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乃木坂5期生個人PV感想:You make me feel like eleven

はじめに

 本稿は、乃木坂46の30thシングル『好きというのはロックだぜ!』に特典映像として収録されている5期生の個人PVについての感想を書いたものになります。めちゃ個人的かつ「ここが好き〜〜」みたいなトーンの記事です。乃木坂が持つ個人PV文化は、その営為を脈々と積み重ねてきた中でグループの大きな強みの一つである「映像」面のクリエイティブに大きく寄与してきたものと理解しています。ただ、わたし個人としてはこれまで出てきた個人PVのすべてを見てきたわけではなく、またどの監督が前はこの人のをやってた、みたいな所も正直な所明るくないので、書きつつ調べつつでそこは分かる範囲でカバーできればなと。
 ちなみに乃木坂46というグループにおける個人PVの功績や影響などについては下記の書籍が明るいと思われます。

 あと過去作の個人PVはのぎ動画で(全てではないけど)わりと見られる気がします!

 構成としては前半に好きポイントを箇条書きで羅列し、全体的な感想を後半で書くスタイルを採ります。あと、普通に全編ネタバレあります!その点留意ください。それではどうぞ。

各メンバー

五百城茉央

<好きポイント>
・数字の言い方がかわいい。じゅーじゃなくてじゅうって言う。
・サウスポーかつレフティなところ
・ドヤ顔。ドヤァ…って音がする
・竹馬とか二重跳びとかそつなく出来るんだよね
・ポニテ似合うよね
・等身すごすぎる。
・「やる気!元気!ぼく、五百城。」のキャッチフレーズ。「皆さんみくをお寿司かない」くらい好きなやつ。
・乃木ジャーの申し子じゃん
・口開けた時に前歯だけになるところ
・パイナポー!
・サーティートゥー
・35個目…の言い方
・オレンジジュースの味覚試しは井上梨名さんを思い出すわね
・達筆なところ
・ガチなクイズの人呼んでるじゃん
・関西弁出るのもすき
・ドローンのところ息止めてそうでかわいい

<感想>
 監督は『絶望の一秒前』も担当した今原電気さん。『絶望の一秒前』のオタクなので監督方面に五体投地している。ありがとうございます。ほんとあのMV含めて好きなのでYoutubeが難しければのぎ動画でもいいのでどうにか見られるようにしてください運営の誰か!!話が逸れた。この個人PVは五百城ちゃんの素朴で実直で、でも時折太刀魚シメてた面が浮かび上がったりもするようなところが存分に映されている気がします。初見で前知識ない状態でこの動画見たとしても「この子はええ子やわ〜〜〜かわええわ〜〜」ってなると思う。朝ドラ感あるよね、次のカムバはそれでお願いします(?)
内容としては1チャレンジ1トライの46個チャレンジ企画(ドローン、ストラックアウト、箱の中身はなんじゃろな、など)にサクサクと取り組んでいくというものですが、成功したときの喜び方、失敗しちゃってもそのリアクションがすべてかわいい。そしてふとした時の等身のエグさに気がつく。
 わたしが思う五百城ちゃんを表す一言は「等身大の優しさ」で、それは歌声にもだし5期スタ誕とか乃木坂工事中でもにじみ出ている気がします。決して過剰に自分を大きく見せることもせず、仲間に対して自らを見せることをいとわない感じというか、週刊少年ジャンプの主人公感がある気がします。それでいて剣道経験からくる負けず嫌いなところやタフネスも持ち合わせている。道中困っている人が居たらほっておけなさそうなイメージもあったりします。
 映像作品としてどうだったかの話をすると、個人的にはカット割が気持ちよくて結構好きなやつでした。得てして淡々と画が進んでしまいそうな企画ではあるんですけど、うまくテンポ感を作り出すとともに左右に分割してみたり遠景、ヨリ、上下のアングルなどで飽きの来させないカメラワークだったのかなと。個人PVにおいては対象のメンバーがどれだけ魅力的に映っているかという観点と同じくらい、監督や楽曲クリエイターがどれだけやりたいことを自由にやれているかというポイントも大事だと思っていて、結構11人の個人PVの中でもそのバランスが保たれているのでは?と思ってます。タイトルといいその下のチャレンジ企画内容の羅列といいフォントも配置センスも◎。一度全部通してみた時にもう一回見たいなと浮かんだものの一つでした。

