読解力が進まないのは、良質な質問がされていないから説~vol.1

アクションラーニングからの流れで、どうやら「質問」にそもそもの問題があるということがわかりました。でも、よく考えたら至極当然ですよね。良いインタビュアーがいるから、記者がいるから本質や本音が聞き出せるとするならば、読解力のきっかけは質問なのです。

最初、ずっと日本語で検索していました。でも、「これだ!」というサイトに巡り会わず、しかたなく・・・・英語で検索を始めました。そこで偶然見つけた「質問」について具体的に説明したサイトがあったので、ご紹介したいと思います。ちなみに、Google翻訳、DeepL、自分の頭を使って翻訳しています。英語が達者な方は、原文を読む事をオススメします。(下の画像にリンクを張っておきました。)


このサイトは、学校図書館の司書の先生をされている、Kirsten先生が作ったサイトです。直接連絡をすると、日本語で紹介してもOKだという事なので、堂々と!分析してみたいと思います。(Kirsten先生は日本の学校でも勤務した経験があるそうで、さらに親近感がわいてきました!)

A List of Quality Questions for Reading Comprehension (読解のための良質な質問リスト)

This post covers 7 areas to support and extend a child’s understanding of what they are reading. Each section suggests questions for reading comprehension in the areas of story structure, making predictions, inferring, author’s purpose, summarising, making connections, self-monitoring & self-correction.

A List of Quality Questions for Reading Comprehension より

ここでは質問の内容を7つに区分して説明してあります。

  1. story structure=物語の構造

  2. making predictions=予測

  3. inferring=推論

  4. author’s purpose=作者の目的

  5. summarising=要約

  6. making connections=つながり

  7. self-monitoring=自己観察

  8. self-correction=自己修正(手直し)


1.story Structure=物語の構造

1-1. What is the title of this book?
1-2. Who is the author and /or illustrator?
1-3. How do you know if this book is fiction or nonfiction?
1-4. How did the story start? How did it end? What happened in the middle?
1-5. Can you retell the story in order of events?
1-6. Where is the story set? How do you know?
1-7. What is the genre of this story? How do you know this?
1-8. Who is telling the story?
1-9. Who are the important characters?
1-10. How did the character’s actions affect the story?
1-11. What is the conflict or problem the characters must resolve? How did they do this?

https://childrenslibrarylady.com/comprehension-questions-successful-reading/ 

質問のポイント

私が子どもの頃、母親は毎回「タイトル→作者→作絵」と書いた人の名前も紹介していました。それをさほど大事だとは思った事も無かったのですが、今、そういう点に絞って調べるとこのような記事がありました。

おはなし隊の読みきかせ「ワンポイントアドバイス」

★新しい本はカバーをはずし、開きグセをつけておきましょう
★下読みで内容を把握しておきましょう
★絵本を安定して持ち、右開き、左開きに注意してめくりましょう
★表紙から始まり、裏表紙で終わります
★読んだあとに感想を求めない

http://ehon.kodansha.co.jp/archives/read_diary40.html

講談社「絵本通信」~おはなし隊の読みきかせ「ワンポイントアドバイス」によると、ポイント4つ目『表紙から始まり、裏表紙で終わります』の説明としてこのようにあります。

読み始めるまえに、表紙を見せながら題名、著者の名前、出版社名を告げます。読み終わったら、「……、おしまい」と本を閉じながら裏表紙まで見せてあげます。絵本を1冊まるごと紹介する気持ちと、本の世界の余韻が残りやすくなります。表紙と裏表紙がつながっている絵は、ひろげて見せてあげましょう。

http://ehon.kodansha.co.jp/archives/read_diary40.html

「子どもには分からないだろう・・・」ではないのです。絵本・本を読むという崇高な行動に対して、持てる知識の全てを注いでその1冊を作ってくれた全ての人の思いに心をはせる瞬間なのです!・・・といってしまえば大げさですね。でも、映画の最初に監督や脚本家の名前が来るのと同じような物で、別の作品を読んだときに「あっ!その名前知ってる!」というのは脳内リンクを活性化させる一つの方法だと思うのです。それに絵本を読むというのは、一つの別世界を見せること。余計な世界(言葉)は挟まない方が良いでしょうね。

ちなみに、娘6歳は、今平仮名の本を自分で読もうとしてくれていますが、「わかやまけん」を「和歌山県」のように発音しています。もちろん、日本に和歌山県という地名があることも知りませんし、「わかやま けん」なのか、「わかや まけん」なのか、それが名前なのかも分かっていません。でも、娘が読むときは、「わかやまという名前の人はいるよ。名字・ファミリーネームだね」などと話をします。また「こぐま・・・何?これ」となると「あぁ、これはこぐま社といって絵本を作っている会社だよ。【こぐま】に社(しゃ)という漢字をつけて『こぐま社』って読むんだよ。」と説明できます。

また、おはなし隊のワンポイントアドバイスの最後にもある「読んだあとに感想を求めない」も、真理かと思います。

せっかく楽しんでくれた読み聞かせ。読んだあとに強く感想を求めずに、子どもたちに湧き上がった感動や想像力を残してあげたいですね。
ただし、絵本の中にわかりづらい場所があったら、指し示してあげたり、おはなしが終わったあとで、ひと言、解説をしたりすると子どもたちの好奇心が深まるかもしれません。

http://ehon.kodansha.co.jp/archives/read_diary40.html

この記事のテーマは良質な質問ですが、本を読んだ後にいきなり質問コーナーを設けてしまうと、子どもは本を読んでくれなくなるでしょう。だから、聞きたい気持ちはぐっっとこらえて、しかし「どうだった?」などという抽象的な質問で終わらない最高の質問が出来れば良いなぁと思うのです。

例えば・・・・

「桃太郎、鬼を見て怖かったかなぁ?善逸みたいに泣いたかなぁ~」
「亀は兎に負けたとき、何であきらめなかったんだろう?」
「浦島太郎の乙姫様って、人魚じゃないんだろうか・・・?」

話題が子どもっぽい絵本の話になってしまいましたので軌道修正。


『読書記録』

中学生くらいなら、色んな本(漫画も含む)を読むと思います。それを「秋田式ノート」のように『読書記録』として記録するのは良いかもしれないなぁと思いました。感想文ではなく読書記録。(感想文に良い思い出は無いので)

これは、私が作ってみた『読書記録』です。本を読んだら、まずこれに記入し、そこからテーマをしぼって、次のページ以降に時代背景や地理、作家の他の作品などについて調べてみるのはどうでしょう。(合科ですね。)

さらに、ここに記入するヒント(手がかり)としてKristen先生の質問をまとめておくと「何を書けば良いかわからない~」と悩む時間は少なくなるはずです。


最後に

読解力をつけるなどというのは一朝一夕で出来るものではありません。「誰が何をした。だから結果がこうなった。」を文章の中からしっかり読み取る力は、他の教科や生活の場面でも有効です。また色んなアドバイスや資料を見て、変更を加える事もあるかも知れませんが、この1枚をもとに話を広げれば、読書感想文も少しは書きやすくなるだ・・・・ろう?

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