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【企画物語】スラムダンク学級経営学


1.出会いから衝撃的

普段からオリンピアンや世界で活躍するスポーツ選手、経営者やスポーツチームのメンタルと向き合っている辻先生。

そんなお忙しい辻先生とお会いするのは、セミナー開始20分前が初めてでした。

「学級経営の『経営』って、どういう意味なの?」

始めから辻先生の、問いが投げかけられました。一通り、私もお答えしましたが、

「それって、経営じゃないよ。つまり、学級経営の『経営』は、教師がご機嫌な大人として子どもと接し、信頼関係を築き、自分らしいものを子どもたちが築いて、楽しく毎日を過ごせるようにする、ということでしょう。経営者の『経営』とは全く違うのに、なぜ、学級経営と使うのか…まったく意味が解らない」

出会って最初の会話から強い問いを投げかけ、初対面でも開襟を開いて話し合う。そんな辻先生の人間性に、私たちは早くも、魅了されたのでした。


2.「人生の質」とは?

かつて、内科医として激務をこなしていた辻先生。業績に追われて、常に大きなストレスを感じていたそうです。何かが違う…そんな中、辻先生は一本の映画に出会います。それが、ロビン・ウイリアムズ主演の「パッチアダムス」でした。映画の中に出てきたある言葉が、辻先生の人生を変えました。

「クオリティ・オブ・ライフ」

つまり、ある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということです。

「人生の質を向上させるには、どうしたらよいのか?」

その答えが「ご機嫌な心の状態」つまり「フロー」です。


3.フローと学校と私

辻先生は、フローについて説明しているとき、このようにおっしゃいました。

「悪い出来事があるから、機嫌が悪くなるのでない。機嫌よくなる(フロー状態)ように、感情と向き合うことが大切。機嫌がいいことの価値は大きい。『クオリティ・オブ・ライフ』の向上に関わってくる」

その話を聞いた時、自分の姿が思い浮かんできました。


言うことを聞かない子どもたちの姿を前に、悩んでいる自分。

子どもが自分で幸せになる力を獲得できるよう、日々精一杯がんばっているけど、うまくいかない。

心の不調を、子どもたちのせいにしてはいなかったか?

ずーんと重い心で、子どもたちの前に立ってはいなかったか?


教師が暗くて、子どもが幸せになれるはずはありません。

毎秒押し寄せてくる新しい未来をポジティブにできるかどうかは、自分の感情と向きあい、フローの状態を作ろうとする自分に関わっているのだと知った時、心が一気に軽くなりました。

自分がコントロールできないことに気をもんでも仕方がありません。大切なことは、自分が教師として、最高のパフォーマンスを発揮できるように、常にフローを心がけて、自分の感情と向き合い、整理していくことだとわかりました。


4.学級の子どもの姿から

「先生、このアンケートを学級のみんなにとりたいので、印刷してください」

笑顔で自作のアンケートを持ってきた女の子二人。書かれていたのは、

「たこやきとスイカ、どちらが好きですか?」

というものでした。二人とも、係活動である「たこ焼き研究会社」(私は子どもたちから、たこ焼き先生と言われています)に所属しており、紙粘土でたこやきの私のキャラクターを作ってみんなにプレゼントしたり、休み時間の私の様子を隠れてタブレットで撮影してクラスに紹介したりするなどの活動をしているのです。

「いやー、こんなアンケート、一ミリも人生の役に立ちそうもないなあ」

と思わず私は言ってしまいました。そもそも、たこ焼きとスイカ…比較の条件もそろってないし、別に知ったところで一ミリも得はありません。

「いいんです!やりたいんです!!」

と笑顔で返す二人。こんなやりとりをしているとき、辻先生の言葉が、またしても思い浮かびました。

「一生懸命にやることが楽しい。それを子どもに教えてほしい。

 泥団子をつくることに、どんな意味がある?それは認知の問題。大人はすぐに、そうやって認知で子どもに意味があるかと聞くけど、そうではない。

 泥団子を作ることに一生懸命で、それこそが楽しい、と価値づけることが大切。一生懸命になれるものがある、という子どもの中にあることが大切」

まさに、この二人は一生懸命に、自分がしたいことに向かっています。とってもご機嫌な表情で、実に生き生きとしています。こうしたことの積み重ねが、子どもが幸せに生きていける力の獲得にもつながりそうです。

辻先生の話は、こうした学級の中で、子どもが生きていくうえで重要なことを言い当てていると感じました。


5.応援することは、何も期待しないこと

私は、応援することが好きです。運動会の応援団の指導が大好きで、毎年のめりこんでしまいます。

職員でリレーマラソンの大会に出たときは、誰よりも大きな声を出して応援します。そう言えば、バスケットボールがへたくそだった私が、中学校時代に私よりも上手な人がいるのにユニフォームをもらったとき言われたことが「応援がよくてベンチを盛り上げるから」でした。ミニバスで監督をしていたときは、子どもたちがナイスプレーをするたび、飛んだり跳ねたりしていました。10年以上たった後でも、教え子からは、

「先生、私たちのプレーを、めっちゃ応援してくれましたよね」

と言ってくれます。みんな、私の全力応援を、笑顔で語ってくれます。

とにかく、私は人を応援することが趣味だと言ってもいいくらい応援が大好きです。

辻先生のセミナーの中で、

「思いは、その人の中にある自由なエネルギー。

 応援することは、結果を何も期待しないこと。自分の中にあるもの」

と言われたとき、「あっ!!」と思いました。

私自身、子どもを応援するような気持ちで勉強を教えるときがあります。でも、結果を求めている自分がいたかもしれません。私が、一人一人の子に勉強を好きになってほしい、できるようになってほしい、という思いが、そうさせているのだと思いますが、単純に、一人の子を愛するというイメージであれば、私自身、もっとご機嫌な自分でいられそうです。

