に合ってはいるのですが…。

▲私がIchigoJamを組み立てたときの記事。こっちはCPU付けもあったうえ、私がはんだ付けとかなんにも知らない超ド素人だったのでとても悪戦苦闘しました。

今回のこの記事はとても親切!電子工作に必要な道具の解説からはじまり、はんだ付けのコツや成功例、失敗例なども分かりやすく説明してくれています。私が「電子工作マガジン」を読み始めて以来もっとも分かりやすい電子工作に関する説明です!この知識があれば、私もラジオ作るときとかここまで苦労しなかったのにぅぅぅ(涙)。

前に同連載で描かれたBASICの解説と言い、くりひろし先生の漫画による解説は本当に分かりやすい。惜しむらくはこれが季刊誌であるため、過去のアーカイブを検索するのがしんどいこと。せめてくりひろし先生の連載だけまとめ読みできないかなぁ…と思っていたら!

パソコンレクチャーRETURNS 発刊決定!

なんだってー!!!!!ノストラダムスもビックリです。しかも2022年秋って何気にもうじきではないでしょうか?仮題が「All About IchigoJam」というのも興味深し。私も割と自分が知りたいことしか分かってないからなー。いやはやこれは楽しみです。こうご期待ですね。

マイコンBASICコーナー、読者投稿プログラム

毎度おなじみマイコンBASICコーナーでは、読者が作ったプログラムを紹介しています。今回は「隕石 A to Z」(IchigoJam1.4以降)、「対面サーキット」(プチコン4用)、「たるまさんかころんた」(IchigoJam1.2以降)の3つが掲載されています。

隕石 A to Z

隕石 A to Z
作者(ペンネーム):KF 機種:IchigoJam1.4以降
■ゲーム内容
未来都市。しかし、そこに隕石の脅威が迫っていた。バリアが破壊されないようにバリアに対応するAからZまでのキーを押してバリアを修復してください。バリアが破られ下のビルに隕石が3つ落下するとゲームオーバーです。

ともかくやってみた…。が、いかんせん隕石がのんびり過ぎてなかなか落下してこない。いやいくらなんでもおかしいでしょこれ?

やっぱしWeb版じゃダメなのか…と思って実機でやってみたところ、

ぎゃぴー!!なんじゃこの隕石のジュウタン爆撃は!地球はやはり滅亡する運命から逃れられないのか!?

…写真じゃあまり伝わらないかもですが(スマホなのでシャッタースピードを落とすとかできないのです)、隕石が残像っぽくなっていることからそのスピード感を想像してください。

てーてててーてーれれーれれーれれー♬(「スペースインベーダー」のゲームオーバーBGMを想像してくださいw)

それにしてもIchigoJam webと実機でなんでこんなに速度が変わるのだろう?

もうひとつの方もやってみるかな…。

たるまさんかころんた

たるまさんかころんた
作者(ペンネーム):異世界おじさん 機種:IchigoJam1.2以降
■ゲーム内容
ある日、目を覚ますとそこは濁点のない異世界だった。異世界から現実世界に戻るには何でもいいからキーを押して「たるまさんかころんた」の10文字が表示されている間に左側のドアから出るしかない。

ということで、こちらもIchigoJam webでRUN!

このゲームは「タルマサンカコロンタ・・・・・・」という文字列が出ている間にうまいタイミングでキーを押して左側の扉に到達するとクリアというゲームらしい。どうやら「タルマサンカコロンタ」が出るまでと、その後の「・・・・・・」が出ているときに移動するチャンスがあるみたい。まぁ、これなら何とかクリアできないこともないかな。

では、こっちも実機でやってみます。

ぎゃぴー!!(二度目)ほとんど歩けないうちにゲームオーバーってどういうことよ?一瞬のスキもなかったぞ?

