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【名所探訪】1 迎賓館赤坂離宮

今日はずっと行ってみたかった、迎賓館赤坂離宮に行ってきました。

繊細な美と技術の粋を存分に堪能できる、すばらしい場所でした!!
観光客はもちろん、盛装していらっしゃる女性も多く、華やかな雰囲気でした。おしゃれは自分のためでもあるけど、場への敬意でもあると再認識。職員の方も警備の方もガイドの方も、みなさん丁寧で親切で、総じて洗練された空間でした。はー……眼福だった!

余談:本来ならこういう、体験した物事を、記憶と気持ちがホットなうちにタイムリーにアップする記事をコンスタントに書いていきたいのですが、あれこれ脳が猛スピードで働いたことを整理して言語化することに時間がかかるので苦戦しています(WAIS-IVでも指摘されたことがここにも)。


迎賓館赤坂離宮 絢爛豪華な国宝の建築

本館の正面。壁のレリーフや屋根の装飾の趣向がすばらしい。本館が北向きに建っているので、太陽の低い冬はいつでも逆光…(涙)曇りのほうがこちら側はきれいに撮れるかもしれません。

四ツ谷駅から徒歩7分ほどのかつて紀州徳川家の江戸中屋敷があった場所に、迎賓館赤坂離宮はあります。仙洞御所や東宮御所と合わせて東京ディズニーランドと同じくらいの広大な面積の施設です。
本館は、1909年に片山東熊(かたやまとうくま)の総指揮によって東宮御所として建てられたネオ・バロック様式の建物。戦後は国に移管され1974年に迎賓館としてよみがえり、2009年に本館、正門、噴水などが明治期以降の建物で初めて国宝に指定されたそうです。

予約なしでも本館の見学はできますが、国賓や要人をお迎えして本来の使用がされている間は見学ができないので、必ず事前に公式サイトで確認を。
くらたは、要事前予約の迎賓館和風別館游心亭のガイドツアーにも参加してきました。

迎賓館 和風別館 游心亭

迎賓館和風別館は、1974年に迎賓館の大改修時に谷口吉郎の設計により新設され、外国からのお客様に和風のもてなしをするために使用されているそうです。
こちらの施設の見学には事前予約が必要です。
受付時に荷物検査があります。飲みかけのペットボトルを「ここで一口飲んで見せてください」と言われたのはここが初めてです。もし刃物を持っていると警察に連絡する場合もあるのだとか。でも国宝を守るためには必要なことです。
また、本館も含むすべての建物内の撮影は禁止されています。

游心亭の入り口。この横には樹齢の長いヒマラヤ杉が植えられています。

要人の方はこの場所で車を降りて入るそう。

五七の桐

天皇家の紋であった「五七の桐(ごしちのきり)」は、桐の葉に中心に7、左右に5の花を立てた紋。日本政府を象徴する紋として使用されているそうです。パスポートの写真のページにも使用されています。
五七の桐の由来はこちら

入り口を入ってすぐに、白砂利と竹の坪庭があります(撮影禁止)。白と黄緑色のコントラストが美しい。

配布されたパンフレットの写真

3つの貴船石が置かれているのは、かつての総理大臣・中曽根康弘氏が「景色が寂しい」と言ったため、貴船から取り寄せて配置したそうです。
え、その一言で?名のある専門家が設計したものを?総理大臣って恐ろしいな……。もちろん貴船石を選んで配置したのも専門家でしょうから、今の姿も素晴らしいけれど、貴船石がない当初の姿を想像してみたらそれはそれで潔くて素敵なのでは……なんて。すみません個人の意見です。
また、お客様を迎える30~40分前に、この坪庭を通る渡り廊下に打ち水をするという話も聞きました。この作業の意味は、渡り廊下の敷石を美しい黒色にすることや、お迎えする準備が整った職員間の合図なんだそうです。すてき!

お庭では黒松などの盆栽を育てていました。長いものは樹齢100年を超えるとか説明があったような(うろおぼえ)。管が通されていて水やりは自動で行われるとのこと。お客様をお迎えする際は玄関などに飾られるそうです。

中央の大きな松ぼっくりはヒマラヤ杉(松の仲間)のもの。ずっしりと重みがあります。
すみっこで松ぼっくりを干しているのを見つけました。
バラのような形の小さな松ぼっくりばかりたくさん。何に使うのかな、ほっこり。

建物に沿った大きな池は、水面で反射した光を縁側に入れるためにしつらえられたもの。屋根の裏側にゆらゆらと揺蕩う光の模様は本当に美しいです。去年見学した京都迎賓館にも、同じしつらえがありました。
ゆらゆらと揺蕩う光の美しさは先日記事に書いた秦基博「プール」でも歌われています。太陽の高さや陽光の強さによって建物の内部に入る光の範囲も変わるのだそうです。季節によって、また一日のうちでも時間帯によって変わる美しさを楽しむ。一瞬も止まっていない、二度と同じ形はないはかなさも感じられます。

