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筋線維の特性とトレーニングの影響

 私たちの筋肉は、主に速筋(白筋とも言います)と遅筋(赤筋)という二種類の筋線維で構成されています。これらは遺伝的要因により、私たちが生まれたときからの筋繊維の比率が決まっており、後天的には変わることはありません。それぞれの筋線維は異なる特性を持ち、それがどのようにスポーツや運動に影響を与えるのか、そしてトレーニングの効果はどのようなものなのか解説していきます。
【速筋の特性とトレーニングの影響】
 速筋は、無酸素運動と呼ばれる、瞬時に大きな力を発揮することが得意で、短時間の高強度な運動に適しています。そのため、短距離走や高跳び、バスケットボールなどの瞬発力を求められるスポーツに適性があります。トレーニングによって、速筋の持久力をある程度高めることは可能ですが、その基本的な特性を完全に変えることはできません。

【遅筋の特性とトレーニングの影響】
 遅筋は、ミオグロビンという、ヘモグロビンに似たタンパク質に富んでおり、筋肉への酸素供給能力に優れ、有酸素運動と呼ばれる長時間の低強度な運動、例えばマラソンや自転車のロードレース、水泳など持久力を要する運動種目に適しています。そしてこの性質は速筋とは違って、トレーニングを重ねても、瞬発力を持たせることは出来ません。その代わり、持久力をさらに強化するトレーニングが推奨されます。

 総じて、遺伝的に決まった筋線維の比率は変わらないものの、適切なトレーニングによってその筋線維の機能を最大限に引き出すことが可能です。そのため、自分の体の特性を正確に理解し、それに合わせた競技種目の選択やトレーニングを行う事が重要です。

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