池田瑛紗

<好きポイント>
・「どうする?アイフル?」じゃんめちゃくちゃわらった
・ミニマルなビートに乗せてるの良すぎる
・形而上学的段ボール
・みんな踊ろうぜ
・展開のカオスがすべててれぱんの美しさで納得させられる
・あんぱん食べてるのかわいい

この瞬間あったでしょ

・終盤のクラブシーンはめちゃんこ謎である
・というか傘がデカい
・雨に飴なんすね、、
・地面に落ちる飴が2パターンであることに法則性を見出そうとしたけどそんなのどうでもいいくらいてれぱんのご尊顔に圧倒されている

<感想>
 先に言っておくとトップクラスに好きな個人PVでした。池田瑛紗という「マジック」をこう映像化するのか、という。事前の予告ではBeauty&Cuteの区分(?)としてあーやのそれとともにくくられていたけれど、後ろに流れるトラックのビートが心地よすぎるくらい音楽面でも光っていたなと。内容としてはストーリーもへったくれもなく、雨の中ダンボールに「ひろってください」的に佇むいろいろな人や物体に傘を差してあげながらこちらを見つめるというシークエンスが内容を変えつつループしていくような内容です。美術館とかで実際の段ボールをそこに置いた上でインスタレーション的に延々ループする展示があっても良いのかもしれない。一言でいうとシュールだけど何度も見たくなってしまうタイプのものでした。そういった意味でてれぱんのアート文脈を汲んでいるのかもしれない。考えすぎ?
 てれぱんの魅力は個人的にその深遠さにある気がしていて、一言でいうならば「幽玄」です。いつか何か書きたいこの部分は。もちろんミーグリとかライブとかでだんだんアイドル然としていく(表情が豊かになっていったりパフォーマンス面での進化だとか)過程も目撃できていることは嬉しいし、スタ誕などで5期生のメンバーとの交流と紐帯を深めている様子を観測できるのは非常に有り難いものの、彼女の内なる部分から出力されるものにわたしは非常に興味があります。不思議ちゃんと思われがちな部分もあるけれど(さくたんによるてれぱんモノマネを思い出す)、5期生最年長かつ美術の表現をするにあたって必要な「客観/俯瞰」を持っているという面もあり、そんな子が「自分自身を表現の媒介とする」アイドル(広くは芸能)活動に踏み出していることそのものが非常に興味深い事象だったりするわけなんですよね。アイドルを目指していたと言うよりは「たまたま活躍の場として巡り合ったのが乃木坂46というフィールドだった」感覚なので、これまでの人生とはまた別種の世界に飛び込んで様々な表現や人々に触れる中で、彼女自身も周囲と影響し合いながら表現者としての道を歩んでいくと思うので、この個人PVという営為もまた色んなものを彼女には蓄積させてくれるんだろうなと感じました。セルフプロデュースに近い個人PVとか将来作ってもいいのかもね、なんて思ったりも。

一ノ瀬美空

<好きポイント>
・いたずら妖精コンセプト似合いすぎ定期
・ポップだけど時々結構面倒くさいいたずらしとる
・なんかこの子は根底に人を喜ばせたいオーラがある気がする
・Eテレですこれは。みんなのうた。

<感想>
 ファンタジーコンセプトをさせたら5期生で右に出る者はいないかなと。またホスピタリティの子なんだろうなというのはこれまでスタ誕とかブログとかからも拾えていたので、そういう意味で広義では解釈の一致かもしれないです。あざとかわいいキャラの道は数多くの強力な先達がいるからこそ長い道のりですけど、進むなら頂点を目指してほしいですわね(?)
 ストップモーションアニメ的な演出だったので本人の表情だったりはほとんど静止画でしか見られなかったものの、このファンタジー路線に「徹する」ことができる点においては結構演技向きなのでは??と思ったりもしてます。ドラマで主人公の親友役だけど実は陰で糸を引いてるような役とか見てみたい。松村沙友理さんも推し武道のドラマが始まるし、ロールモデルがいることはそれもまた強みではあるのかもしれません。
 ただ今回の神宮で一ノ瀬さんを見た時に、アイドル的曲解釈がバチッとハマったダンス、ファンサ、そして何より表情管理の人だ…!となったのが印象的でした。スタ誕でもダンスメンバーとしてパフォーマンスしていますし、パフォ力(ぢから)が高い子だと思っているので、ライブのときに注目するのも楽しいかなと思います。

