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(読書)深爪

中山可穂

以前にも書いたけれど
ちゃんと感想を書いていなかったので。

(内容紹介)

翻訳家のなつめは、
人妻・吹雪と激しい恋に落ちる。
吹雪の家で逢瀬を重ね、
子供の昼寝の間に快楽をむさぼる日々。
女同士の恋、家庭を壊すつもりなどなかったのに、
会えば会うほど溺れてゆき、
愛するがゆえに傷つけあわずにはいられない。
一方、吹雪の夫・マツキヨは、
幼い息子を守るため、そんな妻を受け入れ
家庭を再生しようとするが――。
一途で、不器用で、あたたかい、
愛と赦しの物語。

☆☆☆

2年前に購入した積読本。
初めての作家さん。

今まで海外ドラマの「Lの世界」を
観たりしていたので
女性同士(男性同士も)の恋愛には
全く抵抗がなかった。
女性同士というより
普通の恋愛ものとして読んだ。
不倫だし過激な描写も多いけれど
読後感は軽かった。

+深爪+

翻訳家のなつめは、人妻で子供もいる吹雪と
知り合い、恋に落ちてしまう。
なつめの視点で物語が綴られる。
女性同士というだけ?で
夫に嫉妬をしたり、喧嘩になっても
セックスをすればまた元に戻ったり
会えない時間が切なかったり、と
普通?の不倫の話に思えた。
なつめを夫に紹介したり
会う場所が自宅だったり
吹雪の自由奔放なところに
ハラハラする部分はあったけれど。
好きなものは好き、と
胸をはる吹雪が妙に清々しく思えた。

+落花+

吹雪はなつめと別れ、
詩人でトラック運転手の笙子と出会う。
吹雪の視点での物語。
男役のような、カッコいい笙子に惹かれ
吹雪は子供と夫を置いて家出してしまう。
吹雪の言い分もあるだろうけど
子供が可哀想、、と思ってしまった。
恋愛をするのは自由だし
心は誰にも止められない。
ただ子供の心をないがしろにして
行動してしまう吹雪に違和感を覚えた。

+魔王+

吹雪の夫、松本清(マツキヨ)の視点での物語。
吹雪を嫌いになれず、というより
いつか帰ってくるという期待、願望を持ち
息子・嵐の母代わりに
なろうと奮闘するマツキヨ。
吹雪のカーディガンを着て
胸にパンストを入れ、母親のぬくもりを
嵐に与えようとするマツキヨの姿に
胸が痛くなった。

内容紹介で
“一途で、不器用で、あたたかい、
愛と赦しの物語”
とあるけれど、
一途で不器用であたたかいのは
マツキヨだけのような気がした。

ヘッダーははりねずみ🦔のレインちゃん。
7ヶ月。鼻の脇のホクロがキュート&セクシー。
子供を産んでからホクロはなくなってしまった。

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