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日本の国がヤバい!インフラ老朽化が原因で事故多発!

インフラの老朽化が大きな社会課題となっています。
2012年に起きた笹子トンネル 天井板崩落事故や2021年に起きた和歌山県の水道橋崩落事故など、大きな事故が相次いでおり、東京都でも毎年10件以上の水道管破裂事故が起こってきていることから早急な対策が求められています。

インフラ老朽化問題への対策として、国は「インフラ長寿命化計画」を進めているものの、公共事業関係費が減少する中、財政的にも人員的にも十分な点検・補修を行うことは不可能に近い状況です。

インフラ老朽化が原因で起こった事故事例


事例1:和歌山県 水管橋崩落

2021年10月、和歌山県 和歌山市の紀の川にかかる水道橋の一部が崩落し、紀の川の北側の地域6万世帯138,000人が1週間にわたり断水しました。
和歌山市は水道橋に並走する橋を通行止めにし、仮の水道管を橋の上に通すことで断水を解消させましたが、崩落した水道橋そのものの架け替えには8ヵ月かかる見通しだと言います。

崩落の原因は水道橋の腐食による破断です。定期的な点検が十分にできていれば、橋の老朽化を事前に検知でき、修繕することで事故を未然に防げていた可能性が高いでしょう。
和歌山市では毎月1回、目視により隣の橋から老朽化がないか点検していたものの、見落としていたと言います。
この事故事例には人の目による点検の限界が表れていると言えます。

現在では、AIによる映像解析を活用して水道管の劣化診断を行っている自治体もあり、破断などのリスクが高い箇所の検出が可能となっています。
和歌山県の水道橋崩落事故のような大きな事故を未然に防ぐためのひとつの対策として、先端技術の活用は有効だと言えます。


事例2: 西日本豪雨による広島県 砂防ダム決壊

2018年6月28日から7月8日にかけて発生し多くの被害をもたらした西日本豪雨では、広島県の砂防ダムが決壊して多数の死者が出てしまいました。
幅50メートルの壁がほぼ全てなくなる異例の大規模決壊でした。決壊した砂防ダムは1947年に石積みで作られてから70年以上が経過しており、老朽化を懸念する声も周辺住民から上がっていたと言います。
広島県はこうした声を受けて2020年の完成予定でコンクリート製の砂防ダムを建設中でしたが、2014年に発生した広島土砂災害の復旧に予算が回されたことで作業は遅れてしまっていたと言います。

古く強度の足りない砂防ダムは全国に多数存在していますが、どの自治体も予算と人員が足りず、十分な修繕や対応ができていないのが現状です。
このような事故を繰り返さないためにも、インフラの老朽化対策の生産性が向上し、ひとつでも多くの施設のリスクを減らせるようになることを願います。

事例3:東京都 水道管破損事故

2018年7月、東京都 北区で地下に埋設された水道管が破裂して道路が陥没する事故が発生しました。
周辺の住宅20戸以上で浸水し、周辺では断水が起きました。破裂した水道管は1968年に敷設されたもので、老朽化が進んでいたため2018年度内の交換が予定されていたと言います。

都内の水道管を全てつなぎあわせると全長は27,000km(地球2/3周の距離)にも及びますが、1年間で交換できるのは約500kmとされており、全ての交換には50年以上が必要な計算です。
つまり、老朽化が進んだ水道管が常にどこかにある状態が続いてしまうのです。
こうした水道管の漏えい事故は東京都内だけでも毎年10件以上発生しており、残念ながら根本的な解決の糸口は見えていません。
インフラ老朽化の事故は遠くで起こるのではないと感じる事例です。

事例4:神奈川県 十文字橋 橋脚の洗掘

2007年9月に発生した台風9号の影響で、神奈川県 足柄上郡松田町の橋脚が洗堀により沈下する事故が発生しました。
橋脚が沈下したことで橋は折れて全面通行止めとなり、完全な復旧には1年3ヵ月がかかりました。
1913年に竣工した古い橋であった十文字橋はかねてより老朽化が指摘されており、台風当日も重点的なパトロールと通行止めがされていたため、人的被害は発生しませんでした。

