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#22 白い巨塔の片隅で「空腹」を叫ぶ


コロナに罹ってしまった…
めったに外に出ることがない自分が。

夜中に熱っぽくて、測ってもらったら、37.5℃。
その何日か前から鼻水や喉のイガイガがあったが、花粉症だと思っていた。
熱が出た瞬間、「まずい!」

案の定、コロナ陽性。

換気のため窓を開けてもらい、横で待機してもらっていた介助者さんは隣の部屋へ。

朝イチで、往診医に連絡すると、まもなく先生が来てくれて、救急車で大学病院に向かうことになった。

いつもの入院用カバンに、思いつくものを詰めこんでもらい、救急車用のストレッチャーに乗せてもらった。

救急車で大学病院に着いた時は、熱と咳こみ、救急車移動の緊張で、病院に着いた時は体がガチガチになっていた。

救急外来では、クッション性がないストレッチャーに乗せ代えられ、モニターを付け、ルート確保と血液採取まで、流れるような看護師さんの動き。血管が細く、分厚い脂肪で全く見えなくても、一発で入れてくれたのはさすが救外の看護師さんだった。

この間だけで数十分。
臀部の筋肉がALSの進行でなくなっている私にとっては地獄の痛み。クッションを入れてもらうも効果なし。
もう、コロナの関節痛なのか、お尻の痛みなのかわからなくなってきた。その間にも咳がだんだんひどくなって体力を消耗してくるわで、耐え難い苦痛が続いた。

何時間経ったのだろう…
ようやくエアマットが乗ったベッドに移された。
ようやく、身体を預けて少し身体の力が抜けてきた。
目まぐるしく天井の模様が変わる。当分お世話になる病室へ向かっていた。

場所はコロナ対応の部屋。
どでかい空気清浄機やらよくわからん機械に囲まれて、24時間、モニターとカメラで監視してもらっていた。

コロナは初めてだったから、こんなにしんどいとは…。
一番に、痰が自力でなかなか出ないため、一度咳こむと止まらない。

その上、入った病棟ではカフアシスト(機械を使って痰を引っ張り出すもの)が使えないと言われ、何度か交渉するも自力で出すしかなかった。

その日から、3日間コロナ治療薬(ベクルリーかな)を点滴から入れて、絶食になった。

身体はめちゃくちゃしんどかったが、喉の痛みがなかったせいか、食欲があった私にとっては、まさに苦行、予告なしのファスティング生活になった…


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