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サステナビリティ × テックカンパニーとしてストックオプションに込めた思い

シェルパ・アンド・カンパニー株式会社の代表の杉本です。

シェルパは、企業のESG情報開示や経営管理プロセスにおける様々な課題を解決し、より高度なESG経営の推進を実現するサービス「SmartESG」を開発しているサステナビリティ × テック領域のスタートアップです。

早いものでついにアドカレ最終日を迎えました。最終バッターをまかされたので何を書こうか色々悩みましたが、最近弊社のストックオプション制度がスタートアップとしては振り切っていると言われることが多くあり、とはいえ自分としては弊社の設計が業界スタンダードでしかるべきとも思っているので、サステナビリティ × テックカンパニーとして設計に拘った弊社のストックオプションの制度について、いっちょまとめてみようと思い筆を取りました。


なぜ企業がストック・オプションを従業員に発行するのか

ストックオプションとは「自社の株を一定の金額で購入することができる権利」のことですが、その概要については大田区のご近所スタートアップであるRentio代表の三輪さんがまとめたこちらのNoteがとてもわかり易いので引用させていただきました。最近では公開情報でも様々な情報が世に出回っているので、ストックオプションにおける情報格差自体は大分埋まってきたように思います。

ストックオプションとは会社の株式の価値が高まった時に、キャピタルゲイン(売買差額)によって、従業員が金銭を得るためのスキームではありますが、会社としては「会社の価値を高めるために一緒に頑張ろう!」というメッセージが込められています。

スタートアップのストックオプション制度に対する問題意識

一言で言えばストックオプションの価値が認識されていないことが一番の問題と捉えています。ストックオプションのメリットを理解したリテラシーの高い方がいる一方で、「なんとなく株は怖い」というイメージからストックオプションを敬遠する方も少なからずおり、初期スタートアップにおけるインセンティブとして正常に働いていないと感じることがあります。

またストックオプションへの知識不足から、契約書が従業員不利な設計になっていても気付かないというケースがあります。「株式の価値が高まった時に従業員が金銭を得るため」と上述しましたが、上場以外のEXITの選択肢としてM&A等が起きた際に行使されるような条件になっているのかどうか、という点はよく見落とされがちなポイントであり、そのままサインしてしまうこともあります。

加えて、従業員が入って一瞬で辞めるというような極端なフリーライドを会社が気にした結果、退職後のストックオプションを失効するような仕組みにするケースも日本のスタートアップの一般的な慣習です。一方で、アメリカではストックオプションの配布総量は日本の倍程度あり、退職後も持ち運びができるようにもなっていることから、上場で生み出される富が従業員 / 元従業員でも幅広く分配される仕組みになっており、国によってまったく捉え方が異なる制度となっています。

シェルパのストックオプション制度

弊社のストックオプションはこれらの問題を解決するために以下5つの特徴を備えています。スタートアップとして将来的なEXITを目指す過程において、従業員の努力が報われ、サステナビリティと経済的に豊かな生活を両立することができるような設計にしたいと思い、海外の先進的な事例を参考にしながら、自分の独断で色々と決めました。

また入社前のカジュアル面談でも必ずストックオプションの特色についてコミュニケーションするようにしており、会社のカルチャーデックにもまとめて対外的に公開しています。

※該当箇所はP.36です。
https://speakerdeck.com/cierpa0905/culture-deck?slide=36

①M&A時も行使可能

弊社では、上場時はもちろんのことM&Aが生じた際にも行使できるようなストックオプションの設計にしており、契約書にも明記しています。将来的に上場を目指していますが、M&Aなどの別手段でのEXITであっても努力が報われるような設計にしています。

