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Thursday's childは一つの「映画」

まず結論から言うと
私は今回のアルバム「MINISODE2:THURSDAY'S CHILD」を聞いて思った事は「THURSDAY'S CHILD」はアルバムというより
一つの映画だと感じた。
1曲目の「Opening Sequence」が
まさにこのアルバムの物語になっている。

そう思った理由と各曲の解釈や全体を通して感じた事を
書き綴っていこうと思う。

「Opening Sequence」

  君と約束した世界の果て  “それはとっても月並みな表現だ”


1曲目のOpening Sequenceは初めての別れの悲痛を
歌っている曲で、2人が別れた所から映画が始まり
記憶の中にある薄れていく"君"を思い出しては
「痛みに耐えられない」
「誰か止めてくれ」と
泣き叫んでいる。

最初のピアノの音からテヒョンの透き通るような
高音で始まるのが聞いていて凄く心地がいい。
テヒョンはこの部分について
「オートチューンのように歌うのがポイントです。」
とビハインドで言っていた。
本当に機械音かのように高音の切り替えが滑らかで
綺麗な歌声だ。

そして2番のサビ前
「It’s running through my head」まで
ヨンジュンの歌声で強く攻めた後
「今になって僕は悟った」の部分から
スビンが強弱のバランスを保ち
“That’s so cliché.”(それはありきたりな表現だ)と
ボムギュが悲しく吐き捨てる事で
サビに続くテヒョンの「記憶の中の君が見える」の
入りがグッと締まる。

儚さの表現の上手いボムギュだからこそ
“That’s so cliché.”はボムギュでは
無ければダメなのだ。

そして後半にいくにつれギターの音が強くなっていき
心臓に脈を打つように響く重低音の迫力と舞踊のような靱やかなダンス。

Weverse magazineでテヒョンは
「ジミン先輩のダンスを意識した」と言っていた。
手足の伸ばし方やターンの仕方、移動の仕方…
細部にまでジミンの踊り方の要素を
研究しているんだなと
ジミンペンでもある私はテヒョンの凄さを
改めて感じた。

そして歌詞にも出てくる0X1=LOVESONGでの約束
「君と世界の果てまで一緒に」
所詮、そんなものはどこにでもあるような
”ありきたりな”口約束だ。
だけど僕にとっては君は唯一の輝いた存在。
ある日突然現れた天使だった。
そんな君にすがる様な思いで助けを求め
裏切られたことで酷く傷ついた。
その”君”に対しての怒りを綴った曲が
2曲目の「Good Boy Gone Bad」だ。

「Good Boy Gone Bad」

「永遠」という言葉に釘を刺して蓋をして 君は弱っていた僕をすっかり変えたんだ

2曲目の「Good Boy Gone Bad」は裏切られた
悲しみというよりも
"君"に対する憤りを綴っている。

好きだった君に裏切られ傷付いて
君のせいで胸に
傷を負った。
永遠なんてものは無いと僕は知る。

「君の知っている俺はもういない。
君が俺を変えたんだ」と
空っぽの抜け殻になった体で心を荒ませ生きている。

「壊れた気分はなんだか悪くない」
「目を閉じた絶望の夜は何故だか甘い」
フレーズ自体は不穏だがこのメロディーを聞いた時に
私は鎮魂曲かの様に思えた。

というよりこのメロディーと
スビン、ボムギュの優しい声が合っていて
子守唄の様な心地よさまで覚えた。
GBGBの中ではこの部分が一番好きだ。

LO$ER=LO♡ERでは広げたまま折れた翼で
永遠に向かって飛んでいき
君と一緒なら墜落も美しいと言っていたのに
GBGBでは「急落下して折れた翼で墜落しても
痛くない」と言っている。

実際は永遠には飛んで行けないまま
一緒だった君はもう隣に居ない。
一人で墜落して痛みも感じられない程
感覚が麻痺している。

Cat&Dogでは「永遠に一緒に遊んでいよう」と
約束したのに
俺の事を捨てたお前に尻尾を振っていた
自分の過去さえも後悔して
ストレスで死にそうだと訴えている。

そんなストレスに耐えきれず
「全てが嘘だったらいいのに」と願い
続いていくのは3曲目の「Trust Fund Baby」だ。

「Trust Fund Baby」

          輝くspoon  僕には他人事だ

この曲は韓国の「スプーン階級論」を
表している曲だと思われる。

韓国での格差社会のことを指したスラングで
親の裕福さ、貧困さなどで
ランク付けされている。
それにより自分の人生における
社会的地位が分類される。
現代の日本で表すと「親ガチャ」に類似する。

スプーンの種類は様々で
・ダイヤモンドの匙
・金の匙
・銀の匙
・銅の匙
・土の匙…etc

金額によってスプーンの種類が決められていて
裕福であればある程上位のスプーンにあたる。

だがほどんどは土の匙、さらにはそれ以下で
スプーンすら与えられない手の匙というものもある。

おそらく主人公は
「僕には他人事」「空っぽの財布」「盗んだ札束」と
書いているので土の匙
または匙を持っていない可能性が高い。
何をしても何も持っていない僕は上手くいかなくて
「全て嘘だったらいいのに」と心で願っている。

