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【優秀なリハスタッフから辞める】職場で起こっていること


うちの病院はベテランか新人しかいない。
リーダーの〇〇さん、来月で辞めるらしいよ…
毎月のように退職者が出ていく…

このような職場で勤務されている方は少なくないのではないでしょうか?

 若手リハスタッフにとって、優秀な同僚が辞めていく職場で働くことは、大きなストレスや不安を引き起こすことがあります。

実際私も上記のような職場で働いていた経験があり、なぜこんなにも優秀な人から辞めていくのか不思議でした。

 優秀なスタッフが辞める背景にはどのような問題が潜んでいるのでしょうか。そして、そのような状況に直面したときにどのように対処すれば良いのでしょうか。

 今回はその点について考えてみたいと思います。


参考書籍はこちら↓


組織が病んでいくメカニズムは、プラス感情の不足よりマイナス感情の蓄積

人間は不思議なもので、悪い出来事の方が頭に残りやすいと言われています。

例えば、給料が2000円上がったことよりも、ボーナスが500円減ったという方が、悪い意味で頭に残りやすいですよね。

組織が病んでいくメカニズムはこれで、マイナス感情の蓄積を放置することが原因にあります。

マイナス感情はなぜ蓄積するのか

単純に、【会社が与えるもの−社員が求めるもの=感情】になります。

例えば、給料が20万円欲しい人が、給料30万円の会社で働くか、18万円の会社で働くかというのが分かりやすいでしょう。

給与で例えましたが、人間関係ややりがいなど、金銭的報酬以外の部分も関与します。

そしてこれは職員によって考え方が異なります。

以上を前提に深掘りしていこうと思います。


優秀なスタッフから辞めていく職場は、対策が間違っている。

 このマイナス感情の蓄積というのは、病気と同じようなものです。
よって、病巣切除が必要になります。

 例えば、単純な賃上げや休日を増やす、残業を減らすなどは、対症療法でしかありません。

 さらに、プラス感情はすぐに慣れてしまうため、また別のマイナス感情が出てきた時に退職するという流れにつながります。


残したい人材はどのターゲットか


組織の人員を相分けした際に、以下のようになります。

優秀人材  10%
  →組織の中で特に優秀な人たち

ハイポテンシャル人材 10%
 →優秀人材になりうる人たち

普通人材  50〜60%
 →普通の人たち

立ち上がり人材  10〜20%
 →新卒、既卒に限らず入職1年目以内の人たち

ぶら下がり人材  10%
 →いわゆる窓際属、働かないおじさん


そして、離職の種類としては

・積極的離職
・消極的離職
・離脱

この3種類が挙げられます。

特に、優秀人材やハイポテンシャル人材は、働きがいを求める傾向にあるため、離職を減らそうという名目で、働きやすさばかりを追求してしまうと、優秀人材やハイポテンシャル人材の積極的・消極的離職を招きます。

逆に、やりがいばかりを追求してしまい労働時間の増加や、業務量の増加をすると、立ち上がり人材やぶら下がり人材に近い普通人材の消極的離職や離脱を招きます。

対策としていいバランスを取らないことには、離職は防ぎようがないということになります。

では、優秀な人から離職していく職場では何が起こっているのでしょうか

防ぎたいターゲットを想定していない働き方改革


皆さんの職場、病院では、離職率を減らそうと以下のことに重点を置いていないでしょうか?

「残業時間を減らしてワークライフバランスを保とう」

「新人は、教育期間を長めに取ってゆっくりと進めていこう」

「リーダーの方々には、臨床ではなくチームをまとめることに徹してもらって、うまく回してもらおう」

「有給取得率を上げるために積極的に有給を消化してもらおう」

このような施策を打ってしまうと、臨床能力をもっと高めていきたいハイポテンシャル人材や、ハイポテンシャル人材になりうる立ち上がり人材にとっては居心地が悪くなってしまいます。

逆に、「給料がもらえればいいや」というぶら下がり人材にとってはとても居心地が良い職場の完成です。

ちなみに本書では、防ぐべきターゲットの優先順位としては、ハイポテンシャル人材→立ち上がり人材→優秀人材→普通人材となっています。

リーダー候補の中堅層や、新人の離職率が高い職場では注意が必要です。

そのような職場で働いている時の対策


まずは、職場を変えるか否かの2択になってくると思います。

職場を変える場合

人員層と、可能であれば中途採用者の離職率を面接時に確認することができればベスト

求人票の文言に
「ワークライフバランスを重視」「働きやすい職場」などがある時は注意

この辺が重要になってくるかと思います。

現職に留まる場合

組織の考え方を変えるのは難しいので、自分でできることに取り組む必要があります。ここからは、ハイポテンシャル人材になりうる立ち上がり人材の方々が読んでいる前提で考えていきたいと思います。

①自分が頼れる人を1人でも見つける。
②自分なりのやりがいを探す。

①に関してですが、いい先輩からの教えをこうことがやりがいにつながる場合があります。
まだ退職していない優秀人材、ハイポテンシャル人材の方を見つけて、頼りになる先輩認定をするのがいいかと思います。

②に関しては、やりがいがなくなることがネガティブ感情の蓄積につながるので、自分なりにネガティブなものを減らしていく努力をしていくことがいいと思います。

いずれにせよ、ハイポテンシャル人材や立ち上がり人材の退職が絶えない組織であった場合、自分の立ち位置を見直すことは重要だと思います。

このままでいいのか、このまま続けていくことで自分に何が得られるのか。

これらのことが考えられるといいと思います。

今回の記事が、1人でも多くの若手リハセラピストに届くと嬉しいです。




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