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ちょっと気になったデザイン 2023年11月

こんにちは、ちょっと株式会社の久保田です。

12月に入りました。毎年恒例の年末進行モードでバタバタと忙しさに師走を感じてるところです。
そんな クソ忙しい時期に キラキラしたクリスマスシーズンに合わせて弊社では「ちょっと株式会社 Advent Calendar 2023」をスタートさせて盛り上がっています!
2023年のラストスパート、いろんな記事がリリースされるのでお楽しみに!

そのカレンダーの3日目、今月も気になったデザインをピックアップしてみます。



『攻殻機動隊』公式グローバルサイト


公式グローバルサイト

1991年に原作がリリースされて30年以上、いまだに新作コンテンツが社会を賑わせているモンスターIPの「公式グローバルサイト」が公開。
公開されたニュースを見た瞬間、このサイト絶対にヤバいぞって私のゴーストが囁いたので速攻でダイブ!
そこからは時を忘れて舐めるように見回してました・・・

もうアクセス時のアニメーションから痺れますね。攻殻っぽい!
サイト全体はシンプルなデザインなんですが、ところどころでチラチラ動いている装飾が見事に世界観とフィットしています。細かいところまで攻殻っぽい!
特にマウスオーバーした際のホバー挙動がいちいちカッコいい!

攻殻機動隊のことを語り出したら止まらないので、このグローバルサイトのデザインで気になったところを少しだけピックアップ。

まずはロゴ。
攻殻機動隊シリーズってタイトルロゴが安定しません。毎度違うデザインが出てくる印象です。
最も有名だろうSAC版のロゴ、原作版リスペクトの角張ったゴツいロゴ、ARISE版のような細く有機的な雰囲気のロゴなどなど、多くのロゴパターンがあり安定していません。
それがまた攻殻っぽいんですけどね。

そして今回の「公式」が「グローバル」に向けて採用したロゴ、また新しいのが出てきたぞ・・・

機の右上部分とか表現しきれないものは大胆に削除しながら、垂直・水平・斜線(38度)のみで構成されたソリッドなデザイン。
さりげないけどGHOST IN THE SHELLのタイプフェイスも特徴的です。
あぁ、カッコいい・・・

そしてヘッダーの右にあるメニュー表示。いわゆるハンバーガーメニューのアイコン。
ここも大胆なデザインです。

通常表示(左)と拡張表示(右)

3本斜線が組み合わさってます。
このアイコンって「畳まれてますよ」って示して縦並び3本線デザインになっていたと思うのですが、そんなことお構いなし斜線を横並びに3本組み合わせたデザインにしています。
そしてメニューを広げた際が縦並びになっている。意味的には逆な気がしますが、そんなのお構いなし。
そしてそのラインの端は斜めにカットされているこだわりよう。
あぁ、カッコいい・・・

他にも見所はたくさんあります。とにかくカッコいい!
実は逆にツッコミたい部分もたくさんあるんですが、今は耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に眺めておきます!


『第74回NHK紅白歌合戦』のロゴ周り


こんなにも毎年話題を集めるテレビ番組って他にありません。
そして今年は世間を騒がせまくったネガティブな話題もあって例年より注目されているように感じます。

そんな中で発表されたロゴ、初見の印象は「かなり強いメッセージを込めてきたなぁ・・・」でした。
Webサイトには人権尊重のガイドラインも公開されていることで、主催者側の強い意思表示に理解はできますが、いかにも厳戒態勢って構えられている感じがして素直に楽しめないかもって不安がよぎりました。

気になったデザインの話。ロゴ周りの話。
テーマとして発表されているデザインは「BORDERLESS / ボーダレス」の帯。
キービジュアルではクネクネとラウンドして面白くデザインされています。今年の紅白はこの帯デザインを使ってビジュアル展開していくと思われます。

