『現代短歌』2023年3月号
①ウクライナ支援は施(ほどこ)しなどでなく投資なのだ、と叫(おら)べるこゑす 大辻隆弘 施しなら払うだけだが、投資なら利益が還元される、だから支援しようということか。施しも投資も身震いするほど嫌な考え方だ。叫ぶをおらぶと読ませる作者もそう思ったのだろう。
②火の中にみるみる燃ゆる藁ありて地面に落つるまへに燃え果つ 大辻隆弘 燃える火の中に藁を放り込んだら、あっと言う間に燃え尽きる。地面に落ちる前に形も無くなってしまう。実際の藁の描写かも知れないが、何かの喩にも読める。圧倒的