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おっちょこちょいは生まれつき

麻婆豆腐を作っていた。最後の仕上げに片栗粉〜と冷蔵庫を開ける。扉の中段に入れている片栗粉に手を伸ばす。あっと思った瞬間、片栗粉の袋上部を留めていた洗濯バサミが外れ、私に向かってバサーっ。

う、嘘やろ?

首から胸、腕までも片栗粉の洗礼を受けている。

ど、どないしよ?

冷蔵庫を開けたままで考えること数秒。

と、とりあえず冷蔵庫しめよか。

なるべく自分の体から粉を落とさないようにシンクに移動した。少し動くと、サラサラの片栗粉が首の辺りからTシャツの間を通り、胸の谷間に落ちていくのがわかった。

あかん、全着替えやないかい。ブラまでやられた。

上半身を下着まで全部着替えて、床掃除。無茶苦茶疲れるやん。

こういった類の事が頻繁に起こるわたし。

おっちょこちょい
がさつ
慌てもの
そそっかしい

全部私に当てはまる。せっかちでもあるので、包丁を走らせ過ぎて、指や爪を切るだとか、油で火傷などは日常茶飯である。若い頃からおばさんになった今も、全く変わらない。

あれは結婚後、ドイツに移住して、すぐのことだった。向こうで出来た友人が家に来ると言うので、バナナローフを焼いた。切り分けの時に、パン切り包丁を使った。友人が帰った後、そのパン切り包丁を洗っていた時のことだ。左手にパン切り包丁、右手にスポンジを持ち、刃に沿ってスポンジを滑らせた時、何がどうなったか泡でつるりと滑り包丁が空でバク転した後、右手の親指付け根に落下。刃先がモロに当たった。まぁ、そんなことは日常的に起こるので、慌てず石鹸を洗い落とし、ペーパータオルで圧迫止血した。いつもなら楽勝で止まるはずの血が、全く止まらない。パン切り包丁の刃先は波打っており、それが思いのほか深い傷を作ったようだった。家には私一人。ドイツの病院制度がわからない。ドイツは、だいたいが先に予約で、飛び込みできるとこが少ない上に、わたしのドイツ語では、状況を説明出来ない。詰んだ。友人に電話してもよかったのだが、この後用があると言っていたし、指が切れたぐらいで呼ぶのもなと我慢した。(ちなみに友人はイギリス人だったので、英語で会話する事ができ、友人になれた)圧迫を続けること数十分、やっと血は止まったが、傷跡がヤバい。ちょっと骨も見えてるっぽい。仕方がないので、バンドエイド的なものをぐるぐる巻きにし、夫が仕事から帰るのを待った。翌日、病院に連れて行ってもらったが、既に傷口が引っ付いちゃってるので、どうしようもないと帰された。傷はケロイド状になって、今も跡が残っている。

日本に戻ってからも当たり前に同じだ。この間は、実印を無くした。12年乗った車を買い替えるために、日曜日、ダイニングテーブルの上で書類に判を押した。月曜日、ディーラーに取りに来てくれるように電話したら、水曜日に行きますと言われたので了承。で、水曜日。ディーラーが来訪予定の30分前に、書類を玄関に出して、実印どこやったっけ?と探したけどない。確かにダイニングテーブルの上にあったはずなのに。探しまくったけどない。汗だく。夫も一緒に探してくれたけどない。実印は、実印証明書がセットにならないと悪用は出来ないことを夫に説明したら、「また作り直すしかないね」と言われた。夫は、このような事が起きても、全くイライラしない。私ならどうだろう。きっと「高かったのに」だの「また区役所行かないとあかんやん」だの嫌味を言ってしまう。

心広いな、あんた!!

もう作り直すしか仕方がないねと話したけど、ディーラーが帰った後にもう一度探してみた。

あった。

私の部屋のゴミ箱に。

なんでよ?あんたなんでそんな所にいるのよ?

そのゴミ箱、化粧台の前にあり、どうやらダイニングから持ち運び、自分の部屋の化粧台の上に置き、何かの拍子でゴミ箱に落下したようだった。全く覚えていない。奇跡的に見つかったけれど、自分で自分に腹が立つ。

こんな感じでなんとか生きてるけれど、わたしが死ぬ時もこんな感じで、あれ?もしかしてわたし、死んじゃった?とならないように気をつけたいと思う今日この頃です。


※イラストお借りしましたt0m0y0さん、ありがとうございます。もう既に3回借りています。t0m0y0さんのイラスト好き❤️

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