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逆説2:コミュニティの目的よりもメンバーの目的を優先する

人が集まるには、目的が必要です。

コミュニティにおいては、それは「コミュニティの目的」かもしれないし、「メンバー自身の目的」かもしれません。「コミュニティオーナーの目的」だってあるでしょう。

ルフィのように「海賊王におれはなる!」と大きな目的を掲げれば、それに共感した人が集まります。だから、コミュニティとしての大きな目的を掲げてそれを目指して運営していくのがいい、という考え方もあるでしょう。

同様に、コミュニティの一種である会社もビジョンという目的が重要ですし、ビジョンに共感したメンバーが増えるのは会社としてもいい事だらけなのは言うまでもありません。

だから、コミュニティには目的が必要であると思いたくもなります

しかし、です。

私にとっては、それは面白くない。わたしは道中楽しみたいのです。コミュニティの目的を強く決めてしまうと、その道中が手段になってしまう。計画性よりも即興性(イマココ)を楽しみたいし、必然性よりも偶然性(タマタマ)を楽しみたい。

もちろんこれが唯一の冴えた方法ではないだろうけれど、コミュニティの目的を設定しないやり方もあっていいんじゃないかなと思うのです。選択肢として。

※「コミュニティの目的」が強すぎると、メンバーを手段にしてしまう。目的に適うメンバーは必要なメンバーとされ、そうでないメンバーは不要なメンバーになってしまう。そういう感じも個人的に苦手。

メンバーの目的達成を重視する
コミュニティデザイン

では、「コミュニティの目的」がないコミュニティメンバーは何を求めてコミュニティに来るのでしょうか?それは「メンバー自身の目的」の達成です。

コミュニティを目的のための手段として捉えてほしい。実現のための装置として捉えてほしい。そういうふうにしてコミュニティをどうやって活用するか、という発想をしてほしいのです。

ここから、もう少し具体的な話をしてみます。

議論メシの場合

議論メシには様々な目的を持ったメンバーが集まっています。

・純粋にディスカッションを楽しみたい
・対人知性を高めたい
・立ち上げた事業を成功させたい
・フリーランスとして稼げるようになりたい
・ユニークなコミュニティを体験したい

など、メンバーはそれぞれが異なる目的を持って議論メシにやってきます。

目的が異なれば、衝突したり分裂したりするもの。

でも、議論メシではメンバーそれぞれが持っている目的が調和しています。積極的に協力し、他者に貢献し、感謝しあっています。

なぜそんなことが起きるかといえば、それは、全てのメンバーの目的がディスカッションを手段としているからです。議論メシはそういう人が集まるような打ち出しにしているコミュニティです。

ディスカッションという「手段が共通している」から、メンバーの利己的な行為が自動的に利他的な行為にもなる。自身の目的を追求するための手段が、他者の目的にとっても有効な手段として機能するわけです。

まだちょっと抽象的ですね。以下でさらに具体化します。

メンバー間で異なる目的を
共通の手段で叶える

例えば、立ち上げた事業を伸ばしたい起業家にとっては、議論メシで自身の事業をテーマにしたディスカッションの場を持つことは、大きなメリットがあります。多様な観点やアイデアが得られますから。

これは一見、メンバー自身の目的のためにした利己的な行為に見えます。

しかし、このディスカッションは「純粋にディスカッションを楽しみたい」人にとっては、リアルで面白いコンテンツにほかなりません。目の前に困っている人がいて、その人と真剣に向き合ってディスカッションできる機会は、実はそう多くありませんから。これは「対人知性を高めたい」人にとっても同様です。

さらに、そのディスカッションは「稼げるようになりたい」フリーランスにとっても有意義です。なぜなら、自身の専門性を活かして貢献する行為そのものがフリーランスの稼ぎ方の代表格だからです。

このようなディスカッションを通じて、クライアントの求めている価値提供を掴んでいき、議論メシの外で仕事を獲得することができるようになっていきます。

さらに、「コミュニティを体験したい」という人にとっても、日々実施されるこうしたディスカッションは他のメンバーとの接点となっていく。加えて、コミュニティそのものをディスカッションテーマとして提案することで、コミュニティについて深い理解も得られるでしょう。

まとめ

このように、バラバラな目的を共通の手段(議論メシの場合はディスカッション)で実現するコミュニティデザインによって、

「メンバー自身の目的」を目的としたコミュニティ

を育てていける可能性を感じています。そこには人の多様性と目的の多様性、そしてつながりの多様性があるはず。

これが正しいよ、ではなくて、こんなやり方もあるんじゃないかな、と思うのです。引き続き、多様なコミュニティのあり方を「逆説」によって模索していきます。

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