池には120匹を超える錦鯉がゆうゆうと泳ぎ、その中には現上皇陛下が関わられたヒレの長い種が7匹入っているそうです。池が広すぎてなかなか見つけられず写真も撮れませんでした。
この錦鯉も、最初はいなかったものの、時の総理大臣・田中角栄氏のご意見で入れたとか。総理大臣の強さほんと恐ろしい。けれどこちらは縁側から餌をやるのが外国からのお客様の人気アトラクションになっているそうなので、さすがというべきか外交上役立ってますね。重要な鯉さんたちです。でも、お客様が餌付けするときの食いつきをよくするために、お客様がいらっしゃるときは数日前から断食させるんですって。餌の食べ過ぎを防いで健康上にもいいそうなのですが、鯉も楽じゃありませんね……。

池の向こうには、なだらかな築山がおおらかな景色を生み出しています。建物内の和室の上座から庭を眺めた時にもっとも美しい高さに設計されているそうです。
また、お庭には梅や紅葉が植えられて四季折々の景色を楽しめます。

本館

游心亭のガイドツアーを終えると、本館の裏側の噴水から自由見学になります。本館だけなら予約不要のフリー見学です。

水が豊かに噴き上げる美しい噴水も国宝。噴水の上部には菊の御紋が入っています。

その奥に見える本館の裏側、階段や手すり、建物のレリーフ、窓、とにかく何もかもが壮麗で美しいです。こちら側は建物の南側なので、陽光に照らされてとても青空に映えていました。

人を避けたらすこし右に寄ってしまった写真。。。広すぎてカメラに収まらない。
窓。純白のレースカーテンにもすこしの汚れもない。右側の雨どいも美しく銅色に輝いている。
丸い塔。
いくつかある入り口には、白と金の美しい装飾が施された雨除け屋根が。

もちろん、本館内部の各所を見学することができます。今回は借りそびれましたがイヤホンガイドも200円で借りられます。ただ、各部屋に職員さんとガイドさんがいて説明の音声も常に流れているので、イヤホンガイドがなくてもじゅうぶんに楽しめます。
先ほどの別館より広く、建物内部の装飾は観るべきところが多くて大変でした。赤く模様の入った絨毯、寄木細工のような模様の床、裾に金糸の織り込まれた白いレースのカーテン、各部屋のドアに施された金の細工と取っ手……一つひとつぜんぶ心行くまで堪能していたら時間がいくらあっても足りません。

花鳥の間」には、花鳥を描いた七宝焼きが飾られ、絢爛豪華ながらシックで落ち着いた雰囲気があります。油絵の天井画、ゴブラン織風綴錦織(西陣)、1200キkg近くある、3つのスピーカーが内蔵されたシャンデリアが。また、窓の取っ手は金で人魚の装飾が施されていました。

朝日の間」の天井画には白馬四頭立ての馬車を女神が操る姿が描かれていますが、その周囲に山桜が描かれていることから着想を得て、緞通にはソメイヨシノが織り込まれているとガイドさんが教えてくれました。このお部屋の照明も豪華なシャンデリアで、創建当時フランスから取り寄せたという、ガラスの球が美しい。

印象に残ったことを書きましたが、なんかもう素敵すぎて書ききれない。
そしてわたしなぞが鼻息を荒げずとも公式サイトにかなり載ってた(笑)!

本館を見渡せる場所でお茶を

見学後の出口は正門です。正門に向かうためには本館の正面側を抜ける必要があります。この場所は広場になっており、いくつもパラソル席が用意されていて、自由に休むことができます。
キッチンカーが出ていて軽食が食べられます。また、本館前のテラスでアフタヌーンティも予約できるみたいです。もう少し暖かくなったら最高ですねえ。。。

コーヒーと猫の形のスコーンで一休み。

最後に記念品の売店もある

出口のそばにはお土産物屋さんがあって、記念品を買うことができます。建物内部の撮影ができないので写真集や絵葉書などが販売されています。有名菓子店とコラボしたオリジナルのお菓子もありました。

注意点としては、一周見学で5000歩くらいなのと、本館は階段なので結構大変です。石畳がボコボコなのと砂利道も多く、かなり歩きにくいのでヒールだとつらいかも……?
でも、年配の方も多数いらしてました。
都心からも近いのでおすすめです!

絢爛豪華な美術の数々を一気に見ることができ、目と心が癒されました☆

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