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音楽で睡眠の質を高める 最高の睡眠音楽を作る#1

加齢やストレスで睡眠の質が低下している方に…

寝る前に音楽を聴くことは、安全で費用もあまりかからないお勧めの方法と広く言われています。
私も好きで慣れ親しんだ音楽を聞きながら寝ると、たしかによく眠れるのを感じています。

ここでは、音楽が、なぜ・どのようにして睡眠の質を高めるかについて、書いています。



音楽は本当に睡眠の質を高めるか

本当に寝る前に音楽を聞くとよく眠れるようになるのでしょうか。
科学的なエビデンスは得られているのか調べてみました。

Pubmedを見ますと、音楽と睡眠の質の関係を調べた報告は200以上ありましたが、ほぼ全てで結論は「音楽は睡眠の質を高める」というものでした。しかも、老若男女問わず効果があります。

たとえば、

しかし細かく見ると、以下のようなことがあるとのが分かります。

1.強力な効果があるわけではない

睡眠の指標がどれくらい改善したのかを見るとそれ程大きくないようです。

深い眠りを妨げる要因(睡眠前の悪習慣、飲酒、夜間頻尿、気道の閉塞など)がある場合は、そちらが上回るのではないでしょうか。

2.個人差がある

報告されている睡眠の指標を見ると、すぐに眠れるようになった人とそうでない人の差がだいぶあるようです。

3.即効性があるわけではない

音楽の睡眠への効果について、累積的に効果がある(=聞けば聞くほどに効果が上がってくる)とされています。
上の1)の報告でも、60歳以上の高齢者が4週間以上は聞き続けることで効果が上がっています。

これは逆に言うと、音楽を聞いたからすぐに効果が現れるというものでもないということです。

→「快眠」を謳っているCDの評価も1カ月ほど聞いてみないとできないと考えます。他人のレビューを参考にする必要はありません。

音楽が睡眠の質を高める理由

音楽が音楽が睡眠の質を高める理由については、書籍「医師が実践! モーツァルトで免疫力を鍛えるコツ 心と体にいいクラシック(小林修三:著)」「音楽は名医 ――痛み、ストレスを癒やす聴く健康法(藤本幸弘:著)」などの内容をまとめました。

音楽を聞くことは、耳から入ってくる音波を脳内で電気信号に変換する一連のステップが脳内に発生することですが、その過程で脳内に変化が生じます。

1.音楽が副交感神経を活性化する

夜よく寝るためには、リラックスして副交感神経が優位の状態になることが重要です。

ゆったりした音楽を聞くことで、副交感神経(迷走神経)が刺激されて活性化します。
臨床試験でも音楽の効果で呼吸が遅くなり、心拍数も血圧も下がることが報告されています。

2.ストレスホルモンが抑えられる

音楽を聞くことで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられます。
反対に、快楽ホルモンであるドーパミンが増加します。同様にオキシトシンやセロトニンも分泌されます。

セロトニンは睡眠ホルモン「メラトニン」の材料にもなります。

3.痛みを軽くする

年齢を重ねてくると、身体のあちらこちらで痛みが出始め、それが眠りを浅くする原因になっています。

好きな音楽を聞くことで、痛みを感じるしきい値が高くなって、痛みを感じにくくなるとされています。

4.環境ノイズが抑えられる

騒音(ノイズ)も眠りを浅くする要因です。眠りを妨害するような大きな騒音はもちろんですが、細かな環境ノイズも実は睡眠の質を下げると考えられています。

音楽はこれらの環境ノイズをかき消し、睡眠効率を高めるのに役立ちます。

次回は、最高の睡眠音楽とはどんなものかについて書きます。

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