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『千世と黒クニ』





「嫌だ」と叫んだ君の声
「痛い」と叫んだ君の声
「やめて」と叫んだ君の声

塞がれて 声は盗られ
首を繋がれ 手足を繋がれ
人じゃないからと その姿すら笑われて
人じゃないからと 弄ばれて

転生を繰り返しても
幾度も幾度も
幾度も幾度も




それでも君は 人を信じた
幾度も幾度も 人を信じた




「みんな自分の事
わかんなくなっちゃってるだけだよ」

「頑張ってたらきっと
私の姿もちゃんと
正面から見て受け止めてくれる人
現れると思う」

「諦めちゃったら
出会えたかもしれない可能性も
捨てちゃうことになる」

「私、人間の事好きだよ。」

………じゃあどうして、 君の涙はやまないの?














「眠たくなっちゃった。」
と君は僕に寄りかかり、そのまま目を閉じた

僕も一緒に眠るよ





来世は僕も一緒に生まれ変わる
最初からずっと君の傍に居る
君を笑わせたい
君が好きなんだ


最後まで傍にいるよ




「包んで貰えるの嬉しいよ
撫でて、優しくして貰えるの嬉しいよ」

「でも怖くもあるの
私、汚いよ
汚れているよ
一緒に居たら 汚れちゃうよ」



「人を信じたい」は そういう希望
君の こうでありたいという希望
叶わないだろうと思っているからの 希望

転生を繰り返す度に
傷が増えてゆく
絶望の瞬間も多くなる
君の願いはむなしく終わる


千世と黒クニ 極寒期完成画








「私の傷を
汗を
涙を
足掻いて漏れた声を
瞳を
綺麗と言うな
好きだと言うな
柔らかい 美しい手で
触ろうとするな」

「私はあなたの日常の
1刺激でもなんでもない
自己陶酔の道具でもない」

「あなたが綺麗と言うと
私はその分汚れるんだよ」

「もう私を見るな」



君はとうとう壊れはじめた
傷つきすぎて
疲れ果てて
ひねくれてしまった心は
温かさを一切受け付けない




「バイバイ
あなたの興味本位の
視線の肥やしに してやれるものは
ここにはないの
他を当たって」

とうとう君は
自分を捨ててしまった
人を信じたい気持ちを
諦めてしまった





「『一緒に汚れるよ』 って
そんな簡単に言っていいものなの?」

簡単に言ってないよ
でも 『最初から最後まで君と一緒に居る』のは本当だから
ただそれだけ
君がどうであっても
何者であっても
何を行っても
僕は一緒に居続ける
ただそれだけ

「ふうん…。」




君は僕のお嫁さんだからね
そして僕はバケモノだから
どこでだって
例え冥界だって 一緒に行くよ

君が煉獄の炎に焼かれると言うのなら
僕も一緒に焼かれよう
共に灰になって
混ざって
今度は同じ磐にでもなろうか。





僕の『愛してる』は そういうやつ。
バケモノの愛はそういうやつ。




千世と黒クニ 煉獄期完成画



to be continued





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