それでも「またこのゲームに負けるかもしれない」と
思いながら少しずつではあるが
前を向きだそうとしているのだ。
そして君を忘れようと決心するのが
4曲目の「Lonely Boy」だ。

「Lonely Boy (The tattoo on my ring finger)」

  彼女は ”僕の" 唯一無二のものではなく 唯一無二のものだ

孤独になってしまった少年は未だに孤独のまま
あんなに「Good boy Gone Bad」で
君に対して憤りを感じていたのに
すっかりと落ち着き、君の事が忘れられないまま
未練だけが残っている。

針で指輪の代わりに入れたタトゥーは指だけではなく
僕の心にも鋭く、そして深く刺されている。
おそらく君とお揃いで入れていた半分の星
恋人繋ぎをすると現れる星のタトゥー。
君がいなくなった今、薬指に入れたタトゥーは
意味を持たないままその場所に残り続けている。

自分が馬鹿だった。
どうしてあの時あんな事をしたんだろうと
罪悪感を感じながら何も変わらない状況が
嫌になり「もういらない」と
君を忘れようとする。

そして彼女は僕だけのものでは無いと気付き
未練を捨て、前に進もうとする。
それが5曲目、最後に続く
「Thursday's Child Has Far To Go」だ。

「Thursday's Child Has Far To Go」

     平気だよ 崩れた心がスッキリしたみたい 大丈夫。

5曲目、最後の曲はこのアルバムの中で
唯一前向きな曲だ。
今までこの作品の中の”僕”は初めての別れと
裏切られた悲しみに囚われ続け
君に向けて怒りを向けていた。
けれど、この曲中では僕を待つ日々と歩調を合わせ
運命と向き合おうと前に進もうとしている。

0X1=LOVESONGでは死んでもいいと思っていた僕が
「金曜は思い切り泣いても土曜日に元気を出して」
「あともう一日、日曜日があるじゃん」と
余裕を持てるようになっている。
そして「崩れていた心がスッキリしたみたい。大丈夫」と立ち直るまでに成長している。

沢山泣いた涙の先には沢山の笑顔が待っている
僕を待ちわびている日々に歩み出し
もう二度と泣かないと決心して次の章へ続く。

私はこの曲のイントロを聞いた時
真っ先にこの2曲を思い浮かべた。

この2曲が職場のラジオで流れてくることが多くて
印象に残っていて
タイトルがずっと分からなかったんだけど
Twitterのフォロワニムに教えていただき
無事に知ることができた…!
フォロワニムありがとうございます!

そして私は「Thursday's Child Has Far To Go」を
聞いた時に少し懐かしい感じの曲調だと思った。
小学生の頃、家にエレクトーンがあり
シンセサイザーの音が出せるので
それでよく遊んでいて印象に残っていた。
私はこういう曲調が結構好きで
父親の影響を受けてたのだと思う。
父はジャズやこういった曲を好み
私によく聞かせてくれていた。
一緒に聞くのが習慣になっていたからか
その為、私も影響を受けたんだと思う。
だからなのかこのアルバムの中で一番好きな曲は
「Thursday's Child Has Far To Go」だ。


「minisode 2: Thursday's Child」

最後に曲全体を通して思ったのは
最初に来る「Opening Sequence」
この曲の歌詞がアルバムに対しての
物語になっている。

「別れから反対に流れる画面 君と僕が終わった画面で映画が始まるんだ」
これは2曲目「Good Boy Gone Bad」の
「永遠という言葉の上に釘を打ち付けて棺に蓋をする」
裏切った君との別れから始まる。


「事件を巻き戻しているオープニングシーン」
これは3曲目「Trust Fund Baby」の
「盗んだ札束 もっと惨めになるだけ」
この部分は過去曲「LO$ER=LO♡ER」の
「両手にはhunnit bands」
MVで銀行から札束を盗むヨンジュンを連想させる。


「色あせたフィルムの中の君 僕を消した君の視線」
これは4曲目「Lonely Boy」の
「君のそばで止まった思い出」
僕を一人残し君は消えてしまった。
離れていった君の視線に僕は写っていない。

「僕と踊って 僕にもう一度チャンスを」
これは5曲目「Thursday's Child Has Far To Go」の
「僕を待つ日々と 歩調を合わせてgo」
「また繰り広げられる瞬間と
お互いに視線を合わせてgo」
再び一緒に進んで欲しいという気持ちの表れ。

こうして歌詞を見てみると1曲目で各曲の情景を
順に歌っているようにみえる。

「Opening Sequence」
1曲目でこのアルバムのオープニングから
エンディングまで歌っていたのだ。
まるで映画のように。
これに気付いた時、私は鳥肌が立った。
このアルバムは曲順がとても重要だったのだ。
以上、私がこのアルバムを映画だと感じた理由だ。


最後に

minisode2という転換期のこの章で
気持ちの整理がつき、前を向き歩き始めたので
きっと次の章では明るく楽しい
TOMORROW X TOGETHERが
見れると今から期待しています!
またブルアワ期の様な爽やかな
コンセプトだといいですね。
果たして運命の夜を越えることはできるのでしょうか。

ここまで長くなりましたが
見ていただきありがとうございました。