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ねこが好きっていうか、うちの子が好き。


我が家には、ねこ4匹といぬ1匹がいる。

いぬは10歳のシェトランド・シープドッグ。
元繁殖犬で、うちの子になって一年目だ。

父はシェトランド・シープドッグが特別に好きらしい。
むかし同じ犬種の子を亡くしたときには、軽いペットロスに陥っていた。

そういえば友人にもシェルティー愛好家がいる。
きっとみんなそれぞれに、思い入れがあるのだろう。

私には特別好きな犬種や猫種はない。
うちのねこは元ノラや保護団体出身だし、おそらく全員雑種だろう。


ただ、ちょっとヒイキしてしまうものはある。

ガラだ。

茶トラ柄のねこが、特別かわいく見える。



最初に家へ迎えたねこも、茶トラ柄だった。

ノラとして出逢った瞬間から、まっすぐ私についてきた先代・・
身体の大きな立派な茶トラ。

いまも腕に残ったままの噛みあとや爪あとは、彼がつけたものだ。
野性味が強くて、室内飼いなのにときどき上手に脱走しては、近所のノラを牛耳るようなボス気質だった。

ねこと暮らすのが初めてで知識もなかった私は、
彼にねこ飼いのイロハを叩き込まれた。
おかげで今はわりと、どんなねことも仲良くなれる。

とても賢くて達観していた、先代。
躁うつ病で暴れていた時期の私のことも、いつも見守ってくれていた。

ある時はカウンセラーのように、ある時には子どものように、またある時は恋人のように。
共にいろんなことを乗り越えた。
ねこというより、パートナーだった。


だからだろうか、茶トラ柄に反応するのは。
あの子だ!と考えてしまっているのか。

先代はなんの前触れもなく、ある日突然亡くなった。
いつものように寝ていたはずなのに、急に苦しみだし
私の腕のなかで最後を迎えた。



それから、数年後。
今度は母が兄弟ねこを引きとってきた。
柄をみてドキッとしたのを、今も覚えている。

茶トラだ。
茶トラとキジトラの兄弟だった。


先代が亡くなってから、私は茶トラを飼うのが怖くなっていた。

重ねて、みてしまうかもしれないから。
その子自身をしっかり愛せないかもと、危惧していた。


でも偶然なのか、運命のやさしさなのか、
その子は先代とは、正反対。
同じオスではあるものの、体形も声も性格も全然ちがっていた。

先代と重ねてみることは、今のところ一度もない。

良かった。
「うちの子」みんなと同じように、とってもかわいい。
うん、ちゃんと愛せてる。



先代と私との絆、後輩茶トラと私との絆。
どのねことの間にも、ほかには代えられない絆がある。

いつも・・・の過ごし方やいつも・・・の体勢、
好きななでられ方、経験や思い出。

人間と同じで、それは世界中にただひとつ。

共に過ごす時間のなかで育まれた、
そのねこと私との間にしか存在しない絆だ。


彼らの寿命は人間より短い。
どうしたって、お別れの時がやってくる(置いていくよりは置いていかれる側でいたいという願いもある)。

だから一日一日、一緒にいられる時間を大切にしたい。

それは私の義務でもあり、権利でもある。

大好きだよ、一緒に居られて幸せだよ、と
毎日ことばや行動で伝える。
彼らの嬉しい・楽しいキモチをたくさんみつける。
世界にひとつの絆を太く、大きく育てていく。


後悔のないよう、後悔の少ないよう。
いつかきてしまう旅立ちのときに、
良い日々だったと思ってもらえるように。



茶トラは、かわいい。
たぶんタイプなんだ。
みかけるとつい、目で追ってしまう。

でも結局なにを見たって、
やっぱりうちの子が一番かわいい。
世界一かわいい。

親バカと言われたってかまわない。
彼らがくれる温かいきもちは、かけがえのない宝物だ。

願わくば明日も明後日もその先も末永く、
一緒に生きていけますように。


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