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男女のすれ違いがもったいない


新橋の芸者時代、

「こんなにご家族や従業員のことを想っていらっしゃるのに、伝わってないのかー」

と思うことが多々ありました。

「仕事ができて、結果を重視する男性(特に昭和の)」は、「お金や地位など目に見えるものこそが周りを幸せにする!」と思うあまり、言葉やコミュニケーションを省いてしまいがちだと感じてきました。

そして、大切に思っていた周りの人に想いが届かないまま、淋しい晩年を送られるのを、なんども目にしてきました。

また、講師になってからは、そういう男性を支えてきた女性からもお話を聞くことが増えました。

舅、姑に尽くすのは当たり前、親戚づきあい、近所付き合いもして当たり前。イクメンなんていう言葉もなく、家業があれば一緒にやり、田畑があればそれもやるという時代を過ごされた女性がお話ししてくださることは、地域や職業などと関係なく、驚くほど似た内容でした。

「今まで自分にできることは精一杯やってきた。それを誇る気持ちもないし、やって当たり前、できてよかったと思っている。でも、子供も巣立ち、ふと自分の人生を振り返った時に、今の時代は私たちの時代と違って、男がオムツを変えたり食器を洗ったりする。それでも奥さんに洗い方が汚いと怒られていたりする。”私達の時代じゃ考えられなかったわ” なんてことをうっかり口にしたら、子供達から、”お母さん、自分で選んだ人生でしょ” とか、”そんなこと言ってても仕方ないでしょ”って言われてね。主人は私の気持ちなんて全く理解してくれない人だしね。もし、”お母さんも大変だったよね” とか”頑張って育ててくれたのよね” って、ほんの少し言葉をかけてくれたら、あぁ今までやってきてよかったって思えるのに。時々私、何のために今まで生きてきたのかわからなくなるんです」

というようなことをおっしゃって涙ぐまれる方が、一人や二人じゃないんですよね。聞いていて、胸が締め付けられることが度々あります。

そのたび、「こうして男女はすれ違うんだなぁ。もったいない」という気持ちがいつも湧いてきます。


そんなわけで、このマガジンでは、私が芸者時代から今に至るまで、見たり聞いたり感じたりしてきた男女の違いを書いていこうと思います。

「男が悪い」とか、「女が悪い」ではなく、「良かれと思ってやっていることが実は裏目に出ていますよ」とか、「そのやり方ではパートナーは自分が愛されていることがわかりません」というような橋渡しができたらいいなぁと思っています。

男性は、「何も言われなければ相手は満足している」と思いがちですが、突然の熟年離婚通告がこんなに多いことを考えれば、そうでないことは明白。

女が黙るのは満足している時ではなく、「もうこの人との人生はなし!」と決めた時です。

また、女性は「愛しているなら言わなくても察してくれるはず」という気持ちがあるんですよね。

それに、男性は正面切って自分の間違いを指摘されると、自分でも良くないと思いつつも、メンツが邪魔して耳を貸せないことがありますよね。

だから、いろいろ言われても無視してやりすごそうとします。

なんどもトライして、それでも自分の意見が聞き入れられないことを悟った女性は、静かに心を決めるのです。


そんなわけで、これから綴っていく内容は、どうやら男性には耳の痛いことが多いようです。

年間100回ほどしている講演で、この、「男女のコミュニケーション」については毎回必ず内容に入れているのですが、感想は、「突き刺さりました」や「えぐられました」というものがほとんど(笑)。

時にはうめき声や一斉にため息が漏れることもあり、「突き刺すつもりもえぐるつもりもないんだけどなぁ」と思いながらも、男性陣には思い当たる節がおありなんだろうと感じています。

「うちの家に隠しカメラをつけてないですか」

「盗聴器を仕掛けられているんじゃないかと思いました」

という感想も、毎回5〜10人ほどの方に言われるので、そのたび、「どこのご家庭でも同じようなことが起こっているんだな」と思います。

もしこのマガジンを、男性の方が自ら進んで読もうとしてくださったなら、誠にご立派、素晴らしい!心より感謝申し上げます。

男性で、自分たちのパートナーシップについて積極的に学ぼうという方はごく少数です。ぜひ、パートナーのため、ご自身のため、これからもそれぞれの考え方に関心を持ち続け、良い関係を維持、発展(あるいは再構築)していただきたいと思います。

