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「満ちてゆく」

天性のアーティストは
大勢の人に向かって歌っていても
聴く人に「これは私のために歌ってくれているのだ」と
思わせることができるのだと聞いたことがある。

ということで風さん
私のために曲を作ってくださりありがとうございますm(_ _)m

何もないけれどすべて差し出すよ
手を離す、軽くなる、満ちてゆく

「満ちてゆく」藤井風

私が一番印象的に感じたのはサビのこの歌詞。
聴く人ごとにこのフレーズにどんな意味を見出すのかは違うと思うけれど
今の私にはエゴの手放しのように聞こえた。

(ここから先は自分に対して書いた文章のため
 文体がちょっと偉そうなところはご了承ください)


エゴは何でもかんでも自分でできるのだというひどい勘違いをしている。
「私は自立して誰にも頼らずに生きているのだ」と思っている。
無人島で生きているのでもあるまいし。
たとえ無人島で生きていたって
太陽、自然の恵み、空気、水を自分で作ったのか。
心臓を動かし、細胞分裂、新陳代謝を促しているのは誰だというのか。
私を生かしているのは、「私」ではない。

「どいつもこいつも馬鹿ばかり」と見下し
「誰もかれもが私よりも優秀だ」とおびえている。

「あなたは平凡ですね」と言われたくない。
私は唯一無二だと思っているから。
だってそうとでも思っていなければ
この世から跡形もなく消えてしまうとわかっているから。

下衆で低俗で計算高く
不十分でデキが悪いことを隠して
私はうまくやっていけると思ってる。
欠けているなんて、当たり前のこと。
自分を完璧な存在だとでも思っているのか。
自分を神だとでも思っているのか。


手放したら軽くなるのはわかる。
でも手放したら「満ちてゆく」というのは
日本語の意味だけ考えたらちょっと不思議なことに聞こえる。

でも
「努力し続けなければ!
 他者よりも勝っていなければ!
 決して失敗したり隙を見せてはいけない
 守りを固めなくては!
 私は消えてしまう!
 消えてしまうぅぅぅぅぅ!」と
絶叫しているエゴを手放すことができれば
世界が私に差し出してくれているものが
いかに多いかに気づくことができるということなのだと思う。

カバー写真:Martin StrによるPixabayからの画像


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