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乳幼児健診~③「引っかかる」とは?

これまで、健診とはどういうものか、どんな心づもりで臨めばいいのかについてお伝えしてきました。
今回は、私たちが言いがちな「引っかかる」ってどういうことかを考えてみたいと思います。

一般的には、乳児健診(3.4か月健診)が終われば、1歳半、3歳健診で面倒な乳幼児健診は終了となります。

が、一部のお子さんは、各健診の後に1回~複数回、相談に「呼ばれる」場合があります。
それを「引っかかる」と言うことがありますね。

「引っかかる」というワケですから、他のお子さんはスーっと通り過ぎていくところを引っかかって先に進めないということになります。
なんとネガティブな表現でしょうか。

先ほど「呼ばれる」と表現したのは、ほとんどの親御さんが、自らは継続して相談するとは想像もしていないからです。
そして、できるだけスーッと通り過ぎたいから「引っかかる」と表現するワケですね。

親御さんにとって「引っかかる」ことは、「順調」ではないということを意味します。
やっぱり何事も「順調」がいいですよね。

では、「順調」ではないと言われて、どんな気持ちになるのでしょう?

自分の育児が間違っている、不十分である、下手である?
子どもの成長発達に問題がある?
「虐待」と思われている?

そんな気持ちになるかも知れません。

私たちは「順調」でないことや「一般的」でないことに、強く不安を覚えます。
それは、自身の経験や周囲の人々の生き様を見て、「順調」でないと「困難」にぶつかることが多いと感じているからではないでしょうか。

だからこそ、「順調」でないと言われているように感じると、途端に心がザワザワしてくるのではないでしょうか。

また、子育てってゴールが見えません。
今、子どものためにやっていることが、将来どうなるのか絶対に分からないのです。
答えがないからこそ、「順調」でないとどんなゴールにたどりつくのか不安になるのではと思います。

本当に、何が正解か分からない中で、一生懸命子どもと向き合う親御さんは偉いと思います。
毎日、自分をお互いを褒めちぎっていいと思います。
一生懸命やっているのに、「順調」じゃないと言われたら、普通にイヤですよね。
その気持ちもよく分かります。

だから、健診やその後「呼ばれた」時に、少しでも落ち着いた気持ちで臨めるように、お伝えしたいと思います。

幼児期の子どもなんて、海のものとも山のものとも言えません。
だから、今のお子さんの様子から何かかがジャッジされるワケではないし、何かをジャッシしていいことなんてありません。
そして何より、「引っかかった」からといって、お子さんも親御さんも何も悪くありません。

まず、そこを分かってほしい。

そして、親御さんは自身の経験や後悔を踏まえて、我が子が後悔しないように、いろんな事を考えてかかわったり、与えたり、時に禁止したりしますが、自分が望んでいたことを子どもが望むかは分かりません

何をもって子育ての「ゴール」とするのか、何が「成功」で「失敗」なのか、それも親御さんのイメージ通りにはなりません。
(そもそも「成功」「失敗」もないと思いますが)
だって、生きるのは子ども自身だから。

そういうことを分かった上で、健診で「引っかかった」時は、
子どもが笑顔で過ごせるように、親御さんが安心して育児ができるように「呼ばれた」のだと思っていただけると、またちょっと違う気持ちで受け止められるのではないでしょうか。

人生って、まっすぐに何の引っかかりもなく進めるのがベストとは思いません。
引っかかるってことは、それだけ親御さんが頑張っている、子どもも精一杯生きているってことなのだと思います。
スムーズにいくことが悪いと言っているワケではありませんよ。
どんな人だって、多少の引っかかりってあるもんです。
引っかかった時に、誰かに頼るって大事なスキルです。
親が誰かに頼る姿を見た子どもは、人に頼れる子になるし、人を助けられる子になります。

どうぞ、自信をもって「引っかかって」ください!!

Family応援塾Cho-bit



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