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【和訳】Smartphones hurting the environment more than any other household electronics

記事 (英文) のリンクをツイートしたところ、以下のような反応をされている方がいたので、標記のとおり和訳してみた。

持っている技術や知識はひけらかして自慢するものではないと思うけれど、「知りたい」という探求心や「学びたい」という意欲があることはすごく素敵なことだと思うし、そんな誰かの想いに遭遇した時に、少しでも寄与することが出来る能力やキャパシティーを自分が持ち合わせているのであれば、それは喜びを持って臨みたいと思う。ということで、以下、和訳です。

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「家電の中で最も環境を傷付けているのは、スマートフォン」

2019年9月18日 By サム・フォースディック

スマートフォン、洗濯機、ノートパソコンなどの家電用品の寿命を引き延ばすことにより、EUで排出される二酸化炭素の量を毎年10トン削減できることがわかっている。

最新の調査によると、短命で (環境) 破壊をもたらすスマホの生産プロセスは、ヨーロッパ最大のCO2排出要因となっているとのこと。

EEB (欧州環境事務局) の報告書によると、家電製品の寿命を5年間延ばすだけで、ヨーロッパ単体で見ても、2030年までにCO2の排出量を年間1,000万トン削減することが可能であるとのこと。

これはベルギー国内にある全ての自動車 (500万台) を廃車にした場合に見込まれる削減量に匹敵する。

スマホ、ノートパソコン、洗濯機、掃除機などの電気製品全ての買い替えを僅か1年間遅らせるだけで、ヨーロッパの路上から200万台の自動車を取り除くのと同等の恩恵が環境にもたらされる。

EEB Circular Economy (循環経済) の政策官を務めるジャン・ピエール・シュヴァイツァー氏は次のように語った:

“This study is further proof that Europe can’t meet its climate obligations without addressing our production and consumption patterns" (自らの生産・消費の傾向と向き合うことをせずに、ヨーロッパが気象変動に対する義務を果たすことは不可能であるということは、この研究が証明している)。

“The climate impact of our disposable smartphone culture is far too high. We can’t afford to keep replacing them every few years. We need products that last longer and can be repaired if they break” (スマートフォン使い捨ての文化による気候への影響は非常に大きい。数年毎に取り替え続けている余裕など私たちにはありません。より長持ちし、破損した時には修理が可能な製品が必要なのです)。

電化製品は環境にどのような影響をもたらしているのか?

EU圏では、消費者は平均3年に1度の頻度で古いスマートフォンを新しいものに買い替えており、これにより毎年1,400万トンのCO2が排出されています。これはラトビア共和国の年間カーボンバジェット (累計排出量の上限値) を凌駕しているといいます。

EUでは年間で約2億1,100万台ものスマートフォンが購入されています。

ヨーロッパにて環境へ最も深刻な影響を及ぼしているのはスマートフォンの製造ですが、試験が行われた電気機器の中で、最もエネルギーを消費するのは洗濯機であることが分かっています。

報告書の電気機器レビューでは、6年毎のノートパソコン買い替え、11.4年毎の洗濯機買い替え、6.5年毎の掃除機買い替えなど、寿命引き延ばし効果がフィーチャーされました。

報告書はRight to Repairキャンペーンと協同で制作されました。同キャンペーンは、購入するのではなく、修理することにより温室効果ガスの排出を削減しようと、ヨーロッパ全土で消費者に訴える活動を行っている運動団体です。

同キャンペーンでは、製品を容易に修理できるように改良し、計画的廃用化 (機器の寿命を意図的に短く設定するのと同時に、次々と新製品を出して, 消費者により新しい製品を買わせようとすること) を止めるよう、製造メーカーに訴える活動も行っています。

Right to Repair 運動はEUの新たな規制の制定に貢献しました。規制は2021年に施行され、TV、電気、洗濯機、食洗器、冷蔵庫のメーカーには製品を修理可能にし、寿命を長く設定することが義務付けられます。

シュバイツァー氏は続けます: “As public support for longer lasting products and climate action grows, we have an opportunity to radically rethink the way our products are designed and produced" (国民が、より長持ちする製品を支持して気象変動に対するアクションが勢いをつければ、私たちにとって製品がどのようにデザインされて、どのように生産されているのかを、根本的に考え直す良いきっかけとなるでしょう)。

“The EU can be a leader on this front, having already pioneered some ground-breaking laws forcing manufacturers to make certain products more easily repairable” (製造メーカーに製品の修理簡素化の義務を課すという、地盤とも言える法律の制定を成し遂げたEUは、第一線でこの運動を率いてゆくことができると思います)。

補足:
- 翻訳は個人の解釈によるものです。
- ヘッダー画像: 同ウェブページより (Credit: Pixels)。

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