人を好きにさせるのは簡単だという話

人を好きにさせるのは、簡単だ。

こんなこと言ったら、世の中の多くの人に怒られてしまうかもしれない。

でも、人の好意を自分に向けさせることは簡単である。とわたしは思う。


海外旅行に行ったときに、一度ビジネスクラスに乗ったことがある。離陸前にフライトアテンダントがわたしの席まで来て、「〇〇様、本日はありがとうございます。何かお飲み物をお持ちいたしましょうか?」と挨拶した。わざわざ、それも、こんな小娘(当時高校生だった)に。

混雑したディズニーシーで、スタンバイの長蛇の列を横目に、ファストパス列をすり抜けていく。胸に貼ったバースデイシールを見て発されるキャストの「お誕生日おめでとうございます!」の一言。

”優越感”、わたしたち人間はこの感情がだいすき、誰だって特別扱いされたいのだ。

ただ、多くの場合、それは「ギブアンドテイク」である。特別扱いされたければ、何かを「ギブ」しなければならない。

飛行機だったら、多くの運賃を払わなければならないし、ディズニーシーで早くアトラクションに乗りたければ、ファストパスが必要。誕生日は一見何もしていないように思えるけど、そもそも自分がその日に誕生日(または付近)であることを前提に、入り口で「誕生日です」と申告しないとシールはもらえないし、それを胸に貼るという意思も必要である。

このように、「特別扱い」してもらうためには、自分が何かしらのアクションを起こさなければならない、というのが一般論だ、、、

では、もし、何の理由もなく、つまり「ギブ」してないのに「テイク」されたら、どう感じるであろうか。「ギブ」した結果の特別扱いですらうれしいのに、損得なしのただの特別扱い。これが響かない人っているのかなあ。

この理論を使えば冒頭でわたしが「好きにさせるのは簡単」といった理由がわかると思う。

一人の対象をとにかく特別扱いする。特別扱いの方法は何でもいい。ただ「周りの人にとる態度と違う」、そう思わせれば何でもよいのである。よく言う「小学生男子が好きな女の子にとる態度」、あれでもいいと思う。(もちろん、適度に褒めるのも大事だとおもうけども)


そして、もっともっと恋愛を円滑にする方法、人を簡単に”落とす”方法。それは「相手のニーズに合わせること」。これもビジネスやマーケティングと同じで、いわゆる需要と供給というもの。まあ巷に溢れる、「モテるためには」「愛されるためには」とかに代表されるもの。

ただ、これには大きな、大きすぎるリスクを伴う。それは「自己を偽らなければならない可能性」。

2年前にある年上の異性と水族館に行った。いわゆるデートである。わたしは館内を走り回る子供にぶつかってしまい、咄嗟にワントーン、いやツートーン高い声で「ごめんねっ!」といった。我ながら、かわいかったと思う。その時の彼の表情。どうやらその彼は「家庭的な女がタイプの俺」だったらしい。わたしは実際そこまで子供好きなタイプではない。

けども、彼の「ニーズ」に気づいたわたしは、次のデートで「犬飼いたい、かわいいよねえ」って言ってみた。その時の彼の表情。(ちなみに正直動物はそんなにすきではないし、同じ空間に共存するなんてもってのほか。)今でも忘れられない。

結局、その彼とは付き合わなかった。もちろん他の理由もあったのだけれど、やっぱり自分を繕ってまで恋愛したくないと思った。

ここまで読んで「恋愛むずかしいじゃん!」とおもった方、

そう、恋愛は難しい。

簡単なのは「人を落とすこと」、人の好意を自分に向けさせること。そこまで。

そこから、「関係性を持続させる」「ありのままの自分でいられる」「恋愛の排他性(浮気、心変わりなどなど)」などなどを含めていったら、もっともっと複雑。

結局恋愛というのは、相手と自分の「相性」が大きく関わってくるのでしょう。

ただ、一つだけ言えるのは、相手を落とすのに相性はいらない

わたしはそう思う。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?