人を応援することに、人を見る目があるとかないとか、そんなことはどうでもいいのです。

とにかく、私が応援したいから応援する。

これって、やはり子供たちの前に立つご機嫌な大人として子どもと信頼関係を作っていくうえで、すごく大事なことだと気づきました。


6.スラムダンクが大好き

今回のセミナーで、具体的にスラムダンクのメンバーを例にしながら、自分の心の中にある思いを大切に生きることの大切さについて教えていただきました。自分の心に正直に生きることが、実にカッコいいのです。

とにかく、ご機嫌な大人として、子どもの前に立つ。

それこそが、教師としての自分のパフォーマンスを向上させてくれるのです。

今回のセミナーを胸に、私は毎日、職場である小学校に向かいたいと思います。


【セミナー参加者の声】

とても面白いセミナーでした。


辻先生のお話や考えがもっと知りたいと思いました!

本を何冊か購入させていただきました!


とても痛快でした!一流に共通しているところを見事に言語化されている印象でした、認知的な脳が多い大人社会で非認知脳を育てるにはどのようにしたらいいのか、そこが難しいし議論したいところでした。私はすごくおもしろかったです。


熱い、熱い、本当に熱い想いを戴いた時間でした。終始、励まされました。自分自身が楽しむこと、応援すること、感情に気付くマネジメント力、そして何より自分自身が機嫌よく子供たちに接することの大切さを感じました。ありがとうございました。明日から、一段と笑顔でいきたいと思います!!


スポーツは文化、という話から、また違う角度から学校教育につながるところがありました。自分自身の学び、そして、その学びを子どもや教育に活かせればと思います。まず、自分自身に価値づけし、習慣化していきます。


教員として、子どもの成長に関わる大人としての心の在りようについて、たくさん学ばせていただきました。自分自身、学級経営や職場での自分の姿に顧みるところがたくさんあると感じました。まずは自分が今できる事から見つめなおしたいと感じましたし、そうして磨きあえる環境の中に身を置きたいと感じました。今日はお話をいただきありがとうございました。


やはり辻先生の話はとても興味深く、学びが多かったです。これからも自分の機嫌は自分でとって、常にご機嫌で、子どもたちや保護者の皆さん、同僚の仲間たち、また、家族と接していきたいと、より強く、深く感じた時間となりました。また、今の時代に必要だと改めて実感・共感しました。辻先生、いつもステキな学びをありがとうございます。引き続きどうぞ、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


自分と向き合い、自分と対話する時間をしっかりと持たないと行けないと強く感じました。気付けは、常に認知脳が働く職場環境で、結果とその要因、エビデンスを基にした分析が求められ、自分の思考が認知脳に支配されていると実感しました。FLOWな状態を保ち続ける8つのライフスキルを意識して、今を生きていきたいと思います。本日はありがとうございました。


ご機嫌の深呼吸と、ご機嫌の時を刻んで今を生きていきます。子供達にも習慣となる様にご機嫌を流行らせます。ありがとうございました。学校クルーズさんの活動もご機嫌になりますように。


ありがとうございました。とても目から鱗のお話ばかりでした。

今、学校で子どもたちが登校したら、自分の今の気持ちを絵カードで表してもらう(名前のマグネットの下にうれしいとか、悲しいとか、イライラなど)取り組みをしています。


朝の会では、登校するまでの間に面白いと思ったこと、悲しいと思ったことなどを話せる限りで交流してもらっています。これも、非認知能力を高めることに繋がっているのかなと感じました。勝手な思いですが・・・。今日聞いたライフスキル8つを子どもたちや職場の仲間と意識して養う(考えて生活する)ために何ができるか、どんな取り組みをしたら良いか考えてみます。道半ばどころか、スタートラインにすら立っていないですが、でも、ワクワクしてきました。新しい学びや新しい取り組みを考えるきっかけを与えてくださり、ありがとうございました。 辻先生が最後に紹介してくださった対話の取り組み、来年度の教育課程を作る際に、本気で勤務校で取り入れてもらえるよう提案してみようと思います。


ありがとうございました。今回辻先生から教えていただいたライフスキルを、毎朝職員室で確認してから、教室に向かおうと思います。また、同学年の先生方に今回のお話を共有し、学級づくり・授業づくりに当たっていきたいと思いました。うまく質問ができず申し訳ありませんでしたが、質問の機会もいただき、ありがとうございました!


本日はありがとうございました。スラムダンク好きだし、勝利学の本も読んだことがあったので、何気なく受け講義でしたが、とても学びが多く充実した時間となりました。自己愛について学んでいるのですが、ちょうどそこで学んだことと重なることが多くありました。自分のことを理解する、知ることって難しいなと思っていますが、やっぱり何度も何度も毎日毎日トレーニングする必要があると気付きました。ライフスキルは本を読んで、講座を受けるだけでは身に付けることは難しく、講座等がきっかけとなり、毎日自分と対話していくことでようやくできるようになっていくのだと思いました。ご機嫌のよく過ごしたい!とは思いつつ、それが難しい私。趣味ばっかりしてご機嫌よくを吐き間違えてた気がします。自分の思いや感情に目を向けて、まずは自分の心を整えていきたいです。大人が教師が、ご機嫌になってそのうえで、子どもたちと関われるように、少しずつ頑張ります。


本当に貴重なお話をありがとうございました。

辻先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。心の状態を考え、鍛えていくことへの関心を、仕事をはじめてからは考えもしませんでした。しかし、本日先生の認知脳と非認知脳の話や、非認知脳を鍛えるライフスキルの話を伺い、とても大切なことだと感じました。ごきげんの価値100個、まずは考えられるように練習を重ねていきます。

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