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読書感想文『飛ぶ教室』エーリヒ・ケストナー

※ネタバレ注意

あらすじ

とある中高一貫校の寮生活での出来事
ふたつの大きな出来事と小さないくつかな出来事で学生たちが苦難を乗り越えていく話。
一つ目の出来事は、脚本や全てを皆で協力して「飛ぶ教室」という題名のお芝居をすること。
二つ目の出来事は、仲の悪い他校生から監禁された友達を救い出すこと。

子供の頃の事を皆忘れている

「どうしておとなは、自分の子どものころをすっかり忘れてしまい、子どもたちにはときには悲しいことやみじめなことだってあるということを、ある日とつぜん、まったく理解できなくなってしまうのだろう。」
この言葉が作中で現れる作者自身が語る言葉である。
この本において一貫したテーマと言っていいだろう。
子どもに寄り添い激励を送っている作品になる。

ナチスと戦う作者

本書が1933年に発刊される。
1933年と言えばヒトラーが首相になり、ナチスドイツの支配がより一層強まったときだ。
作者はユダヤの血をひくものとして弾圧をされ、著作を燃やされている。
(その様子を著者は見に行ったと語っている。)
それでも著者はドイツ国民であることに誇りをもってドイツに住み続けた。
そのことを考えると本書の中で
「へこたれるな!くじけない心を持て!」
と再三にわたり語る言葉も違う印象で読める気がする。

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