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【中学受験の塾について】最近の相談からの傾向

以前は自分の生徒以外からの相談はなかったためあまり感じなかったことですが、家庭教師を行うようになり様々な塾にお通いの方から相談を受け少し奇妙に思える傾向を感じました。今回はその内容をお届け致します。


全体的に非常にネガティブな内容であり、名前は伏せますがとある塾の酷さを伝えているため批判的だと思います。
私はあまりに悲惨に感じ皆様に知って頂いた方が良いと思っていますが、ネガティブな内容を好まない方はお読み頂かない方が良いと思います。



最近感じる傾向

相談の中で特異に思える内容がちらほら頂いたのです。
それは
放置されているんじゃないだろうか…
という内容です。

事例①受験校について

6年生後期の段階の相談で受験校が何も定まっていませんでした
もちろんギリギリまでどこを受験するかは検討しても良いと思います、結果によって次の日の学校を変えることぐらいはやって頂きますので。

しかし、そういうことではなくそもそも受験する学校が全然決まっていなかったのです。一番大事な第一志望校と抑えの学校ですらあやふやでした、まったく学校名が出ないということではなくどの学校を中心にするのかがあやふやという状況です。
通常、前期での面談で上記の2校は必ず確認をするはずです、ご家庭の考える上限と下限ですね。前期はその2校に対しどうするかをお話します、そして後期になりそれらを軸にどのようにスケジュールを組むか具体的に話しをしていきます。

正確に言うとご家庭は『ちゃんと組んでいる』という認識なのだと思います、それが私からすると『組んだ組まない以前に検討されてもいない』と思えるほどズレていたのです。
これはご家庭のせいだけとも言い難いです。というのも通われている塾からまともと思える話しがなかったように感じるからです。

上述の通り前期段階でご家庭の上限・下限を確認し妥当でなければ御注進申し上げるわけです。特にご家庭の考えが甘い傾向にあるものが下限のほうです、抑え校についてですね。
願望が加味されてしまい、抑えと言えないレベルの学校を『抑え校です』と言われることはよくあります。それを塾側から是正させて頂くことが面談の大きな意義の一つだと私は考えております、それが大きく欠如しているように思えました。そのため、はっきり言ってムチャクチャな受験スケジュールを保護者は仰っていてビックリしました。せめて抑えの学校をしっかりお考えならば志望校は自由で良いのですが、まったく抑えと言えるレベルではない学校を口にされていて厳しい状況でした。

面談でこのレベルのため、具体的な受験勉強に関してもかなり滅茶苦茶な状況であることがより悲惨であると言えます。6年生後期に私に学習相談を求めるぐらいですから成績は下降線を辿っているわけですが、それも当然な学習状況とそれに対し家庭が無策であることがありありと見えました。もっといくらでもやり様はあったはずなのにここまでずるずると来てしまったのでしょう。
明らかに、この状況は通われている塾のせいだと私は思います、そこで放置をされているに等しい対応のためここまで悲惨なことになってしまったのだと考えています。

実は同じような内容の相談を今年だけでも同じ塾にお通いのご家庭から4件頂きました。また、通っている塾は違いましたが内容が似ているものも数件頂いたのです。

事例②目的に沿っていない受験勉強

以前から6年生だけど急に受験をしようと考えることになったと、かなり無茶な話しをもらうことがあります。こういった場合、結構高確率で集団塾は今からは無理だと近所の個別指導やネットで見つかるオンライン指導などに頼む傾向にあります。

こういった塾からの指導が本当に目的に沿っているのかと疑問に思う内容が何度もありました。
数ヶ月通ったがさっぱりと向上している様子を感じないと相談を受けるのですが、受けてきた指導の中身を確認すると頭を抱えてしまうことばかりなのです。
一例としては、3ヶ月通っていたのに『速さ』の単元をまともにやってもいないというなどがあります。
6年生から受験を考えるという無茶なスケジュールを考え行うならば、教材を順繰りと学んでいくというようなことは時間的に無理です。必要な単元をピックアップし最低限練習をし、あとは望まれている学校の問題で実戦的に積み重ねていくことを行うぐらいが関の山と言えます。これも相当無理のあるムチャクチャな内容ですが、それでも状況からとしては仕方がないでしょう。
しかし、3ヶ月で『速さ』すらまともに練習していないのです。これで本当に目的に沿った時間の使い方と言えるのかと感じてしまいます。

共通点

上記の内容には実は共通点があるのです。それは
通っている塾が中学受験以外も営業している塾である
という点です。

私はこれは結構根が深い問題なのかと考えてしまいます。
というのも、下記のようなことを邪推してしまうからです。

①もしかして、高校受験にも勧誘しようとしているではないだろうか…

仮に中学受験で結果が伴わなければしれっと『高校受験でリベンジしましょう』などの言葉で勧誘をしていそうです。というより、中学3年生まで引っ張れたとしたら小学6年生で終わるよりも売上は大きく違うと思います。売上を考えるとしたらその方が良いわけです。

②結局、人的リソースの無さ

上記の相談での塾は全て『同一校舎』内で中学・高校受験、時には大学受験まで営業しています。そうなると、それぞれの受験でバラバラに人材が用意されている合理性は考えられないわけです。
つまり、同一人物が中学受験を教えたり高校受験を教えているわけです。それでまともな指導や実績が出来るのであれば、我々はこんな苦労しなくて済むと思います。

ちなみにSAPIXにも高校受験を指導する『中学部』という組織があります。しかし、これは中学受験を指導する『小学部』とはまったく関わりのない別組織と言える存在です。校舎も人材もまったく別になっています。ちなみにあまり『中学部』の実績はパッとしていませんね。

まとめ

ご家庭が本当に中学受験をお考えになる際は、少なくとも中学受験専門塾に通われることを提案致します。上記の相談の内容は最低でもSAPIX時代には聞いたことのないレベルのお話しです。こんなことが現在もそして今後も続くのだとしたら、とても悲惨な受験にしかならないのではないでしょうか。

とはいえ専門だからといって全てが良いものでは無いというのも現実です。そうなると一番大事なことはいつもお伝えしているように、保護者の方が情報を集めしっかりと検討されて準備をなさることだと思います。
リテラシーを高め、本当に重要なことは何かを理解される方が一人でも増えることを願います。

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