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高度外国人材採用~成功事例と失敗事例~

皆さまこんにちは!OneTerraceの野間です。

高度外国人材採用のご経験がない企業様も現在雇用中の企業様も、
他社における成功事例や失敗事例は気になる部分かと思います。

そこで今回の記事では、弊社が2023年9月27日に実施したウェビナーの内容を主に抜粋し高度外国人材採用事例をご紹介させていただきます。

尚、成功事例のご紹介にあたっては下記資料を参考としています。
ご興味ある方はぜひご覧ください。

(出典)
経済産業省 関東経済産業局 外国人材採用・活用事例集
経済産業省 九州経済産業局 はじめての高度外国人材採用事例集
JETRO 高度外国人材活用事例集


成功事例1.優秀な若手人材の獲得

日本で就職を考える高度外国人材の傾向として、20代から30代の比較的若い人材が多く、技術や知識だけでなく、高いモチベーションや行動力を持ち合わせ、自身のキャリア形成をしっかり考えている方が多い傾向です。
最終学歴は就労ビザの種類にもよりますが母国の大学を卒業している方が大半を占めていますので、日本人の新卒採用の代替手法として外国人材採用を検討される企業が増えています。
採用面接の際、言語の壁にぶつかることがほとんどですが、企業側が考え方や捉え方を変えることで優秀な人材と巡り会うことができます。

【事例①】
会社名   :株式会社ANDCO
所在地   :佐賀県佐賀市
設 立   :2020年
従業員   :28名(2023年8月時点)
事業内容: WEBソリューション事業 他

●採用背景
技術は国籍に関係なく共通している部分があるため、採用の競合が少ない外国人材を採用すれば、優秀なWEBエンジニアを獲得できると想定。
エンジニア(理系)人材は文系人材に比べると日本語力が弱い傾向にある。ANDCO社が採用した外国人社員も面接当初は日本語力は発展途上だったが、履歴書等でエンジニアとしてのスキルがあることは分かっていた上、何よりも面接のやりとりを通じて誠実さが伝わってきたために採用に至る。

●入社後のコミュニケーションの工夫
・チャットツールの活用
・社内打ち合わせではオンラインミーティングの画面共有の仕組みを活用。可視化したコミュニケーションを行う。
例)開発対象のWEBサイトを口頭だけでなく、同じ画面を見ながら確認し合う など

成功事例2.海外展開の推進

海外展開の推進に外国人材作用がもたらすメリットは下記3点が想定されます。
①海外現地の商習慣や考え方など、その国で育った人にしか分からないことを理解したうえで現地企業等との交渉に臨むことができる
➁採用した外国人の母国への進出を考えた場合、現地拠点の責任者として活躍することが望める
③実際に社員として働いてもらうことで自社の強み・弱みや職場環境などを把握し、それらを考慮した上で海外進出の力となってもらうことができる

【事例②】
会社名   :株式会社長津製作所
所在地   :神奈川県川崎市
設 立   :1950年
従業員   :80名(2023年度)
事業内容:プラスチック用精密金型の設計・製造 他

●採用背景
高度外国人材採用は1980年代からスタート。日本人の理系採用の学生数の少なさや同社が海外拠点を持っていたことから、国籍不問での技術者採用に着手。海外拠点との連携役、また海外拠点の幹部として事業所のマネジメント業務や製品の生産管理職の知識を活かした生産性向上と更なる事業拡大を期待し人材を採用した。
外国人材採用を強化するために、各大学・専門学校の合同企業説明会や留学生向けの企業説明会・面接会に積極的に参加。これまでの採用実績と自社で活躍している外国人社員をもとにしたキャリアプラン等を求職者に伝えて、自社PRを行っている。

●入社後のコミュニケーションの工夫
採用された外国人が自分の採用意図に疑問を持たないように、「外国人材にしかできない理由」、「採用された人にしかできない理由」など、仕事内容も含め入社後に丁寧に伝えている。

●成果
1999年に中国から来日した技能実習生は、日本での研修後、中国の工場に勤務し現在は総経理として活躍しており、海外拠点と日本を結ぶブリッジ人材として活躍している。

以上が高度外国人材採用の成功事例のご紹介でした。

続いて失敗事例のご紹介に移りますが、一部内容は外国人材に限らず日本人採用においても留意すべきケーススタディとしてご覧いただければ幸いです。

失敗事例1.社内合意形成ができていなかった

新規人材の採用が企業上層部のみの判断によって進められた結果、実際の業務で携わる社員の意見や考えが収集できていなかったため、新規人材の入社後に育成計画やコミュニケーションなどにおいてトラブルが発生してしまった。
改善策)人材入社後に「状況に応じて考える」ではなく、採用を検討する段階から現場社員等からの意見を取り入れ採用計画を立てること。

失敗事例2.求人票の記載内容が不明確

応募者は求人票の記載内容を見て入社後の働く姿を想像するが、いざ入社してみると、業務内容が異なっていたり給与の内訳(基本給や固定残業代など)を知らされていなかったため、求人票とは異なるミスマッチと判断され早期退職に至ってしまった。
改善策)求人票は極力明確にかつ詳細を記入すること。手間がかかるがうえ、詳細を記入することで限られた求職者からの応募になる可能性はあるが、その分入社後のミスマッチを防ぐことができる。

失敗事例3.入社後のコミュニケーションが不十分

社内の仕組みや業務を覚えるにあたって直属の先輩社員に指導を任せきりで、チーム全体で新入社員のフォローができていなかった。また、日々のコミュニケーションも企業側は十分だと思っていたが、該当社員に人事担当からヒアリングをすると異文化に対する戸惑いやその他お困りごとを抱えていた。
改善策)新入社員の入社直後のフォローは指導社員に限定せず、チームまたは会社全体で行うことで、フォローが属人的にならず、状況の善し悪しを客観的に判断することができる。コミュニケーション量が十分であれば手法は問わないが、例えば毎週1on1ミーティングを実施し、年間の目標設定及び進捗確認や、中長期的に期待していることなどを直接伝えることも有効。

以上、外国人材採用における成功事例と失敗事例のご紹介でした。
今後の貴社の採用計画の一助となれば幸いです。

ご覧いただき誠にありがとうございました!

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