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千由家、家を買う(22)

不動産業界も年末決算のようで、結構な数の土地が値下げされてきた。最初の頃に見ていた土地(都内、駅から競歩で5分)も値下げしていて、二ヶ所の不動産屋から連絡が入る。

いや、知ってたし、SUUMO毎日見てるから君たちより情報早いよ?


は、胸にしまって聞いてみる。

で、そっからなんぼ下がるん?


新しい不動産がちょいがんばって申込書の前に聞いてくれた。SUUMOに載ってる価格からあと4〜5%がんばれそうということだった。

こう言う時に出る不動産屋上等文句がこちら。

①他にも興味ある人いてますよ
②年度末までなら値引きしますよ
③価格変更後は、申込殺到しますよ

こう言って購買者を煽ってくるのである。誰だってこう言われれば、少なからず気持ちがワサワサするもんである。100%その土地が気に入っている場合は即刻決断するべきであるが、そうでない場合(逃がしても後悔がない)は、一旦冷静に考える方がいい。

①について
興味があるだけで、申し込みには至っていない。または、申し込み者の提示額が低い。

②不動産屋によるが、3月末が決算のことも多い。例え決算が12月だけだとしても、年を跨げば値引きしませんとは考えにくい。特に個人ではなく業者が土地を持っている場合には、関係ないと言ってもいいと思う。売れない土地を所有し続けて嬉しい業者はないからだ。特にマーケットに出して半年以上、値引きしても買い手が決まらない土地が、年を跨いで売れ残っている場合、年を跨いだとて値引きに応じないとは考えにくい。

③殺到するかどうかはわからない。買う気のあるものは、それ以前に値段交渉かけるはずだからだ。知らんけど。

いずれにせよ、タイミングとか運とか縁とかあるので、もしかしたら私の考察が外れてすぐに買い手が付くかもしれない。何でこんなに悠長な話をしているかと言うと、前にも言ったように焦ってないからだ。それに100%好きぃぃぃともなってない。なので、どなたかが満額で買いたいと言われるならどうぞーなのだ。

それになんだか怖くなってきたのだ。神奈川に物件を見に行ったときも怖いと言っていたが、あの時は慣れ親しんだ土地から離れるのが怖かった。今度は後戻りできない怖さがやってきた。一旦判を押してしまったが最後、後戻りはできないのだ。鍋を買うようにはいかない。買ってからいまいちね、捨てようまたは買い替えようとはいかないのだ。「パニックの行方」で書いた、『閉塞感』な怖さなのだ。100%好きじゃないものに、こんな高額ベットできねぇという思いと、100%好きな土地なんてないよという思いで、板挟み中。正に冷静と情熱のあいだ(違うやろ)条件的には60%合えばOKみたいなのSNSで見たけれど、条件じゃなくて、感な部分よ。好きか嫌いかビビビっとくるかこないか。

それに夫の仕事が忙しく、なんと正月からトルコに出張が決まっている。そのあともスイスに出張が決まっており、どけんするとよーなのだ(突然の九州弁)いくら私の意見がほぼほぼを占めるとは言っても、夫の意見も少しは聞かねばなるまい。

あぁ、どうしたらいいのか全くわからない。ママ友Aちゃんは言った「踏み切れない土地は、縁のない土地」。その時はそうかなぁ?と思っていたが、そうかもしれないと思うようになってきた。


つづく


※イラストお借りしました。rakuboroさん、ありがとうございます。

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