国土交通省の資料によると、建設後50年を経過した橋梁の割合は2025年には42%にも及び、橋梁の建設が1970年代~1980年代に集中していたことを加味すれば、今後さらに増えていくことが予想されます。
橋の崩落は人命に関わります。大きな事故につながる前に適切な修繕が行われることを期待します。

事例5:三重県 木曽川大橋 トラス斜材破断

2007年6月、三重県の木曽川大橋でH形鋼のトラス斜材の破断が見つかりました。
橋の崩落につながる危険性があったため、通行規制が行われ、緊急的に補強工事が行われました。
その後の調査で腐食している斜材がほかにもあることがわかり、橋全体にわたり緊急対応工事が行われています。
木曽川大橋は1963年竣工の橋で、2007年時点では44年が経過していました。

橋梁の点検に当たった専門家は、現場の高水敷にコンクリート片が無数落ちていることを確認しており、トラス部材が破断して橋本体が上下に15cmほど揺れているのを見たと言います。
事前に腐食を検知して補修していなければ大事故につながっていた可能性があり、インフラ点検の重要性が示されている事例だと言えます。

事例6:大阪府 学校校舎の天井の一部が落下

2021年5月、大阪府 大阪市の立瓜破小学校の天井ボードが落下する事故が発生しました。
幸いにも始業前であったため教室に児童数も多くはなく、被害は落下した天井ボードが一人の児童の左腕をかすめるに留まりましたが、落下した天井ボードは45cm×90cmで約2.6kg。もしも天井ボードが直撃していたら児童は大けがを免れなかったでしょう。

この前後に、同じく大阪市内の学校でも同様の天井ボードの落下事故が発生しており、どちらも雨による天井内の漏水で天井ボードが重たくなっていたことが原因とされています。

文部科学省の資料によると、学校施設の老朽化は大きな問題となっており、雨漏りだけでなく、コンクリート片の落下や外壁などのモルタルの落下、窓の落下、手すりの落下など、危険な事故が相次いでいると言います。
学校や公共施設なども子供や市民の生活に関わる重要なインフラです。
十分な点検と修繕が求められます。

事例7:中央自動車道 笹子トンネル 天井板崩落事故

2012年12月、中央自動車道の笹子トンネルで天井板崩落事故が発生。
天井板のコンクリート板が130mに渡り落下し、走行中の複数台の車両が巻き込まれ、9人が亡くなった痛ましい事故としてメディアでも大々的に報道されました。
国内の高速道路での事故としては、過去最大の死者数の事故でした。

事故後、国は5年に1度のトンネルや橋の定期点検を義務付けましたが、現場の人員不足と予算不足からメンテナンスは十分には進んでいないのが現状です。
国土交通省の「2.老朽化対策 トンネル補修」のページに老朽化対策の現状や実施状況について詳しくまとめられていますが、全国にある道路ストックの総点検とメンテナンスは容易ではないことがわかります。

近年では東京メトロが非GPS環境下のトンネル検査でドローンを運用することを発表するなど、トンネルの点検作業への先端技術の活用も模索されています。
同じような事故を繰り返さないためにも、効率的なインフラ点検が期待されます。


インフラ老朽化はすでに大きな社会課題として表出してきてしまっています。
その数は今後さらに増えていくことが予想されている一方、人員や財政の面から、従来の点検方法では立ち行かないことは明白です。
すでに身の回りで老朽化が原因のインフラの事故は起こりつつあり、私たち生活者としても他人事ではありません。
限られた財政の中で最大の成果を生む必要があるなかで技術革新によりインフラ老朽化問題が解決に向かうことを願っています。
それであるのに政治家、政治を握る自民党が自分たちの私腹を肥やす事ばかりを考えることばかりが、最近報道が増えている状況で国民のための国民による政治はどこに行ってしまったのだろうか?


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