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人にやさしく

やさしい人が好き。と言う声をよく聞く。私もそう思う一人です。やさしい人が大好きです。

やさしさにも色々ありますが、それをここで仕分け、ジャッジする気はありません。とにかく、やさしさは人間が持つ最も素晴らしい資質のひとつであることは間違いないと思っています。

やさしさを感じる時。または感じたい時。その思考は他者を通じて自分自身に向いているものです。結局、他人を介してしか自分を知り得ない。やさしい。が、やらしい。だったりする。

「自分のことがよく分からない」という声を耳にする事もあります。知らねぇよ。お前の日替わりアイデンティティなんて!と言えば終わる話なんですが、そうも言ってられない。

しあわせでありたい私たちにとって「自分のこと」はいつだって死活問題。

いつも何か足りない気がしてるのに、いつだっていろんなことに飽食気味。好きも嫌いもタップひとつで簡単に摂取できてしまうこの時代に、不必要なことで満たされ過ぎている。

本当は面白いと思った映画や小説の感想をSNSに書く前から、他人のレビューを気にしてる。本当は欲しい服や靴を買えばいいのに、知らない誰かの言葉に翻弄されてる。

しまいにはクソほど興味のないどうでもいいゴシップ、まったく関係のない人たちの問題に乗っかって、毒にも薬にもならないコピー&ペーストな言葉を自身の口や指から発信する始末。小手先の器用さばかり身につけてそんな自分を受け入れられずに拗らせている。

そんなんだから、自分の価値観も善悪も幸せも分からない。自分に好意を抱いてるであろう人の前では居心地よく振る舞うくせに、自分に愛を持って真剣に向き合おとする人からは遠ざかろうとする。

臆病だから本当は守って欲しいから。そう認めればいいのに、自分は搾取されている、弄ばれている、軽んじられている。と、さり気なく、しかし誇張して主張する。鏡をよく見てみるといい。自己保身丸出しの生き様。

大抵の人は、本当はそんな自分に気付いてるくせに受け止められず目を逸らしてるんじゃないですか?自分の醜さから。

でも、いや、だからこそ。私たちは自分以外の誰かを求め、誰かに委ね、誰かの特別になりたいと願うのだとも思います。

そこに在るのは「やさしさ」だけでいい。肩書きや年収やビジュアルなんて、すぐに変わります。それも大抵は悪い方に。変わらないものがあるとしたら、その人が持つ「やさしさ」だけ。そのやさしさは、日々の生き方、生き様でしか身につかない。

やさしさのパワーを私たちはいま一度、真剣に考えてみてもいいかもしれませんね。やさしい、は正義です。あなたにも持つことができる唯一にして代えの効かない魅力になり得る。

あなたが「やさしくされたい」人はだれですか?あなたが浮かべたその人こそ、あなたがやさしくあるべき人だと思います。

それでもやさしが分からないと言うならば、ザ・ブルーハーツの「人にやさしく」を聞くといい。甲本ヒロトがそんなあなたをも肯定してくれるはずです。

この歌に励まされた私もまた、常にやさしく在りたいと願いながら、そして、やさしさの意味を自問自答しながら日々生きています。

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