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空き家をタダでもらえて“補助金50万円

人口減少に伴い、社会問題となっている「空き家」。
全国で対策が進められる中、富山県内では、上市町が始めた“ある取り組み”が評判を呼び、町の転入者が転出者を上回る成果が出始めている。

「0円空き家バンク」で移住者増加
10月5日、上市町にある“とある住宅”に車でやってきたのは、大阪・寝屋川市在住の原さん一家だ。
目的は家族で帰省…ではない。
上市町が2022年度からはじめた「0円空き家バンク」制度に登録された物件の内覧のために訪れたのだ。

上市町による“手厚い補助制度”
上市町の人口は、1985年に2万4,000人余りだったが、2020年には2万人を割り込んだ。

近隣の市や町と比べても人口の減少率が高く、危機感を抱いた町が2022年度から始めたのが、空き家を無償で譲り受けることができる「0円空き家バンク」。

空き家を手放したい人が物件を登録、町が空き家情報を提供し、取得希望者が申し込む仕組みだ。

この1年半で、10軒の契約が成立。約半数が県外からの移住者で、2009年以来、転入者が転出者を上回っている。

「タダより高いものはない」と言うが、町では「0円空き家」の取得者に一律50万円を補助。
水回りなど入居後のリフォーム費にも充てられる。
この他に、移住者を支援する手厚い補助金制度も。
若年層・子育て世帯の場合は、定住促進の補助として、さらに40~50万円、中学生以下の子どもについては、1人20万円、2人なら40万円が加算される。

また、空き家の提供者にも相続手続きなどの補助金もあり、「負の遺産」を減らすメリットがある。

人口増加や税収アップのメリットもあり、5日に内覧会が開かれた物件は13例目。
築45年だが、車庫・庭つき、駅にも近い好条件。

そして、なんといっても最大の売りは敷地の広さだ。約800平方メートルの土地が「0円」で手に入るとあって、17件の申し込みのうち半数の10件が県外からの問い合わせだった。
契約が成立した場合、条件はないので、リフォームや新築も可能。内覧会に参加した原さんは、建て替えも検討しているという。

そして、「0円空き家バンク」は思わぬ効果も生み出していた。

人口減少の歯止めに効果をもたらす「0円空き家バンク」。
住民税など税収アップにつながるとともに、空き家の荒廃を防ぐという点で大きなメリットがある。上市町は、今後も取り組みを継続していきたいとしている。

現代社会に於いて、地域の人口減少、空き家問題、高齢化による税収の減少など深刻化している。

この状況を打破するため、試行錯誤が繰り返されている。

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