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私が一緒に仕事をしたいクライアント様とは

いきなり本題に入るが、私が一緒に仕事をしたいと思うクライアント様は以下の通りだ。

1.仕事のレベルや作業量に見合った単価を提示してくれる
2.いかなる場合にも対等な立場でコミュニケーションが取れる

1については最低条件だ。自分が書いた記事を提供する見返りとして適正な報酬をもらうことは当然の権利だと思っているので、クライアント様がこちらが納得する金額を提示しなければ最初からその仕事は受けない。また、納得がいかないと思った時点でこちらからその仕事を降りる。長い目でみればその方が後のトラブルもないと思っている。

しかし、私が報酬と同じぐらい重要視しているのは2の「コミュニケーション」だ。

私たちWebライターは、企業等のWebコンテンツを充実させるために記事を書くのが仕事だ。その記事は少しでも多くの人が読み、なおかつ読んだ人のニーズとベネフィットを十二分に満たすようなものでなくてはならない。それにはまず、クライアント様がサイトのコンセプトやそのサイトを運営する目的をこちらにしっかりと伝えて下さることが大前提となる。

実際に記事を書き始めると、細かいところで疑問点が生じるものだ。問題はその時のクライアント様の対応だ。

例えば記事の骨子がある場合、その骨子が法律的にグレーとなりそうな内容や、公式サイトなどの確かな情報源がない内容を書く流れになっている事が意外と多い。そのような時は当然こちらから問い合わせを行い、必要ならば骨子の変更を求めるわけだが、その時のクライアント様の対応は見事なまでに2つに分かれる。

1.こちらが指摘した事項についてクライアント様が再検証を行い、骨子の内容を修正する、あるいは同じ内容でも切り口を変えて確かな情報の裏付けが取れる方向性で新たな骨子を提示してくれる。

2.不確かなソースを提示して「ここにはこう書いてある」と言ったり、「そこはライターの方でなんとかしてくれ」などと無茶なことを言い、こちらの意見をほとんど聞かない。

上記のどちらがライターにとって仕事がしやすいクライアント様かはどなたにもおわかりだろう。

万が一2のタイプに当たったら大変だ。もしクライアント様に求められるままに不確かな情報を書き、それを読んだ読者が損害を被るようなことがあれば、下手をするとライターに全責任を押し付けられる恐れがあるからだ。

一方、1のタイプなら骨子の段階で多少内容がおかしくてもなんとかなる。ライターとクライアント側が複眼で情報の正確性を確かめ、何度か打ち合わせを重ねることで、より読者のためになる確かな情報を提供することが可能だからだ。長い目で見れば、そのようなWebコンテンツ(記事)の方が読者に支持されることは間違いない。

Webサイトは多くの人の手を経て初めて完成するものだ。つまり、プロジェクトに携わる者はチームの一員として互いにコミュニケーションを密にしながらその過程を「複眼」でチェックし、Web上に出すためにより完成度の高い内容のコンテンツを作り上げていかねばならない。それは普通に考えれば誰にでもわかることだ。

しかしながら、クライアント様の中にはそれがわかっていない人が意外と多い。(ライターにもそういう人がいるのは残念だ)いや、わかっていてもただコンテンツを量産すればいい、あるいは単にアクセス数が伸びればいいとしか思っていないからこそ、最も大事な記事に関しての打合せをおろそかにするクライアント様が多いと言って差支えないだろう。

だから、ライターとしては、不明な点や疑問な点についてちゃんと耳を傾け適切な対応をしてくれるクライアント様とこそ仕事をしたい。そのようなクライアント様なら、きっとよいコンテンツを揃えた、ハイクオリティなWebサイトを作り、訪問者のニーズを存分に満たし大きなベネフィットをもたらすことができるに違いない。

風通しのよい会社には良い人材が集まると言うが、それはライターとクライアントの関係でも同じこと。真摯に仕事に取り組む上で上がったライターからの意見をしっかりと受け止め、適切な対応をするクライアント様のもとにはクオリティの高い記事を提供できるライターが集まるのではないだろうか。

ライターとしての経歴は2年ちょっとの私だが、人生経験は半世紀ある。その長い間に色々な人と接していれば、経験が浅い分野にいても人の本質はある程度見えるものだ。だから今回は、ライターとしてというよりは、人として一緒に仕事をしたいかどうか? という視点になったかもしれない。

どんな仕事においても相手は「人」だ。私が書いた記事を掲載するクライアント様も人、ブラウザの向こうで掲載された記事を読むのもまた人なのだ。そう考えれば、人としてまともなコミュニケーションを取れることは、仕事をする上で必要最低条件ではないか? と思う。そして、大変失礼ながら、それができないクライアント、あるいはライターには先がないとさえ思うのだ。

画像:ぱくたそ

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