「50行のRNDの値で文字の表示速度を変更可能です」とあるので、80を8に変えてみたらIchigoJam web版くらいのスピードになったけど、これでクリアしたっていうのはイカサマにもほどがある気がするなぁ。ここはなんとか実力でクリアしたいところ。

なんとかクリアしたよ!どうやったのかというとファンクションキーを悪用したのです。ファンクションキーには最初からたくさん文字が入っているから、これを使えば人間がキーを連打するより速いってワケ。そうは言っても何度かやりなおしたけどね。

それにしてもIchigoJam webと実機で動作にえらく差があるんだなぁ。これまでも両方で投稿プログラム動かしてみたけどこんなに差異を感じたことはないので、このあたりはプログラムによるのかもしれません。

対面サーキット

対面サーキット
作者(ペンネーム):Mino 機種:プチコン4用
■ゲーム内容
最大4人プレイのカーレースゲームですが、プレーヤーによって周る方向が変わるため、お互いの進路を妨害しあう対面通行レースになります。さらに向かい合った敵を、体当たりや弾で、弾き飛ばすこともできます。

弾で弾き飛ばすって…スティール・ボール・ランじゃあるまいし。

スミマセン、プチコン4は持っていないのでプレイはしていないのですが、プレイヤーによって周る方向が異なるって面白いですね。言うなれば高速道路における逆走状態でレースしてるみたいな感じで(そんなニュアンスで合ってるのかな?)。最大で4人プレイできるというのも魅力的です。

温湿度センサーで不快指数を求めてみよう

この記事のタイトルはサブタイトルまで含めるとちょっと長くて「特別企画★IchigoLatte入門 構造化言語でマイコンをプログラムしよう JavaScriptでプログラミングできるIchigoLatte入門その22 温湿度センサーで不快指数を求めてみよう」というものです。著者の松下浩則さんはIchigoLatteとJavaScriptを用いた応用技術的な記事をこのようにシリーズ化しておられます。私などは若干ついていけてないところもありますが、今回はこの猛暑ということもあり、タイムリーなネタかなと思って紹介することにしました。

記事内容をざっくり言うと、温湿度センサーから読み取った温度と湿度の値を元に不快指数を算出し出力するというものです。不快指数というのは次の公式で求められるものだそうでして…。

不快指数=0.81T+0.01H×(0.99T-14.3)+46.3
T:温度 H:湿度

ぎゃぴー!!(三度目)。私高校時代に数学と理科で追試の山を築き留年の危機にたびたび遭遇した人間だからこんなのムリムリのムリー!!…いや、だからこそプログラミングを活用して機械に計算させるっていう考えもあるな。うん、物事は前向きに考えよう!!

上記が出力結果。さらに本記事では求めた不快指数により色別のLEDを点灯させ、快適か不快かを表示するところまで紹介しています。いやはやいろいろな応用の仕方があるものですね。

チャレンジ!!電子工作大作戦

さてここからは、本誌前半のページである電子工作サイドのページより私がちょっと気になったところをカンタンに紹介していきたいと思います。

カップ麺タイマーの製作

カップ麺が出来上がるまでの時間(3分~5分)を測るために専用の機材を電子工作で作ってしまおうというその気概が私の琴線に触れたので紹介させていただきました。なんと5ページに渡り作成方法を紹介しています。これぞ漢の信念。砂時計使った方がとか野暮なことを言ってはなりません。

なお、ボードゲームでも一定の時間を計測させるルールのある作品があるので(有名どころでは「ハイパーロボット」など)、そういう目的に使うのもいいかもですね。

ちなみに私は柔い麺が好きなので、3分のラーメンだったら5分くらい待つ派です…どうでもいい話ですね。すみません。

秋月のキットを利用したマイクロ放送局

前回春号のときも書いたのですが、私はかつて数人の同志と一緒にある私鉄の駅前広場の使用許可を取って1日FM放送局を開局しようと企画したことがあります。

確かあのとき買ったFMトランスミッターは万単位だったよな…と。結局この計画は頓挫し、その機材はいまどこにどうなっているのかも分からないのですが、こんな風にお手軽に放送局作れるとか見るといまでも心が少し動かされますよね。それは私がまだラジオに未練があるからなのか。うーん、それもあるけど、当時の私にとって万単位の金額を払ってトランスミッターを購入したことがとても大きな出来事で、それがなんと7,500円でできちゃうっていうことに対する羨望が少なからずあるんだろうな、きっと。

IchigoJamで制御・カスタマイズ可能 FMチューナーキットの製作

これは特別企画の記事ですね。へー!IchigoJam向けFMラジオの製作キットなんてものがあるんだ。これはちょっと興味深いかも(なお上の記事中にも書いてありますが、いまIchigoJamは半導体不足の影響で確かに入手が困難な状況が続いています)。

2022.0710追記:
最近ハーフキットの販売が再開されたそうです!

