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少数精鋭のお洋服たち

急に冷え込むようになった。さらに曇りで外から屋内に日光も入ってこない。今日は週末ということで近所のマンション工事の音もせず、子どもたちの遊ぶ声も聞こえない。そんな静かな日曜日、起床したのは15時。
 「は?」
スマホで時間を確認して思わず声が出た。
最近は宵っぱりになりがちだったが、さすがに13時間睡眠(二度寝含む)は人生でもなかなか無かったので驚いた。夏は不眠、冬は過眠の傾向があるので身体は正直だなあとつくづく感じる。

引越しをする回数が多ければ多いほど、持ち物が少なくなっていくということはしばしば耳にする。職場の元上司は「自分は異動が多いからどんどんミニマリストになっていく」と自嘲的に言っていた。

私は現在実家から出て数年しか経っていない一人暮らしだ。なので引越しもまだ1回だけ。まだまだひよっこだ。
今年の夏は猛暑もあってか生活リズムが崩れ不眠に悩まされていた。
そんなとき、夜な夜な何をするかというと「断捨離」である。
眠れない夜はとにかく「モノを捨てたい」という衝動に駆られる。ネットショッピングで妥協して購入したものの失敗したブラウス、上司に理不尽に詰められた時に着用していたスーツとか(どうでもいい細かな部分に対してだけ記憶力が良い)。
捨てる・残しておく行為にときめくとか、ときめかないという観点はどうでもいいけど現在の自分が「好きだ」と思える服しか残したくない。あるいは「こうありたい」という理想を叶えてくれそうな服もしかり。今は着なくなってしまったけどもシルエットが気に入っていて捨てられない服もしかり。

そうして私のクローゼットは世間的には「個性的」「サブカルっぽい」「トンチキ」と言われるお洋服が大部分を占めてしまう。
アシンメトリーのよくわからないカッティングがされた裾のワンピース、胸元どこか全体にフリルがたっぷりあしらわれたブラウス、ゴブラン織のレトロな手提げバッグ…

一般的な感覚では「もっと落ち着いた」服を着るべき年齢に差し掛かかりつつあるが、今後住居を変えれば、私物は減るかもしれないがこうした洋服たちは段ボールに詰めて新居にも持っていくと思う。


しかし夏から涼しくになるにつれてこの「断捨離」の弊害を受け、着る服があまりない。お金の余裕はないが、通販サイトとフリマアプリを交互にまわる。
来年の夏もまた過去のマイナスイメージが付着した服をどんどん捨てていくのだろうか。あるいは服の趣味が変わっているかもしれない。
先のことはわからないけど今は少数精鋭の「好きなお洋服たち」に「悪い思い出」ができる限りまとわりつかないように願い、身につける。決して洋服が悪いわけではない。

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