井上和

<好きポイント>
・卒業後コンセプトってのがすでにデビュー6ヶ月にして似合ってしまっている
・いずれ来る未来の話だよなこれ
・革ジャン似合いすぎ
・「8期生か〜!」←10年後でもなぎちゃんは27なんだよね
・忘れそうになるけど17歳なんだよなこの子
・まだ始解すら見せていないのでは…?という気持ちになる
・あなたが剣八だよ(?)
・\『『『SAYONARA NYAN NYAN NYAGI!』』』/
・大喜利での追い詰められなぎちゃんキュートだ
・頭押さえるのよくやるよね(発見!)
・なぎちゃんの振り切ったコント観てみたい。東京03脚本で。
・写真集タイトルの流れ好き過ぎる
・なぎちゃん、めちゃくちゃかわいいんだよな人間味もまた

<感想>
 説明不要の粋に達しつつあるQUEENことなぎちゃんですが、個人PVはバラエティ路線だったのは意外で、でもメイキングで「こんな一面もあるということを知ってほしい」的なことを言っていて、その魅力の多面性と奥深さにさらにやられてしまうという。大喜利然りある意味予行演習的な、いずれ来る場面を個人PVで体験するという試みだったのかもれない。
 なぎちゃん個人PVの監督は林希監督(『バンドエイド剥がすような別れ方』など)なのでまあ運営からの「エースにするぞ」という目論見がもはや清々しいほどにミエミエなのはなんだかなあ~とは思いつつも、卒業後を描くPVのコンセプトそのものはそんなにイヤじゃない、というか寧ろ既存のシステムを5期生に壊してほしいわたしとしては初手でこれやれるのは遊んでて好きだなと思う派です。まあ覇王色とかまだ始解すらしてないのにこれ…?とかジャンプ漫画的ないろんな喩えを被せたくなるような才能の持ち主であることは疑いようがないんですけど、言いたいことは筆者の下記ツイートに詰まってます。

 たぶん、この先いろんなコンセプトを個人PVだったり表題とか期別曲とか個人仕事とかが来ると思うんですけど、遊べるうちに遊んでしまう感があったのは好きでした。とはいいつつも、神宮千秋楽の絶望の一秒前に入る時のMCではやはり大舞台でのプレッシャーだとかグループの背負っているものの大きさだとかを感じていたことなどで涙声になりながら話していたことは印象深くて、半年とちょっと前までは一般のいち高校生だった子なんだよな、とあのとき改めて実感したんですよね、、
 スタ誕見てるとなぎちゃんの奥深さがより感じられるので5期生オタクはSmashマストで見ましょう。あれは福利厚生なので。MUSIC BLOODも見れるよ!

岡本姫奈

<好きポイント>
・粗品っぽい人おるな
・料理したことのない副料理長設定好き過ぎる
・揺さぶり過ぎなんだよなwwwww
・おかひなはチャレンジが似合う
・常連客は東京ホテイソンのたけるに似ている
・ビストロスマップなんだよな
・姿勢が良いおかひなさん
・システムはオモコロのあれだ!!!!!!!

・タマが出てくるタイプの切り方、お兄さんの突っ込みワードセンス◎
・「ペペロンチーノのスープ版」←??
・じゃがバター美味しそう〜〜←ではない
・分離
・なんか出来上がった料理の見た目はいい感じにも見えるんだよね
・家政婦は見たスタイルのおかひな
・すごいポテンシャル(伸び代しかない)
・ミラクルを起こす女おかひな、やはり持っている

