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影について思いを巡らす春

村上春樹さんの新作を読み始めた。
「影」の話が出てきたので、散歩の途中、影についてなんとなく考えていた。

子供の頃、影踏みしたなーと思い出したところで、「あれ、影って踏めないじゃん」と気づいた。
今まで、そんなこと考えたことなかった。
影について、よく考えたことなかったな。

影は地面に映っているけれど、誰かが影を踏もうと足を出したとたん、すかさずその誰かの足の上に映る。
脚を出した人は、自分の脚に影を映すことになる。

影踏みならぬ、影乗せである。

影って意外とたくましい。

わたしの影に心があったとして、どんなことを考えているだろうか。
わたしと一緒で、幸せだろうか。
だといいんだけど。

春になって光が強くなると同時に影も濃くなるこの時期に、村上さんの新刊が発売され、世界中で影について思いを巡らせる人が発生している気がする。

そんな時間をくれて村上さん、ありがとうと、物語の途中で思う春。


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