ところで私がこの記事でちょっと感動したのはFMラジオ云々のことよりも、著者の須藤達也さんがIchigoJamについて初心者向けの丁寧な解説をしてくださっているところです。

特別編 はじめてのIchigoJam

「電子工作マガジン」はかなりIchigoJam推しの雑誌ですので、読者もそれなりにIchigo触っている方が多いことと思います。ですがいついかなるときも初心者はいます。画面出力はアナログのビデオ(RCA)出力、キーボードはPS/2(なのに接続する端子がUSB)…といったこれらのことは、IchigoJamを初めて触る方が引っかかりやすいところ。こうしたところを丁寧になぞっている部分は非常に好感が持てました。まぁ、例えにMSX BASICを出しているあたりは、これ若い人に通じるかなぁって気が少ししますが(笑)。


誌面の紹介はここまでとします。最後にちょこっとしたお知らせを。

voicy放送「音楽熱想」で「電子工作マガジン」の名前が登場しました!

voicy放送「音楽熱想」のレギュラーで馬場一人ばばかずとさん(通称チャンババ)という方がいます。かつては茅原実里ちはらみのりさんのバンドで演奏するギタリストでしたが、現在は「Time Capsule Orchestraタイムカプセルオーケストラ」という新バンドにて引き続きギター(ならびに雰囲気w)を担当しておられます。

この方がご自身の放送回にて自ら取得された様々な免許の話をされたのですが、その免許の中に「無線従事者免許証 電話級アマチュア無線技士」というのがありました。これは現在の名称で言うところの「第4級アマチュア無線技士」に相当します。ご本人はボーイスカウトの経験があり、そこから利便性を感じて取得なされたとのこと。

それでまぁ、いつものようにコメント投稿したわけですよ。

アマチュア無線、私これ取ろうかどうか悩んだやつです。自分の放送局を作りたいみたいな気持ちがずっとあったのですが、これはどちらかというと誰かと対話することの方に重点が置かれている気がして、自分のやりたいことと違うかなーと思いスルーしてしまいました。いまでも電波新聞社が発刊している「電子工作マガジン」なんかではハム関係のネタが熱かったりするので、まだまだロートルの技術じゃないんだなぁという気がしています。
(ちとせあーく)

2022.7/1 音楽熱想「371:チャンババ熱想回/免許熱想/コメント返し」へのコメント

そしたら、次週の放送でこのコメント拾ってくださったのですよ!
以下に紹介します。

僕もその無線やってた当時、「電子工作マガジン」なんかを見ましてですね…あの、改造の仕方なんかが載ってるんですね。改造の仕方っていっても違法なあれじゃなくてね。いわゆる傍受できる周波数帯を広げる改造とかね、うん、そんなのを普通に本見てやったりしてましたよ。はい、でいろんな交信をちょっと聴いてみたりして楽しむっていうですね。あの、盗聴とかじゃないですからね?普通に交信されてる交信を傍受して聴くだけの楽しみですけど、海外のラジオとか結構そんなの入ってきたりしましたよね。

2022.7/8 音楽熱想「378:チャンババ熱想回/免許熱想パート2/コメント返し」

驚くべきことにあのチャンババこと馬場一人さんが「電子工作マガジン」の読者だった…!!これ私的にはちょっと衝撃のニュースです。

当方が私的に応援している茅原実里さんからギタリストの馬場さんへと繋がり、それがまさか「電子工作マガジン」の話題に繋がるとは。いやはや人の縁ってどこでどう結びつくか分からないものですね。

なお実際の馬場さんのvoicy放送は下記リンクより聴くことができます。件のコメントはチャプター3のコメント返しのところです。

かなりイケボなのでぜひ聴いてみてください!

こんなにいい声でしかもギタリストなのにご本人はいろんな資格を取得しまくる免許ハンターだったりします。称えるべき向学心です。

なお「電子工作マガジン」2022夏号におけるアマチュア無線関係の記事はこちらです。

いまもなお「キミもアマチュア無線家になろう!」とか見出しに書くくらいですからね…この文化は永遠に不滅なんじゃないかとすら思いますよ。


そんなこんなで、こういうのでちょこっとでも「電子工作マガジン」の名前が世に広がればいいなと思っています。それでは、私の「電子工作マガジン熱想」はまた秋号にて!

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