<感想>
 予告からめっちゃ好きだったし全編見てもやっぱり好きだった本作。体育会系のガッツが彼女には培われているので、こういうチャレンジ企画が似合うなと。すでに上でも書いてるんですけど血を吐いた料理長をめちゃくちゃ揺さぶってるのほんとツボなんですよね。「料理をしたことがない副料理長」という設定でしたけど、たしかおかひなのお母様は管理栄養士の資格を持っているはず(ブログかスタ誕SHOWROOMかで知った)なので、のちの本人のブログにも「母に合わせる顔がない、、」的なことそのへん書いてたはずです。

 スタートが遅れた分パーソナルな側面は先行していた8人に比べると明らかになっていない部分があったと思うので、この個人PVでぐっと色んな人を掴むことはできるんじゃないですかねきっと(かくいう私もハマっている人)。乃木坂と料理といえば生田IH事件という燦然と輝く伝説があるので、料理企画のたびにあれが過るのもうズルすぎる。
 ちょっと個人PVとは別で神宮でのおかひなの話をどうしてもしておきたくて、参加したのは1日目(現地)と3日目(配信)だったんですけど、そのどれもめちゃくちゃファンサしてたし自分の出演する曲ではダンスバキバキだったし、5期生の存在とかツアーやスタ誕で交流を深めた先輩との関係性が生まれていて、ああこの子は乃木坂をこんなに好きになったんだな…とひとり謎に涙ぐむオタクになってました。頑張ってる子は応援したくなるよねというか。魚たちとか良かったな、踊ってみてほしい曲は結構あるので今後色々見れたらなーと思います。後半個人PVあんまり関係なくなっちゃったけど。

小川彩

<好きポイント>
・彩という何色にもなれる名前を持つ子が四季を語る構成が良い
・カットには若干の、いや若干どころではないな、フェティシズムを感じる
・この個人PVがいちばん「文学」していてその意味でとても「乃木坂」だった
・青山裕企の写真集的な世界観を感じる
・今しか撮れない映像だ

<感想>
 いちばん「乃木坂の個人PV」をやっていたのが本作という印象。乃木坂って広義の「文学」をやっているグループという解釈なので、そういう意味で「私の思う乃木坂」を純に表現しているのが今回のあーやの個人PVだったな−と思います。なんというかあーやの「巫女」性といいますか、あまり人に対して純粋さとか純朴さを殊更に見出してそれを称揚するみたいなことはしたくないんですけど(それにスキル的な意味では既に5期生の中でもトップクラスの水準にあるしそういう意味での「未熟さ」を愛でる態度ではない)、伸びしろと言うか表現の依代というか、何にでもなれるという可能性を感じる映像でした。またひとつひとつのカットは結構フェティシズムがあるというか、上でも書きましたけど青山裕企的な映し方がありつつも、あーやがあーやであるという核の部分は常に映してくれているという安心感もありました。
 あーや本人は最年少ではあるものの実のところ結構スキルフルだし落ち着いている部分も今まで見られてたんですけど、神宮を終えてのブログがとっても良かったですね、、あんまり泣いたり悔しい気持ちになったりすることが少なかったところから、環境が変わっていろんな初めての経験を経た上での飛鳥ちゃんとのツーショットはなんかこう胸がいっぱいになったんですよね、、、

 彩っていい名前ですよね、5期生もだし乃木坂の皆さんいい名前の人が多すぎる話。この個人PVはひとりで乃木坂フォーシーズンズをやっているぞ、という話でした。

奥田いろは

<好きポイント>
・いろはちゃん、うたのおねえさんポイント高い
・これもまたEテレだ
・リアクションかわいすぎる
・目線を合わせてしゃがんだりしてくれる優しさが自然にでるの素敵
・〜〜〜ラン♪ランララランランラン♪ラン♪ランラララン♪〜〜〜(限りなくナウシカのあれに近い音楽)
・アルパカの出雲くんと自撮りを試みるも顔を近付けてきて中々取れないくだりの1人と1匹かわいすぎる
・いい子がにじみ出ているぜ
・急にイメージ映像になったが画質も彩度も変わって二度美味しいですね
・Youtubeの予告編動画についてたコメントで「時代劇に合いそう」って書いてあったのはなんかわかる気がする

