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読書録*2023年1月

今年もつけます、読書記録。

読書メーターによるまとめはこちら。


読んだ本の数:6
読んだページ数:1727


本の数が6冊と少なめなのはですね、途中読んでいた本を放り出したからです。
おもしろいかもと思って買ったんですけど、読み進まなくて。
で、そのとき読みたいものに移りました。

1.井上雄彦著 『The First Slam Dunk re:Source』(集英社、2022)

映画を見たら、そりゃ読むっしょ。
映画作成途中の原画やイメージボードもあるけれど、それよりも井上先生のインタビューがすごい。
ものすごいこだわりの人。
漫画家、ではなく作品を作る人。
映画もすごくよかったし、マンガもすごくいいし、この人の頭の中は一体どうなっているんでしょう。
頭の中にあるイメージを具現化したい、という熱量がすごい。

2.ジェイン・オースティン著 (中野康司訳) 『高慢と偏見(上)』(筑摩書房、2003)

いやあ、久しぶりにBBC版ドラマを見ましてね。
高慢と偏見の映像化はBBCしか認めない派です。異論は認める。
改めて読むと、もともと滑稽な人物として描かれているベネット夫人やコリンズ氏だけではなく、ダーシー氏もエリザベスさえもオースティンの皮肉の的にされているの、ものすごい。
オースティンの軽やかな文体と、さりげない痛烈な皮肉、本当に好き。
名場面は手を叩いて喜んじゃう。

3. ジェイン・オースティン著 (中野康司訳) 『高慢と偏見(下)』(筑摩書房、2003)

あの美しいペンバリーが忘れられない。
エリザベスはシャーロットについて、愛もないのにお金と社会的地位のために結婚するなんて、と非難するけれど、ペンバリー屋敷を実際に見たことで心揺さぶられるんだから、まあそういうことよね。
もはや出てくる人全員が滑稽で、実際のところまともな人ってガーディナー夫妻だけじゃない?の気持ち。
でもいいのよ。
私だって年収一万ポンドの美男子にプロポーズされたら、いくら嫌いだからってころっといくもの。

4.稲泉連著 『本を作るという仕事』(筑摩書房、2020)

たぶん製本技術を学ぶためにドイツ留学した人のくだり、何かで読んだ記憶がある。
本というと、出来上がったモノのことしか考えないけど、紙を作る人、文字を作る人、本の形にする人、書く人、直す人、いろんな人がいる。
紙のくだりで思い出したのは、三浦しをん著『舟を編む』で馬締くん(だった先生だったか)がこだわった、紙の「ぬめり感」。
紙が薄い本ほど、このぬめり感大事な、すごくわかる。

5. 窪薗 晴夫編 『オノマトペの謎ーピカチュウからモフモフまで』(岩波書店、2017)

わたしは口語だとわりとすぐオノマトペを使う。
脳の回転に口がついていかない時なんか、「あのカリカリするやつ、適度にしゃーっとやっといて」とかいう。
プライベートだともっと音ばかり使う。
でもそれで通じるんだもん。
その「なんか通じちゃう」をいろんな言語学者がさまざまな角度から説明したのが、この本。
これを読んでから、さらにオノマトペの使用頻度が上がってしまっている。

6.ジェイン・オースティン著 (中野康司訳 ) 『説得』 (筑摩書房、2008)

今月はオースティン祭りだな。
オースティンの主人公としてはアンはかなり地味なほうだし、地の文の軽快さもあまりないし、皮肉も控えめだし、『高慢と偏見』と比べると、かなり地味な作品ではある。
でも!
それも!!
最後の手紙のシーンで全部報われるから!!!
あんなに地味で熱烈な態度がこの世にあるだろうか。
だからオースティンたまらないんだよなあ。


以上6冊。
とにかくオースティン祭りでしたが、骨のある小説を読む気力が戻ってきたってことで、とりあえずよかった。

さてさて、来月は、そして今年は何冊の本を読めるでしょうね?
新しい本との出会いがたくさんありますように!

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