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児童虐待相談対応件数(速報値)を公表

こども家庭庁は9月7日、令和4年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)を公表しました。
件数は21万9,170件で、前年度より11,510件(+5.5%)増え、過去最多を更新しました。
相談の内容別件数は、多い順に、心理的虐待12万9,484件(全体の59.1%)、身体的虐待5万1,679件(23.6%)、ネグレクト3万5,556件(16.2%)、性的虐待2,451件(1.1%)となっています。
前年度比では、増加率順に、ネグレクトが+13.0%(4,108件の増加)、性的虐待が+9.0%(204件の増加)、身体的虐待が+4.9%(2,438件の増加)、心理的虐待が+3.8%(4,760件の増加)となっています。
相談の経路別件数は、多い順に、警察等11万2,965件(全体の51.5%)、近隣知人2万4,174件(11.0%)、家族親戚1万8,436件(8.4%)、学校1万4,987件(6.8%)となっています。
 件数が増加した要因としてこども家庭庁は次の3点をあげています。
〇心理的虐待に係わる相談対応件数の増加
(令和3年度12万4,724件⇒令和4年度12万9,484件<+4,760件>)
〇警察等からの通告の増加
(令和3年度 103,104件⇒令和4年度:112,965件<+9,861件>)
〇令和3年度と比べ児童虐待相談対応件数が増加した要因として、関係機関の児童虐待防止に対する意識や感度が高まり、関係機関からの通告が増加(地自体への聞き取りから)
同時に、「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第19次報告)」についても公開され、次のような報告がなされています。

<死亡事例>
・心中による虐待死事例18件(24人)を含む68件(74人)
 ※1 令和3年4月1日から令和4年3月31日の間に発生した児童虐待死事例
 ※2 参考)18次報告は、66件(77人)
 ※ 都道府県等が虐待死と断定できない事例のうち21件(21人)について虐待死として検証すべきと判断されたものを含む

<死亡事例の分析>
〇心中以外の虐待死(50例/50人)について
・子どもの年齢
「0歳」・・・24例(24人)で全体の48.0%を構成。この中、月齢0か月児が6例/6人で25.0%
・主な虐待の類型
「身体的虐待」・・・21例/21人(42.0%)、「ネグレクト」・・・14例/14人(28.0%)
 ・加害の動機(複数回答)
「しつけのつもり」が2例/2人(4.0%)、「その他」が13例/13人(26.0%)
 ・妊娠期・周産期における問題(複数回答)
「予期しなかった妊娠/計画していない妊娠」・・・16例/16人(32.0%)
「医療機関から連絡」・・・16例/16人(32.0%)
「妊婦健康診査未受診」・・・14例/14人(28.0%)
「低体重(2,500g未満)」・・・14例/14人(28.0%)
  ・養育者(実母)の心理的・精神的問題等
「育児不安」・・・17例/17人(34.7%)「養育能力の低さ」・・・17例/17人(34.7%)
 〇心中による虐待死(18例/24人)について
・子どもの年齢
「3歳未満」・・・9人(37.5%)
・加害の動機(複数回答)
「保護者自身の精神疾患、精神不安」・・・9人(37.5%)
「育児不安や育児負担感」・・・4人(16.7%)
「夫婦間のトラブルなど家庭に不和」・・・4人(16.7%)

この数字に驚愕、これだけの悲惨な事実があることをもっと日本国民は、理解すべきであり、見て見ぬふりをしないことで、救える命が1人でも増えることをもっと理解していただきたいと思うばかりです。

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