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〈イベントレポート〉こだわりの食と農交流会を開催しました

こんにちは、山口県中小企業団体中央会です。

中央会は事業者同士の連携づくりを支援する団体です。

12月6日に農家や食品加工者、カフェ経営者たちが連携してビジネスを進めるためのきっかけをつくるため、
「こだわりの食と農交流会」を山口市で開催しました。

イベントのチラシはこちらです。

イベント告知チラシ

この記事では当日の様子をご紹介します。


イベントは、事例発表と情報交換交流会の二部構成。

お米やフルーツの栽培農家をはじめ、ジェラート専門店、養蜂業者など山口県内から17人が参加し、親交を深めました。

第一部 事例発表

第一部では広島県庄原市の「協同組合庄原里山の夢ファーム」の市川基矩理事長が「ブランド米づくりで地域に夢と希望を実現!」と題して講演しました。

市川基矩氏(協同組合庄原里山の夢ファーム 理事長)

昔から広島県では米の生産より消費の方が上回っており、都心部へ米を販売するにも広島県は米の生産地のイメージがなく、掛け合ってもらえなかったようです。

市川理事長はこのような問題を解決するため、生産している米のブランド化を開始。
元々、牛の飼育を行っていたため土の成分などには詳しく、加えて庄原地域では竹の処分に課題を抱えいました。そこで思いついたのが竹のパウダーを使った竹堆肥です。

竹堆肥を使用することで、

  • 殺菌・抗菌作用により病害虫が減る

  • 土中の微生物が活性化し、土の団粒効果がある

  • 根が活性化し、ミネラルの吸収を促進する

  • 作物の甘み・うまみが増す

など様々な効果が生まれることが分かりました。

地域の厄介者だった竹が堆肥となり、これを使った米がとっても美味しくなりブランド化が可能となったのです。まさに、循環型農業ですよね。

事業化の目途が立ったことから、仲間の農家とともに「協同組合庄原里山の夢ファーム」を設立。

この組合組織で米の栽培管理(ブランド管理)、共同販売、機械の共同利用等を行っています。

SDGsという言葉ができる前から、循環型農業を実践されているところが素晴らしいです。

さらに組合では、地域活性化のために空き家対策を行い若い夫婦を何組も呼び込んでいる点も紹介いただきました。

最後に市川さんは、「難しい、難しいと言っていたら何もできません。一つ一つ挑戦してみてください」と参加者の背中を押しました。

第二部 情報交換交流会

第二部の情報交換交流会は、ライフスタイル協同組合(周南市)の船﨑美智子代表のファシリテーションのもと「ワールドカフェ形式」で進行。

ファシリテーションをする船﨑さん

全員の自己紹介に続き、それぞれ関心のある事業者のもとに行って自由に意見交換。途中でシャッフルもしながら、なごやかな雰囲気のなかでビジネスの芽が育くまれていきました。

面白い展開となりそうな場合は、参加者自身が用紙にその内容を書いて会場前のボードにペタペタと貼り付け。
そこには農産物の新たな加工品開発についてなど、具体的な話がいくつも見受けられました。

萩市でブドウを栽培している男性は、「ジェラートの専門店の方と話をして、連携の可能性を感じました。ビジネスの仲間をつくるというとなかなかハードルが高いけれど、逆にこんな風に自由に話せるほうが繋がりやすくて、いい形ができるのかもしれませんね」と話していました。

ここで、生まれた連携をいくつかご紹介します。

  • 果樹生産者×ジェラート専門店「ブドウを使用しラムレーズンジェラートを生産」

  • 有機米生産者×製粉会社×(パン屋さん)「有機米を製粉し米粉パンやお菓子を生産」

  • 有機野菜生産者×ペースト加工者「日持ちのする野菜ペーストを製作」

はじめは小さな1商品のコラボかもしれませんが、様々な連携を重ねることで1社ではできない可能性が広がります。
自社ビジネスが軌道に乗ることで、やがて地域そのものの活性化に繋がります。
今回の交流会がそんなきっかけになれば嬉しいです。

終わりに、ファシリテーターを務めた船﨑さんから以下の呼びかけをいただきました。

私も協同組合をしていますが、メリットがたくさんあります。
設立して以来、県のお仕事もたくさん共同受注してきました。
『一個人ではなくて、公的な組合だから安心だ』という声もよく聞くので、ぜひこれから設立について考えていただけたらと思います

以上、イベント開催レポートでした。

中央会では、今後も様々な分野での交流会を開催し、県内事業者の連携の場作りを行っていきます。ご期待ください!