<感想>
 いろはちゃん、全年齢に受け入れられるタイプのアイドルだ。作中に登場する動物たち1匹1匹に対し、時にはしゃがんだりしながら目線を合わせてるのが優しさにじみ出てて好きでした。本作はそういう意味でいうと彼女のパーソナルな側面、パブリックイメージとしての優しさにフォーカスを当てていたという印象です。ただ優しさフォーカスならばアルパカに似てるのくだりからアルパカと間違えるくだりを何度か繰り返してたのは趣旨と合っていたのだろうかという部分もありつつ。たぶんわたしがドッキリ系好きじゃないだけなのかもしれないけど。人の良さは伝わるんだけど映像として面白かったかそもそも、という点は疑問も残ります。後半、というか最後の1/4くらいの時間は急にイメージビデオ的な映し方と画質(急に彩度が上がる!)になるのも構成のちぐはぐさは感じてしまったなーと。もちろんいろはちゃんはかわいい。よく見るとスタイルめちゃくちゃいいのと骨格が大優勝してるんだよないろはちゃん。総じてEテレに出てても不思議じゃない感じに仕上がっていたし、当人もEテレとの相性は良さそうなのでなんかそういう番組企画してくださいNHKの人。
 個人的ないろはちゃんへの視点は完全にパフォメンであるという認識なんですけど、ダンス然り歌唱然り演奏然りコツを掴むとすぐ伸びていく人やと思ってます。だから絶望の一秒前ではフロントだったしバンドエイドでは奥田岡本のダンスシンメだったんだよなと。あとは29thの個人ドキュメンタリーで語っていたように演技面でのポテンシャルを発揮することもまた期待したいですね。

川﨑桜

<好きポイント>
・bisなんすよ
・声質と太陽コンピューター氏の曲がドンピシャに合っている
・着こなし力半端ない、そうだ私服すっごいお洒落なんよな
・「毎日の修行ありがとう」で吹き出してしまったズルい
・さくたんは相対性理論似合うと思う
・見つめ合うゲームやったら絶対に負けるくらい視線を逸らさないし、こちらも逸らすことができずずっと見とれてしまう能力持ちです
・ピンクのリップ似合いすぎ
・結構さくたんブログだったりからの引用が多いな歌詞に

<感想>
 曲調で日向坂の河田さん個人PV「かわだっち」を想起したんですけどそのとおり太陽コンピューター氏による楽曲でした。さくたんもまた後期合流組でミーグリとかも無く、パーソナリティーを知れるのはスタ誕とブログというストロングスタイルだったんですけど、今作はそんなウィスパー気味の声質に合う楽曲と、時折ブログの文言を引用する歌詞が癖になる、川﨑桜というミューズを体現した一作にはなっていたと思います。世界観があまりにもbisだったのでもう専属決まってるんか??と思ったりもしましたけど、彼女のファッションセンスが素晴らしいことは初期のブログからも感じられる部分でしたし、そもそもフィギュアスケートで培ってきた表現があるのでこの世界観ですらものにしてしまうパワーを感じました。「毎日の修行ありがとう」、「今日お天気は〜、、 虹🌈❕(わ〜!!!!!)」とかのパンチラインもありつつ。
 さくたんは間違いなく沼で、神宮千秋楽配信でTL見てましたけどさくたんが画面に映った瞬間のTL速度と熱量が半端なくて。そして何度も何度も書いているしこれからも何度も何度も言うんですけど、さくたんは目を逸らさないでこっちを視るのでこちらも目を逸らせなくなるマジックがあります。てれぱんがネフェルピトーかと思ってたけどさくたんがネフェルピトーなのかもしれんな、、、(?)

菅原咲月

<好きポイント>
・カメラマン役のおっさんを映す必要性はさておきのっけからノックアウトされている
・さつきちゃんウィンクうますぎるんだよな
・「あなたの脳髄にLove Parade」
・この黄色カーディガンのおっさん=我々なのかもしれない
・存在しない記憶が呼び覚まされる。あぶない。
・脳溶け、、、、、
・偶像という意味合いの写像なのかもしれんな
・さつきちゃんはガールズバンドのボーカル感があるんよ
・ラヴィット!!!!!!!!

