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「選択」的シングルマザーに他人がとやかく言う権利はない

狂気の沙汰だと思うので書かなければいけない。
日本では、シングル女性が精子提供によって妊娠すると遅かれ早かれ今後罰される世界になってしまうらしい。
一体どうして???
私が日本に帰って今やっていることをしたら、究極いつか逮捕されたりしてしまうの??

北米では、精子提供を受けるのは、子供を持ちたい人間として当然の権利であり、選択的シングルマザーに対して批判的な目を向けられることは一切ない。何なら、選択的シングルマザーに批判的な発言をした人の方が罰される社会である。
クリニックでも、当然一般的な夫婦と同じように扱ってもらえる。
身分証を確認されるだけで、プライベートなことは一切聞かれない。
ステータスはシングルであるかとは1回だけ口頭で聞かれたが、彼氏がいるか、今後パートナーを作るつもりがあるかも一切聞かれなかった。
子供を一生守りますという誓約書も書かされない。収入証明も出さない。
医療従事者にその女性の経済力やポテンシャルを問う資格はないからだ。
なぜなら「選択」的シングルマザーは個人の「選択」で、他の誰もそれをジャッジする権利はないからだ。
選択的シングルファーザーも然りで、男性だって卵子提供を受け、代理出産をお願いすれば当然無条件で一人で親になれる。
高額な不妊治療の医療費が払えなくても、分割で支払える制度もある。
現時点での自分に経済力がなくても、その志を反対する人は誰もいない。
北米では、「選択的シングルマザーになること」は、社会的に100%ポジティブなこととして受け入れられていて、その制度も整っている。
選択的シングルマザーを目指していると言うと、どこへ行っても応援される。シングルだけど、一人ではないと実感できて、とても心強い。

日本では選択的シングルマザーは子供を持ちたいという女性のエゴだという批判があるようだが、
シングルペアレントであろうが二人親であろうが、子供を持ちたいという気持ちは全部人間のエゴである。
赤ちゃんが生まれてくる前に、自分(たち)のもとに生まれて来たいかどうかは赤ちゃんに確認できないからだ。
子供を持ちたい気持ちをエゴと片付けるのであれば、この世の誰も子供を持つ資格などない。

一人で育てることのリスクに関しても問われるが、二人だって変わらない。
収入や人手は倍あるかもしれない。でも誰にも命の保証はない。
父あるいは母が病気になったり、事故である日突然亡くなるかもしれない。
死んでしまっては、一生分の愛情は一人であろうが二人であろうが、約束されない。死なない保証なんて誰にもない。
子供が不遇であることを、シングル家庭と結びつけてはならない。
そういう社会は、偏見の目を作ることにつながってしまう。
今回は内容を書かないが、私は二人親家庭で育ったが、私の幼少期は決して幸せと言えるものではなかった。二人親家庭の子供も、健康的な成長を妨げられるほどの悩みや不安を抱えていることは多くある。二人親は夫婦の関係性がうまくいっていないと意味を成さない。二人親という事実だけが子供の幸せを約束する形では決してない。

私は選択的シングルマザーになるためのステップとして精子バンクからドナー精子を購入するにあたり、生殖カウンセラーと1セッション話をしなければならないと法律で決められているので、オンラインでカウンセリングを受けた。
カウンセラーの机の上には彼女の愛犬が座っていて、とてもリラックスしたセッションだった。
彼女は言った。
「私の2歳の息子は卵子提供で授かったの。だからあなたの気持ちがとてもわかるわ。」と。
衝撃だった。卵子提供を受けることは精子提供を受けるよりもハードルが高い。金額面においてもそうだが、自分のお腹から産んでも、生まれてくるのは遺伝子上自分の子供ではないからだ。
彼女は続けた。
「私はいつも息子に言ってるの。神様、マミーの体を健康な卵を作れない体にしてくれてありがとうって。だってそうでなければ、マミーは息子であるあなたに会うことはできなかったんだからって。
だからあなたもドナー精子で赤ちゃんを授かったら、あなたにはそれ以上の人生はなかったと誇らしくあなたのベイビーに伝えればいいのよ。」
その言葉に涙が溢れた。

子供を持ちたいという権利を国や社会が人から奪う資格などない。
運悪く精子や卵子がうまく作れない体の人もいて、そういった人は精子や卵子提供を受けなければ子供を授かれない。
さまざまな事情でパートナーを持てない人も、同様に精子や卵子提供を受けなければ子供を授かれない。
その二つに大きな違いはない。
ましてや、妊娠できる期間にタイムリミットがある女性にとって、子供が欲しかったらいかなる状況でも先に結婚しろというのには無茶がありすぎる。
キャリアを持つ結婚をしたくもない女性が婚活をして、妊活をして、不妊治療をして、子供を授かるまでには途方もない時間がかかる。
それを完了する頃にはその女性はもう妊娠できない可能性が高く、結果として子供を持てなかったらもうそのプロセスの全てはただの拷問になってしまう。
そうなったら悔やんでも悔やんでも悔やみ切れないだろう。

そもそも、結婚自体「選択」なのに、なぜ子供を持つことは「選択」できないのか。
なぜ海外の基準と日本の基準にはこんなにも違いがあるのか。

こうなった今、私は自分で示そうと思う。自分の子供には、絶対に経済的に苦しい思いをさせない。絶対に不幸せな気持ちを抱かせない。
選択的シングルマザーになると決意した人は、子どもを大切に育てる人しかいないという事実は北米では常識である。
私もそれを自ら証明する一人の母になりたいと思う。

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