ライター交流会レポート(地域振興編)

月初めに発注されるはずの仕事が一向に発注されずとてもヒマです。でも月中より難しい仕事にかかる予定なので、うっかり仕事を入れたら自滅しそう。なので、ヒマな間に土曜日に行われた静岡ライター交流会レポートを2度に分けてUPします。

ほぼ箇条書きでできるだけ読みやすい形でまとめていきます。これらの事から地方ライターさんのお仕事や、地域振興の担い手との今後のつながり方が見えてきました。

☆開会のご挨拶:スノドカフェ(会場)オーナーさん

1.紙は長く読んでもらえる良さがある2.長年経営している老舗が閉店→それを美談に終わらせていいのか?・老舗は地域の資産・なんとか若い世代に継承できないか3.老舗継承への課題は「屋号を他人に継がせることへの抵抗」4.3の課題を克服するためには若い世代への情報発信が必要・老舗が守ってきた伝統やその仕事内容についての理解を深める・その趣旨に賛同し後を継ぎたい若い人を探す役割としての情報発信

☆井上泉さん(「静岡オーケストラ」代表)

「あの人に会いに行く」をキャッチフレーズに、「nedocoプロジェクト」などの各種イベントを主催しています。

■nedocoプロジェクトとは?静岡で開催されるイベントに合わせて実施するおもてなしプロジェクト。イベントのために県外から来るビジターに、公民館やお寺などを利用した格安な宿に宿泊してもらい、そこで地域の人たちとの交流など、居住者目線で静岡を体験してもらう企画。

20~30代の有志、地域のキーマン(自治会長等)などの協力のもと、静岡市内の4つの地域(いずれも活動に協力的な自治会などがある場所)で、温泉、パワースポット巡り、ゲストとホストの交流などの活動を軸にこの企画を実行しています。

その活動を通じて見えてきたことや課題は次の通り。

・静岡の人はシャイだが、もてなしスイッチが入るととても親切になる・都会にはない「日本の田舎らしさ」に興奮するゲスト続出(特に外国人)・万人向けではなく演劇好きなどコアな共通項がある人にターゲットを絞る方が盛り上がる

■質疑応答

Q.告知の方法は?(宮脇さん)A.Webサイト・Facebook。事後のまとめ記事ではなく常にリアルタイムで活動中の様子をUPしている。(井上さん)
Q.クラウドファンディングの利用もよいのでは?(宮脇さん)A.独自に「贈りnedoco」という形で有志から募金。募金してくれた人へのお礼として文書での活動報告を郵送している。
Q.地域社会に協力してもらうのは大変では?(小林ノリコさん)A.そのために次のことを心がけている・丁寧に企画の趣旨や内容について説明して理解を求める・地域に貢献している人を間に入れるとその信用から受け入れられ易い・「女性限定→性別問わず」という形で段階的に募集するのも有効・住民のリアクションが良い地域で活動する(井上さん)

☆小林ノリコさん (伊豆在住ライター)

熱海を拠点に活動しているライターさん。地域密着型のお仕事として、地域自治体の協力(補助金)次の2冊の本を出しています。

・西伊豆の伝統食「潮かつお」のレシピ本「かつお本」

・沼津工業団地の小冊子「沼津工業団地15のものづくり」

ちなみに、リンク先は関連ページに飛ぶようになっていますので、興味のあるかたはぜひご覧くださいませ。

ご紹介した2冊の本は、ライターである小林さんが主に伊豆のトピックに関するお仕事をなさっていることを知った地元の商店や、沼津工業団地内にある出版社の依頼があり出版が実現したそうです。

「かつお本」の目的と概要・「地域おこし」と「商品PR」・地域内外への伝統食の周知と家庭料理への利用促進・地元飲食店と潮かつおレシピ紹介(家庭用)・クリエイターの紹介(ライター・デザイナー)
「沼津工業団地15のものづくり」の目的と概要・きっかけは「かつお本」・沼津工業団地内にある企業のPRと知名度UP(主に就活向け)・各企業が取り扱う商品の紹介と知名度UP(主に一般向け)・企業のHPだけではPR力が弱いのでその補強的な役割も担う