そして注目したいのは『紅白歌合戦』のロゴタイプ。
2021年から使われ始めて今年で3回目。今回も変わらず採用されています。

独特な書体。記憶に残りやすい印象的なデザイン。
どこかアンバランスさも感じられるような。でもスッキリしてしっくりするような。
繊細で美しいラインで構成されていながら弱々しさは感じない。
すでに紅白のロゴタイプとして定着しつつあります。

そして3年前デザインリニューアル時にロゴタイプと一緒に発表された紅白のグラデーション
去年同様に今年も使われませんでした。深い意味が込められたグラデーションだっただけに反発も多かったのかもしれません。
色んな意見があるだろうし難しいことはわかりますが、紅白歌合戦ってタイトルを尊重して紅白グラデーションの復活に期待します。

前番組のニュースが終わり、真っ白な背景にこのロゴタイプのみが映るシーン。
2023年の終わりが始まる瞬間、今年も楽しみにしています!


東京備蓄ナビ


「東京備蓄ナビ」Webサイト

富士山噴火について扱ってたテレビをぼんやり見ている時に、全く備えをしていないことに焦りを感じ、そしてこのサイトに出会いました。
東京に住み始めて20年近く経っていながら、こんな優良サイトを知らなかったこと、そして自分の危機感の薄さを反省しています。

パッと見た感じ、少し質素な印象を受けそうなデザインです。
それが「デザインされた質素」であることは間違いありません。

このWebサイトの目的は備蓄への意識を高めること。
災害を含む将来的なリスクへの備えを促すには、そのリスクを具体的にアピールして危機感を煽る手法がよくあります。俗に「恐怖訴求」って言われるパターン。
「煽る」「恐怖」みたいなワードを使うと怪しげなイメージに聞こえるかもしれませんが、そんなに特別なことじゃない一般的かつ効果的な手法です。(過剰な表現は規制されます)

この東京備蓄ナビでは危機感を煽るような表現が全く見られません。むしろ逆に落ち着いた、そして優しさすら感じられるテイストになっています。
可愛らしいイラスト、シンプルな構成、カラーリングなど、デザイン要素の全てで恐怖を取り除いている気がしました。

機能的にも素晴らしく、ポチポチと質問に答えていくだけで備蓄量の目安を提示してくれます。
それだけでなく備蓄品に関する分かりやすい説明とイラスト。そして購入するための外部リンクも設置されています。
ユーザーがアクセスする動機・目的を踏まえ、それに対する提案と解説、そしてアクションまでの一貫したフローを見事に構築しています。

煽りを意識した恐怖訴求ではなく、備蓄へのハードルを下げるような親しみやすいデザイン。
親切に分かりやすくポジティブにユーザーを誘導する構成。
多くの学びを得たWebサイトデザインでした。

知らなかったのが恥ずかしい・・・。
そして富士山噴火のような大災害へ備えることは大事!


Shots.so


気になったデザインではないので脱線してしまいますが、今月最高に感動したやつかも・・・。
スマホやPCの画面ハメ込みイメージをサクッと簡単に作ってくれるサイトです。それだけです。

デザイン提案する際、全体イメージを掴んでほしいから“それっぽく“見せたいケースが多々あります。
そんな時にモックアップイメージを使ってリアリティを演出することは効果的。そして常套手段だと思います。

これまでPSDのスマートオブジェクトを活用して仕込んでいたモックアップですが、このサイトのおかげで工数が激減しそうです。
画像の角度やブラウザ種類、背景の透過まで細かく設定できる。最高です!

まだベータ版とのことなので使用注意。商用利用は控えるべきですね。


・・・


以上です。
今月はWebメディア中心のインプットでした。
他にも「Google 検索の歴史」のアニメーションや「オードリーのANNin東京ドーム」サイトのイントロ、話題になっている渋谷駅のカロリーメイトのデッサン広告などなどグッとくるデザインがたくさんありました。
これから楽しい表現や鮮やかなデザインが溢れてるクリスマス&年末年始シーズンがやってきます。ワクワクします。

繰り返しになりますがクリスマス企画の「ちょっと株式会社 Advent Calendar 2023」やってます。よろしくお願いします。

それでは。

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