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腕時計の格付けランキングとは?【腕時計ブログ】

「腕時計の格付け」って言うけれど、いったい誰が決めているのか?
それは世界共通のものなのか?


■「腕時計の格付け」って、誰が決めてるの? 

腕時計専門媒体や腕時計に詳しいジャーナリスト、または見識者がWEB上などで独自に「世界の腕時計ブランド格付けランキング」を行っているのが見受けられます。
また、腕時計の格付けには「価格帯」「歴史・ストーリー性」「外装の美しさ」「性能」「人気度」「ラインナップ」「資産価値」の総合評価で決められるていることが多いようです。

特に格が高い位置付けに見られる時計メーカーは、機械式時計の中でも最高峰の機構といわれている「ミニッツリピーター」「パーペチュアルカレンダー」「トゥールビヨン」などの複雑機能を搭載したモデルを設計・開発するなど、メカニズム面でもほかの追従を許しません。

■高級アンティークウォッチやジュエリーを扱う、世界有数の人気オークションとは?

名だたるオークションハウスでは、極めて希少価値の高い品や過去の持ち主や製造におけるストーリーなどが付随され、高額で落札されるレアコレクションが出品されます。
現在、前述のように特記する世界共通の‘格付けランキング’はなさそうですが、オークションハウスでのびっくりするような落札価格が報道され、格付けのバロメーターになりうると言えます。

オークションには、個人間/企業間/企業・個人間などさまざまなスタイルがあり、取り扱いアイテムのカテゴリ-や趣向によって異なります。
腕時計のオークションに関しては、18世紀にロンドンで誕生し、今でもアートマーケットを牽引する存在の『サザビーズ(Sotheby's)』や『クリスティーズ(Christie's)』などがよく知られています。
これらの著名なオークションハウスでの売買は、時計相場における大事な指標の一つでもあり、また時計好きな方であればその結果に注目している方も多いのではないでしょうか。

■特化するポイントによって別格になりうる話

腕時計業界の格付けにおいて、よく「世界〇大時計ブランド」と呼ばれるブランドが、格付けで高い位置にありますが、それらのブランドと遜色ない品質と歴史を持ちつつ、独自の領域を開拓しているブランドもあります。

例えば、海軍や商船での使用を想定し、厳しい海上環境下での高い精度と耐久性を実現している船舶用時計や、天文学に基づく複雑な機構を持ち天文時計においてその名を馳せ、その分野では時計愛好家やコレクターの間で高い評価を得ていたり。

「世界〇大時計ブランド」とは異なる独自の市場とファンを獲得し、特定分野で高い専門性と独自の地位を確立し、他の高級時計ブランドとは一線を画すような存在感を放つブランドもあります。

クロノスイスでは、伝統的手法による時計作りを復活させるために、スイスのルツェルンにエナメル焼成装置や、ギョーシェ模様を施す手動旋盤などを取り揃えたアトリエを設立しています。
そこでは、熟練した時計職人たちが伝統的な手法により、ひとつひとつ丁寧に手作業で仕上げていきます。

・時間と手間をかけて完成する美しい七宝文字盤

金属下地の上にガラス質の粉末顔料を乗せて摂氏800度前後の高温で焼成して美しい彩色が施される七宝焼き(エナメル)の手法。専用のオーブンで焼成を何度も繰り返して生まれる優雅な光沢を備えたダイヤルがクロノスイスの「アーティスト」コレクションに採用されます。

・手動旋盤によるギョーシェ彫り


ダイヤルに施される繊細な彫り模様が美しい「ギョーシェ彫り」。
昨今、高級腕時計でも自動機械による切削やプレス加工が多いですが、非常に高い技術をもつクロノスイスのギョーシェ専門職人は、古いマシンを使って手彫りでダイヤルに彫りを施しています。
手間とコストがかかり、手彫りによる緻密で繊細なギョーシェ模様を施すことができる職人は、クロノスイスの職人を含めても世界でごくわずかです。

また、クロノスイスでは希少価値の高い1点物の「ユニークピース」も制作しています。
パーツやベース部分のスケルトン化、エングレービング、ギョーシェ彫りは最新テクノロジーに頼るのではなく、全て伝統的な手作業で行われます。
こうして完成したタイムピースは芸術作品の結晶ともいえます。

■ブランドを選ぶ際に、「価格」や「歴史」以外に注目したいポイント

格付けに挙がってくるような高級腕時計の多くは、機械式時計であり、また熟練の時計職人たちが時間と手間を費やし、幾つもの細かいパーツを丁寧に組上げ、時計を仕上げてゆく唯一無二の工芸品としての価値も持ち合わせます。
しかし、その価値はあってもそれだけでは「何十年経っても多くの人から買われる」人気という面では弱く、この「工芸品としての価値」を永く保つには、トータルでの高いクオリティーが必要です。
それに欠かせない一つの要素は芸術性であり、ケースや文字盤の美しさはもちろん、装飾や素材に至るまで、高級腕時計としてのクオリティーが高いことが大きなポイントです。
また、特定のコレクションが偏らず、ドレスウォッチ・スポーツウォッチなど、様々なラインナップが網羅されていることもブランドとして大事な要素です。時の移ろいとともに、人気アイテムが異なった場合でもバランスよくコレクションをもっているブランドは、永く価値を保てるブランドとしてのポテンシャルがあります。
実用性と芸術性、そしてそのようなコレクションを所持できてこそ、真の「価値が落ちないブランド」とも言えるのではないでしょうか。

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