これらの本はいずれも無料で配布されています。これについては「なぜ無料?」という疑問が生じますが、それにはちゃんと理由がありました。

今は情報にお金を出したがらない時代であるため、有料だと多くの人に読んでもらえない可能性が高い。それでは企業等の内容を知ってもらうという本来の目的が達成されない恐れがある。(小林さん)

ただ、資金がなくては本は作れません。そこで利用したのが「自治体の補助金」です。また、足りない分は本で紹介されるお店や企業が、PR料として出資したそうです。

これは立派な「町おこし」。現実にはあまり使い道がなくそのままストックされがちな補助金をここで使わなくてどうする!という考えから補助金を使った本の出版が実現したというわけです。

私たちが本やWebメディアを作る際に頭を悩ませる資金問題も、地域おこしとして大きく役に立つとはっきりしているものなら自治体への協力を求めることで解決する場合もある。ということに改めて気づかされました。

なお、本の出版で見えてきた課題は、一にも二にも地域の「発信力のなさ」です。この点について情報発信を仕事にしている地元ライターや編集者がその魅力をどう掘り起こしていくか、どうやって情報をマネタイズしていくかということが課題として私たちに投げられたような気がしました。

☆下村さん(「MAP CAFE シズオカ」代表)

下村さんは有志とともにほぼボランティアでさまざまなテーマで静岡市内のユニークな地図を作っています。その地図は先述の「nedocoプロジェクト」ともタイアップしているそうです。

主な地図・駿府ゆめ灯路(静岡市中心部にある灯籠の場所や周辺情報の紹介)・静岡おまちバル(静岡市中心部商店街の案内)※上記リンク先に地図PDFあり

■地図作成の目的と効果(意訳です)

1.目的・住民には当たり前でも外から見たら面白い発見がある地図を作る・地図作成のために街歩きをすることで地元の魅力を再発見する・地域PRに消極的な地元人の関心を集め、対外PRにつなげたい2.効果・テーマがディープでコアなファンがいそうなジャンルの方が好評・好き嫌いがはっきりしているテーマで地図を作ると◎・地図を通して町の魅力を発信でき、集客につながる(かも)

趣旨としてはとても楽しそうですし、地域振興という目的にもかなっていると思います。

ただここで課題となっていたのがやはり資金面。それぞれ自分の仕事を持っている人が手弁当のボランティアでやっており、制作のための資金を捻出することも中々難しいそう。

個人的には静岡市がこのようなPR活動に出せる補助金を持っていないのかどうかを打診し、なんとか「かつお本」のような形で地図を出せないか?また、企業等の協力で上手にこの企画をマネタイズできないか?などと思いました。

☆地域振興編のまとめ

地元の人って静岡をもっとアピールして外の人に来てもらおうという気持ちに欠けているんですよね。だから理解されないし誤解される。そこをどう打開するかが大きな課題だと思います。

また、課題になっている資金面については、宮脇さんがおっしゃっていたように賛同者から資金を募る「クラウドファンディング」も上手に利用できればと思いました。

このエントリーでは地方ライターが地域振興の一端を担い、またそれをマネタイズできるかについて考えさせられたという話をしました。次のエントリーでは、同じくこの交流会でテーマとなった、「地方に住むライターがどうやって書くことで食べていくか?」などについてのレポートを記す予定です。

カバー写真:静岡市清水船越公園より。自分で撮影

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大岩楓

この年でライターを名乗るとは夢にも思わなかった

タイトルの題名通りです。 アラフィーのおばちゃんがひょんなことからライターを始めたいきさつをずらずらと書き連ねただけの回顧録ですが、もしよろしければどうぞお読みくださいませ。
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