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サイアノ和紙作家日記 vol27 『写真のプレゼンテーションを学ぶ』

「写真を起点に言葉を交わすことによって、
コミュニケーションを深めてみませんか?」

わかるようでいて、よくわからないなぁ〜。
でも、なんか妙に惹かれるので、
東京都写真美術館のパブリックプログラム
『写真のプレゼンテーションを学ぶ』に
参加してみた。

事前に送った写真を元にオンラインでプレゼン、
コミュニケーションを図る内容だと解釈した。
しかし、僕の写真で参加してそもそもよいのか?
趣旨から逸脱しているのではないだろうか?

「これは写真ですか?」そう、よく聞かれるが、それで参加してよいのかちょっと不安


不安ではあったけれど、
いま取り組んでいる作品をもっと深く
落とし込む良い機会だと思って応募した。

とはいっても、
しゃべりも言語化するのも苦手。
フリートークなんてできないと思ったので、
プレゼン資料をつくることにした。
ビジネスマン的な立派なものじゃなく、
写真に質問、回答のページをつくり、
なぜこういった手法つくっているのかを
わかりやすく紹介するつもり。
が、やっぱり小難しくてわかりづらい。
ページのならびをかえたり
より平易な言葉を選んで
手直ししていたらタイムリミット。
慣れないzoomの操作方法を急いで調べていざ本番!

たどたどしいながらも
いま取り組んでいることについて
一生懸命プレゼンしたつもり。
でもやっぱり、こんなんでよかったのかな〜と
不安に思っていたら、あら不思議、
今回、ナビゲートしてくださった
インディペンデント・キュレーター の
菅沼比呂志さんと都写美の小島ひろみさんには
しっかりと伝わったようだ。
このプログラムのたぶんトップバッターに
変なのが出てきてさぞ面食らったと思うが、
予想に反してなかなかの好感触。
ちゃんと理解してくれただけじゃなく、
一歩踏み込んで言葉では伝えきれていない
重要な点についても指摘してくれた。
本当にありがたい。

ひとりで作品をつくっていると、
「やった〜」と「だめだ」が
ジェットコースターのように乱高下する。
わかってはいるんだけど
どうしても客観的になれなくて、
振れ幅が大きくなってしまう。
「やりたいようにやればいい」
ただ、それだけのことがなぜかできない。
三歩進んで二歩下がっても、
前には進んでいるからOKなのに、
そのOKがどうしても出せなくなる。

6月3日から25日迄、
西会津国際芸術村で展示する。
どんなふうにしようか
じぶんでもワクワクするし、
表現したいことは定まっている。
その反面、やりたいことをやり切れるのか
疑心暗鬼になるじぶんもいる。
そんなときだからこそ、
深くじぶんに落とし込むだけじゃなく
外部から刺激を受けたい、
いや、すがりたい気持ちから応募したと思う。

今回のプログラムに参加して
一番心に残ったのが、
自信を持つこと。
それはじぶんだけじゃなく、
相手に対しても。
僕の写真、作品は「むずかしい」
「わかりづらい」って
勝手に思っていた節がある。
ぼくが感じたままを表現すれば
届く人には必ず届くのに
相手のことを信じていなかった。
そもそも万人向けじゃないのに
届かない人ばかりにフォーカスしていた。
このタイミングで気付けてよかった。
こんな機会をつくってくれた都写美と
菅沼さん、小島さんに感謝である。
手を動かすのはひとりだけど、
いろいろな人に関わってもらいながら
つくっているんだなと、改めて思った。
本当にありがたいことである。



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