そして、このマガジンの名前の通り、パートナーから「これを読んでちょうだい」と渡されてこれを読んでくださっている方にも、心よりの感謝を申し上げます。

男性は、「今の関係を変えたい」とか、「自分たちのことについてもっと考えて欲しい」と言われると、強いストレスを感じることがありますよね。そんななか、こうして読んでくださっているからには、パートナーのことを大切に思い、仲良くこれからもやっていきたいというお気持ちがあるのだと思います。

「今の関係を変えたいって、こんなに俺はお前のために(または家族のために)頑張っているのに、まだ気に入らないっていうのか」という怒りを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

女性が「自分の感じている気持ちをわかって欲しい」と言うと、男性は責められたり非難されているように感じることが多いと思います。

「こんなにやっているのにそれを認められていない」という気持ちになるかもしれません。

でも、それこそ男女の考え方の違いが生む勘違いで、女性としては、「もっと仲良くなりたい」「この先も一緒に居たい」と思って、自分の気持ちを話したり、二人の関係について話し合ったりしようとします。

責めたいわけではなく、わかって欲しいのです。

この先も、何度もなんども出てきますが、とにかく女性にとって「気持ちをわかってもらう」「話を聞いてもらう」と言うことは、息をするのと同じくらい重要なことなのです(もちろん共感の体験は男女問わず大切なことですが)。

特に女性は、「それが得られないなら生きていても仕方ない」という気持ちにさえなってしまうもの。

男性が、「この人を幸せにするために」と思ってどれだけお金を稼いできても、女性が幸せを感じていないことは多々ありますよね。

男性が良かれと思って必死になって、それこそ命を削って与えているものと、女性が求めているものが全く違うことがあるのです。

ここでは、男女の考え方の違いについて知っていただき、相手のことも、自分自身が無意識に感じていることについても、新たな発見をしていただけたら良いなと思っています。また、「これまでやってきたことはまちがいじゃなかった」ということを再確認する方もいらっしゃるかもしれません。

誰かを責めたり、非難したりするのではなく、「こっちのやり方の方が喜ばれます」という提案ができたらいいなと思っています。

ただ、相手との違いを理解したあと、どういう道を選ぶかは、それぞれのカップルの自由だとも思っています。

世間では「あり得ない」と言われることでも、当人同士が「これでよし」と納得していることはいくらもあると思うのです。

それは、当事者同士が決めることで、周りがとやかく言えることではないというのが今の私の考え。

私がしたいのは、すれ違いによる「もったいない」をなくすこと。

本当はお互いを大切に思っているのに、それが伝わっていなくて気持ちがすれ違い、関係が壊れてしまうことが本当に残念なのです。

恋愛ドラマで、好き同士の二人が待ち合わせをして、すぐそばにいるのに気づかない時に、

「います〜〜!!!そこにいます〜〜〜!!!』

と画面に叫びたくなるようなそんな気持ちです。

叫んでお互いを見つけたあと、共に歩んでいくのか、違う道をいくのかはどうぞご自由に、でも、気づかないまますれ違うのは嫌だ!!そんな気持ちです。


#metoo運動などで 、ジェンダーについて考える機会も増え、これからは今までと違う男女の関係が求められていると感じます。

とはいえ、「これが世界のスタンダード」「あなたは間違っている」「無知で無礼な考えには鉄槌を!」というアプローチでは、現実を変えるのが難しいようにも思います(性犯罪や暴力には毅然とした対処が必要ですが)。

私の講演は、昭和的な男女の関係でやってきた方が聞いてくださることが多いので、そういう方に向けて普段お話ししていることを綴ろうと思うのですが、今の令和の時代に、男、女という大きなくくりでお話しすると、不快な思いをされる方がいらっしゃるかもしれません。

このマガジンを始めるにあたりそのことが気がかりでした。

でも、今回は、「多くのパートナーや男女がトラブルに直面した時のヒントになる話を書く」ということを一番の軸にしようと思います。

「俺はそうじゃないけどな〜」「私は違うわよ」

ということもあると思います。また、私は責めたり非難したりするつもりがないつもりでも、私の認識の甘さから傷つく方がいらっしゃるかもしれません。

そもそも、男、女というわけ方が不快な方もいらっしゃるはずです。

そういった諸々のことをお許しいただきながら、

「今よりも良い関係をのヒントを」

という気持ちで読み進めていただければ幸いです。


家庭内だけでなく、会社の中での男女の違いについても書いていこうと思います。

どうぞよろしくおつきあいくださいませ!




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