<感想>
 一つ一つのポーズ、構図が画になっている。可愛くて脳溶けちゃうんですけど。そしてPV構成として「脳内の話」がさつきちゃんの脳内の話ではなく、観賞者としてのカメラマン=このPVを見ている我々という写像が、そのままアイドル=偶像という意味にかかっていて非常にメタな作品とも言えるのかなと思います。結局我々が見ている部分なんて幻想かもしれないよ?という。「ブック・オブ・ジ・エンド」。作中の編集者のDown to girlはアップトゥボーイ(UTB)のオマージュなんですかねきっと。カメラマンと同じタイミングで口角上がってしまってるからもうこれは白旗なんですよね(?) 一瞬ももクロの玉井詩織さんがよぎる瞬間がありました。
 後半は『脳内の話』歌唱パート。彼女の声質はスタ誕でも見られるように低めの音域も安定して歌える、かついい意味での癖も併せ持っているのでなんかガールズバンドのフロントマンみたいな、TetoraとかHump Backとか色々よぎりましたね。スタ誕では既にGoodbye−daysが歌われてましたけど、さつきちゃんが歌うならYUIならば『Rolling star』だって言い張ります。
この楽曲自体はボーカルにだいぶエフェクトをかけていると言うか、メロディーの一つとして使っている気がして、近しい感覚として脳内から出力されたのはコレでした。

 あとさつきちゃんといえば『バンドエイド剥がすような別れ方』のセンターを全ツも含め走り抜けていたのが頼もしかったですね、「思ったようにならなくて〜」から始まるソロパートが大好きでしてね、、。さつきちゃんは積み上げ型の、経験値を重ねれば重ねるほどスキルも自信も噛み合って加速度的に伸びるタイプの人だと思っているので、こういうセンターみたいなストレッチゴールを都度設定することで中核になっていくのだろうなと思ったりしました。

冨里奈央

<好きポイント>
・入口でデカ荷物をドアにぶつけるのかわいい
・ん????アイス????あれ???もしかして????
・これはインタビューという本筋をそっちのけで進むチャレンジ企画だ
・話していることはちゃんとしてんのよ、映像とかも挟んじゃったりなんかして
・なんなんだ、かわいいんだけど!!!!!!!!!!!!!!
・ポテチ食べながら見てる
・コントにちゃんと乗っかれる子だ

<感想>
 とみーがかわいい。PVはその良さを活かせてるところもあればノイズになってしまってる部分も感じてしまったので少し残念な部分もありつつ。キャラとかコントに入り込む/乗っかれる子なんだなあというのはかなり感じているんですけど、初期からモノマネレパートリー30個あるような子だったからそりゃそうか当然!という感じです。あの笑顔は唯一無二なので国を挙げて守ってください(?) 29thの個人ドキュメンタリーだとZINE作ってたと思うんですけど、セットの感じからあの延長?と思ったら全然違った!このPVでとみーの説明書になるのか?というとわからんし、たぶん本人をスタ誕なり乃木坂工事中で見てたほうがパーソナルな側面は感じられるのかなあと思ったりもしました。あんまりPVに触れてないな。
 神宮休演はとっっても残念だったし本人も悔しい部分は大きいと思うんですけど、それでもこれまで走ってきた地方会場での全ツだとかTIFだとかはちゃんと積み重なってきているし、5期生集合写真に雑コラみたいな参加のさせ方してた5期生のみんなも笑ってしまったけれど、それだけ仲間との、先輩との結束が強まった夏だったんじゃないかなと思ってます。それこそ『バンドエイド剥がすような別れ方』みたいに。神宮初日の前日におかひなと電話してたんだね、という(おかひなブログ参照)。スタ誕とかSmash見てるとなおひなの相思相愛っぷりが感じられます。何卒。

中西アルノ

<好きポイント>
・「世界の終わりにきみとふたりで」じゃん
・SF似合うよね
・Actually…の流れだ、どうしても中西アルノに演技をさせたいクリエイターがいるな
・「やっぱ記録より記憶か」
・「わたしたちには好奇心がある。だから行こう。どこかへ。」
・『天使のいた屋上』…ってコト!?

