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サイアノ和紙作家雑記VOL.40『違うコトもやってみる』

僕の日頃の活動には大きく分けると三つある。じぶんでつくった和紙にサイアノタイプで作品を制作して展示活動する作家モード。デジタルカメラで個人や企業から撮影を請け負うカメラマンモード。ポートレート撮影をしてサイアノタイプで和紙や板にプリントする作家とカメラマンの両方のテイストが必要となるハイブリッドな『あおい寫眞館』モード。

特にはルーティン化されていないので、その都度、新しいコトに挑む。だから普段からいろいろ考えたりはしていると思う。展示などが決まれば、広報活動もやる。編集者時代に比べたら、全然仕事していないのに、いつもバタバタしているなと我ながら思う。

でも、忙しいからと上記のことばかりやっていると、思考が硬直化するというか、発想が貧弱になってしまう気がする。なので、最近はよくベースを弾いている。適当にかき鳴らしたり、好きな曲のワンフレーズだけコピーしてみたり。だれに聴かせるワケでもないので、マイペースでやってる。普段から曲を聴く時もベースラインを意識する。バキバキ弾きまくっている時に、休符が入るだけでグルーブ感が生まれたり。ディストーションが効いた曲は、写真の粒子感みたいな印象を受けたりする。エリック・サティの『ジムノペティ』の冒頭だけ、和音に挑戦してみると、左手の微妙なズレで、キレイに響いたり、響かなかったり。いろいろ発見があったりする。

ベースが直接何かに影響を及ぼしたかは正直言ってわからないが、曲やバンドの売り方などは、マーケティングとして参考になる。活動歴の長いアーティストは、クリエイティブとマーケットの狭間で苦悩する時期があったんだろうと、妄想を膨らませたりする。写真と音楽、全く離れた存在ではないけれど、ちょっと距離を置いてモノに触れると、思考に余白が生まれる気がする。それって継続するのに大切なんだと思う。

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