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不妊治療の洗礼 排卵誘発剤の副作用

この地球上の全ての人が同時に鬱にならないように、どんなに苦しいことがあっても、この世には一定数絶対に鬱にならない人がいるらしく、良くも悪くも私も絶対にその人種であるとは思う。
ただ、レトロゾール初服用でドキドキしていた排卵誘発剤の副作用は、私にとっては案の定かなり強くて、朝起きた瞬間から不安が爆発して、涙が止まらなかった。悲しい記憶ばかりが思い出されて、嗚咽で呼吸が苦しくなった。

私はコロナに罹患した時も、一向に良くならない体調に、メンタルが崩壊して涙が止まらない日々を過ごした。 

体に異変が起きると、精神が超絶弱くなってしまうようだ。

でも妊娠の一番の大敵は皆ストレスだと言うので、なんとか歯を食いしばって、でも涙を我慢するのも体に良くないので、洪水のように涙を流し、ご飯をしっかり食べて、軽く運動し、犬と春の風を浴びに行って、自分へのご褒美で美味しいコーヒー屋さんでデカフェのラテをゆっくり飲み、何とか持ち堪えた。
そして犬と入れるお店に入って、気を紛らわしていたら、なぜかいつもお利口さんな愛犬がおしっこを床に撒き散らした。奇跡的に掃除できるアイテムを持っていたのでプンスカ犬を叱りながら、目にも止まらぬ速さで片付けて、そしたらなんやかんやもう気持ちが普通に戻っていた。犬の粗相は私を元気づけるアシストだったのかもしれない。やはりペットは最高のパートナーである。

恐怖の卵管造影検査を受けた時は、身体中の毛穴から冷や汗をかき、痛くて悶絶したが、時間にしては一瞬の出来事だったので、私にとっては長年にわたる歯列矯正の痛みを上回らなかったので、不妊治療、意外とイケるかもしれないと思っていたが舐めていた。
物理的な痛みよりも、感情をコントロールできなくなるくらい悲しくなる心の痛みの方がよっぽど辛いことを忘れていた。

はたまた海外の女性は体が最強なのか、薬を処方された時もメンタルの副作用については一切言われず、dizzyになるかもしれないから気をつけてね、と言われただけだった。それを聞いて、夜飲んだらこの結果だった。
明日から朝起きるのがトラウマ気味だけど、なんとか頑張らなきゃいけない。
まだ妊娠のスタートラインにすら立っていないのだから、どう考えたって悲しむには早すぎるし、悲しいことなど実際まだ何も起きていないのだから。

こうやって、本当に「母」になったときに、どんな時も赤ちゃんを守れる精神的な強さがあるかどうか、私たちはいろんな方法で試されている。
私たちは妊活という「精神と時の部屋」で戦っている。いかにその中で、精神を乱されずに集中できるか。赤ちゃんと自分の幸せのために、朗らかなマインドを保てるか。その修行に打ち勝たなければ、「ママ」になる合格は出ないのだとしたら、こんなところでつまずいてなんていられないのだ。



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