<感想>
 監督の佐藤竜憲さんの名前でググると下記の作品群に携わっているという情報が出てきます。正確かはちょっと自信ないですけど、ラインナップからするとSF×百合(とまで言えるか自信はない)みたいな空気感は今回のPVにも漂っている気はします。(下記は一例)

 黒沢清版Actually…MVみたく、どうしても中西アルノに演技をさせたいクリエイターというかプロダクションの人間がいるぞ〜と思いながらも、作中では目というか「視線」の流し方だったり映り方から、彼女の被写体としての練度を感じるには十二分でした。わたしが個人PV撮っていいよって言われたらアルノさん撮りたいなって思うくらい、「この人を撮りたい」と思わせる引力が多分あるんだと思います。そういう意味で「乃木坂個人PV度」としてはかなり上位なんじゃない?と感じてます。クリエイターがこれを機に見つかり、作家性をバキバキに発揮していくという意味において、強めのコンセプトにも負けない「中西アルノ」という人間は色んな人に見つかってほしいなあと思います。
 アイドルとしてのアルノさんはまあ風当たりの強いスタートなので頑張るしかない状態ではあるんですけど、スタ誕では5期生の磁場の中で徐々にその個性と歌声、パフォーマンスを磨いている為、いまは力の貯め時なんだろうと思います。ライブ経験値も少ないのでそれこそ全ツでも壁にぶち当たっているようでしたけど、普通に加入して半年かそこらなので、相応のプレッシャーを感じていただろうし、乗り越えてこそ成長になると思うので、ここは踏ん張り時だろうなと。神宮のActually…はヤケクソに特効やってたけどあれは解釈違いでキレてた。まあ30thのライブなので使い方が難しいのはあるけれど、ことActually…の使い方単体で言うならば日産の本編ラストで最後煙幕の向こうに消えていくやつがいちばんです。話を戻そう。最近のスタ誕アルさんだとハレ晴レユカイだとかズルい女だとかのパフォーマンスが好きです。乃木坂の資産ってその積み重ねてきた歴史とそこにいる人達、そして楽曲群と映像群だと思っているので、そのあたりを存分に吸収しながら、楽曲における感情だったりを体得していくとともに、その歌声を武器として再び振るってほしいなあといちオタクとしては思ってますね。

おわりに

 乃木坂という磁場は何を投げ込んでも「乃木坂」になってしまうのが強みでもあり怖さでもあるので、29thのアレコレで乃木坂がどうなってしまうとかそういうことは無いと思ってます。どっちかと言うとクリエイティブが衰退していくことが心配で。30thはそういう意味で攻めとうよりは守りのクリエイティブではあったと思うんですが、「WE ARE THE IDOL」(めっちゃ思うことはある)とブチ上げたからにはちゃんとやってくれよ???という気持ちですね。
 そういう意味で、5期生の存在はこれまでの「乃木坂」像を更新するのにとても重要な存在だと思ってます。もちろんこれまで先輩たちが積み重ねてきた歴史とグループの縦軸は大事にしながらも、既存の資産を活用しながら暴れまわってほしい、というのがわたしの5期生観の根本にあります。全ツ大阪の舞台裏動画が配信中に上がってましたけど、てれぱんが飛鳥ちゃんにグイグイいってるのとか、一ノ瀬菅原に褒められて溶けてる飛鳥ちゃんとか、たぶんいろんなルールや前例が飛び越えられている瞬間が映っててサイコーだったんですよね。

 繰り返しますが、わたしは大きな意味での「乃木坂46」に対しては信頼を置いていますしその存在に幾度となく助けられてきています。一方で常に新しさを見せてほしいとも思っているので、そういった意味で5期生は非常に面白いし見ていて楽しいです(もちろん期毎、メンバーごとにブチ上がりがあることは理解しているしわたしも4期生でブチ上がってもいる)。今回は個人PVを通じて運営が見せたいメンバー像だとか、わたしが感じている好きポイントだとかを書き出してみたりしましたけど、こうしたクリエイティブが作られて残されること(記録より記憶って言ってたけど残さないと残らないからね?)が重要なので、乃木坂46という運動体がなが〜く続いていくためにも(なぎちゃんが卒業して8期生に出会うifの未来まで)、こうした個人PVの文化含めて応援していきたいなあと思いますね。

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