見出し画像

村上春樹 主人公のパートナーが消えることと、「いちばんすきな花」のゆくえ

妻、夫や恋人なら、日々の小さな悩みも共有して、支え合っていきたいと思う。そう言う欲求がなく、人との付き合い方をマニュアルに書かれたように、嫌われないようにそつなくこなす人もいる。

同じ趣味を持って、一緒にいるのは楽しいが、「すごく仲良くは慣れない」人である。多分、喜怒哀楽は感じ取るが、相手の複雑な心理的状況を受け流す人だ。それは、私の問題ではない。あなたの問題だと。

こういうタイプとパートナーシップを結んでも、一緒にいると、嫌気がさして、距離をとりたくなる。そういう複雑な気持ちを共有していないから、主人公は、「呆気に取られて、意味がわからない。」「急に消えたパートナー」ということになる。主人公にとっては、大きなミステリーである。

また、そこまで大袈裟にならなくとも、私たちは皆、日々、小さないざこざで、友達とうまくいかなかったりして、「孤独」を感じてしまう。そんな時、春樹の主人公がそのなぜ?を探そうとする過程にみな共感する。

日々の生活は、善だけでは過ごせない。正しいことだけでは過ごせない。そのちょっとした人の弱さも、俯瞰してみられるようになるのが大人である。ただ、そこには、経験としてのバイアスやそれに伴う決めつけ、差別意識も伴う。春樹の主人公には、それがないように思う。いつも人と関わる時は、白紙の状態で、その人が何を言ったのか、何をしたかを、そのまま受け入れている。

大人でありながら子供のように何事にも先入観を持たずに考えれる人だ。

「いちばんすきな花」のゆくえに、そんな感じを受け取った。