見出し画像

かけ算・たし算型グループ

学校に行くと、毎日いろいろなことが起きます。
どうしたらよいのか…子どもの様子を観察しながら、日々悩みます。
先日、学校CHLOOSの「ICTはもはや日常 ~教員も子どもも全員ICT活用実現!で学び方が変わった洗足学園小学校の7年間の軌跡と10の工夫~」というセミナーに参加し、ぱっと気づかされたことがありました。
子どもたちには「かけ算」のつながりと、「たし算」のつながりと、どちらも必要なのだということです。

例えば、長縄とかグループ活動をしているとき…。

2× 2× 2× 2=16
2+2+2+2=8

この場合、子ども一人の力が「2」だったとすると、お互いに関わり合って一つの数字になっていくかけ算の方が「16」となっていい結果が出ました。
足し算では、それぞれが独立しており、「2」は「2」以上の価値にはなりません。グループで考えれば、自分のことに粛々と取り組んでいる状態です。だから、結果として「8」にしかなりません。

しかし、この場合はどうでしょうか…

2× 2× 2× 0=0

お互いに関わり合っているかけ算では、一人でも0ならば、0です。
例えば、グループの誰かがやる気がなくて寝ている…。机に突っ伏している…。あきらめて、学習に参加しない。
そんな子、クラスにいませんか?
もし、お互いに関わり合って一つの数字になっていくかけ算であれば、
「一緒にやろうよ!」
「もっと○○したらどう?」
と、関わり合おうとするあまり、うまく前に進まなくなります。
先生に困ったことを相談し、
「あの子が許せない!」
と不満をぶつけている状況もあります。
この場合、グループとしての活動はストップ。
一人でも0がいれば、0になります。
私も、こういう学級を経験したことがあります。
はまれば強いけど、ダメな子と関わろうとしすぎて活動につながらないような状況になります。

2+2+2+0=6

では、たし算はどうでしょうか。
お互いが独立しているので、相手を責めることはしません。
自分のことを、粛々とやっていきます。
まるで、多様性の文化を認め合っているかのようです。
あの子はこの教科だと「0」だから、しょうがないよ。
そんな声まで聞こえてきます。
結果、3人は「2」、たして「6」になりました。

では、このたし算チーム、その0点の子をあきらめているのでしょうか?
いや、そうではなさそうです。
他の場面を見てください。
さきほど0点だった子が、教科が変われば5点の大活躍。
さきほど2点だった子たちが、1点分にしかならない状況です。
さっき0点だった子に、結果的に救われたのでした。

私のクラスでは、子どもたち同士、上手にかかわっています。
関わり方について、子どもたちに教えられてばかりいます。
これからも、どんな場面で「かけ算」「たし算」になっているか、子どもたちを見ていきたいと思います。

                       三浦健太朗

サロン会員はセミナーの無料アーカイブ動画が見られます


この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?