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モラ録。15〜電気の紐〜

ある日の夕方、私とせん太が保育園から帰宅し、
台所のメインの電気を点けようと紐を引っ張ると、その紐がブチッ!と切れてしまいました。

椅子の上に乗って、切れた部分を下から覗くと
かなり根元から切れているようでした。
私は椅子に立ったまま、なんとか直せないかと
試みてみました。

その最中に仕事を終えたモラ夫が
モラ実家へやってきました。
私は「紐が切れちゃったんだ」と説明しましたが、無視されました。


10分ほど電気の紐と格闘してみましたが、
天井から電気を外さないと直せそうに
ありませんでした。
私の背丈では椅子に乗っても
電気の根元に手は届かず、
外す事が出来ませんでした。


〝背が高い(180㎝以上)のだからモラ夫も
少しくらい手伝ってくれてもいいのに…〟
と思いましたが、不機嫌なモラ夫には口が裂けてもそんな事は言えませんでした。


その間、モラ夫は我関せずで
ずっと無言を貫いていました。


そうしているうちに、
義母が別の部屋から電気スタンドを
持ってきてくれ、
「今日はこの灯りで食べればいいわよ」
と言ってくれました。

私は「すいません」と言い、
義母が用意してくれた夕飯を並べたり、取り分けたりしました。


食事の準備が出来たので、
全員が食卓につきました。
電気スタンドの灯りなので薄暗くはありますが、
なんとか食べられる明るさでした。

私はみんなに
「私のせいで暗くてゴメンネ」と謝りました。

ご飯を食べ始め、少し経った頃に
せん太がモラ夫に言いました。


「父さん、直してあげてよ!」



私はせん太がそんなふうに言ってくれた事を
嬉しく思いました。

しかし、その嬉しさはすぐに
絶望へと変わりました。



モラ夫「なんで?父さん頼まれてないよな!!」


モラ夫は不機嫌に声を荒上げ答えました。






いや、こっちが〝なんで?〟だよ!!!

Σ(゚д゚lll)

どうやったら子供に
そんな受け答えできんの?(ー ー;)


せん太はドン引きしながら悲しそうに
「そうだね…」と言いました。


薄暗い食卓は静まり返り、
さらに暗くなりました。


モラ夫は自分に従順なはずのせん太が
私の事を庇ったのが許せなかったのだと
思います。

どんな父親だよ!((((;゚Д゚)))))))



次の日は私は仕事、
モラ夫とせん太は休みでした。

(休みの日じゃないと紐を直す時間がないな…
明日も暗い食卓でモラ夫からの不機嫌オーラを
感じながら夕飯を食べるのか…)
と私は憂鬱でした。


次の日、仕事が終わって帰宅すると、
紐が切れてしまった電気と
2階の空き部屋の電気が入れ替わっており、
台所は明るくなっていました。

入れ替えてくれたモラ夫に感謝し、
ありがとうと伝えましたが、
(入れ替えるだけだったらすぐ出来たハズなのに、なんで昨日はやってくれなかったの?)
と内心モヤモヤとしました。

私は休みの日にYouTubeを参考にし、
1時間ほどかけて紐を直しました。


しかし、これで一件落着…
ではありませんでした。



そのおよそ2ヶ月後、
同じ電気の紐を今度はモラ夫が
切ったのです。


私「YouTubeを参考にしたら直せたよ」
私はアドバイスのつもりで伝えました。




モラ夫「え?お前紐切ったんだっけ?」






私は耳を疑いました。
「!?…うん、この前この電気の紐を
私切っちゃったじゃん。
それで台所と2階の電気を入れ替えたでしょ?」



モラ夫「そうだっけ?」



私は愕然とした表情になっていたと思います。
モラ夫は私が電気の紐を切り、直した事を
全く覚えていなかったのです。

病気でも冗談でもなく、
本気で忘れているモラ夫に私は震えました。


紐を切ってしまった時に不機嫌に無視され、
子供の優しさも踏みにじられ、
私もせん太もあんなに悲しい思いをしたのに、
この人はその事を微塵も覚えていないなんて…。
 
私が今までされてきた暴力、暴言も
この人はきっとほとんど覚えていないんだ…。

罪悪感なんてこの人には無いんだ。

だからこの人にモラハラが辛いといくら訴えても
わからないんだ。



この出来事は
モラ夫に対する違和感を確信に変える
ひとつの大きな要因となりました。


あの時に今戻るのならば、
せん太の優しさを踏みにじったモラ夫に

「あなたは今、
子供を悲しませる最低な行為をしたんだよ」


と言いたい。

そして
ストリートなファイターの
巨漢プロレスラーからモラ夫へ、
必殺技の〝スクリューパイルドライバー〟
をぶちかまして欲しいです。


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