当社につき支配権移転取引を行い又は支配権移転取引が行われることを、当社取締役若しくは代表取締役(取締役会設置会社となった場合には取締役会)又は当社株主総会のいずれかが決定し又は承認した場合、当該支配権移転取引の実行までの間、割り当てられた新株予約権の一部又は全部を行使することができる。
「支配権移転取引」とは、以下の(i)から(iii)のいずれかをいう。
(i) 合併、株式交換、株式移転又は株式交付。ただし、かかる取引の実行直前における当社の株主が、存続会社、株式交換完全親会社、株式移転設立完全親会社又は株式交付親会社の総株主の議決権の過半数を有することになる場合を除く。
(ii) 吸収分割(ただし、当社の事業の全部又は実質的に全部が承継される場合に限る。)、又は当社の事業若しくは資産の全部若しくは実質的に全部の売却、譲渡その他の処分。ただし、かかる取引の実行直前における当社の株主が、承継会社又は譲受会社の総株主の議決権の過半数を有することになる場合を除く。
(iii) 一又は一連の当社の株式の譲渡若しくは承継又は発行若しくは処分。ただし、かかる取引の実行直前における当社の株主が、当該取引の直後において引き続き当社の総株主の議決権の過半数(株式の譲受人若しくは承継先又は発行先若しくは処分先が当社の株主である場合、当該株主が譲受け若しくは承継又は発行若しくは処分を受けた株式に係る議決権は、かかる取引の実行直前における当社の株主が有する当社の議決権に含まないものとする。)を有することになる場合、及び純粋な資金調達を目的として当社の株式の発行又は処分が行われる場合を除く。

②持ち出し可能なポータブル・ストックオプション

一般的には退職すると持ち運びができないことの多いストックオプションですが、ライフステージの変化などで、途中で会社を離れざるをえないこともあると思います。そうした場合に、在籍期間に応じてSOを持ち出せるポータビリティ制を採用し、ストックオプションの価値を最大化しています。

具体的には在籍年数に応じて以下のように定めています。今後本スキームが変わる可能性はゼロではないですが、4年の在籍で付与個数の100%が持ち出しできるようなスキームにしているスタートアップは珍しいのではないでしょうか。

・2〜3年:割り当てられた新株予約権の1/3に相当する個数
・3〜4年:割り当てられた新株予約権の2/3に相当する個数
・4年以降:割り当てられた新株予約権の全部に相当する個数

③最大15%まで発行

シェルパのSOプールは、10%という一般的な水準に対して15%あります。これは最初のファイナンス時に投資家としっかりと交渉して決めました。配れる割合は多ければ多いほどよいと考えていますし、これからさらに枠を拡大する可能性も大いにあると考えています。

初期にリスクテイクを行い、事業の創造にトライする多くの従業員に還元するスキームとなっています。

④入社時に必ず付与

弊社では入社時に必ずストックオプションを配布しており、オファーレターにも明記しています。初期に入社することは、会社の基盤を作る上で極めて重要な責務と役割を担うことを意味し、今後の事業の成長に必要不可欠な存在になってくれると信じているからです。また、従業員には、毎年査定を行い、パフォーマンスに応じてストックオプションを追加で発行しています。

私たちが目指しているのはサステナビリティとテクノロジーをすべての経済活動のあたりまえにすること。この目標は壮大で、実現すれば事業も時価総額も大きく成長するはずです。だからこそ全社員に対して入社時にストックオプションを配布し、大きな目標を共に追っていきたいと考えています。

⑤べスティング無し

また、ストックオプションの条項によく入っている上場後一定期間権利行使できない、いわゆるべスティングは弊社は設定していません。べスティング期間終了後に退職するという話をよく聞きますが、それでも良いと思っています。

継続して一緒に働いてくれれば勿論嬉しいですが、時間は誰にとっても有限なので、個々人のサステナビリティを追求する中で、経済的な豊かさを手に入れた際になんらかの意思決定を行うことは全く問題ないと考えていますし、少なくとも上場した時点でそれまでの貢献の対価としての報酬は付与すべきであるというスタンスです。

おわりに〜We're hiring

私達が掲げている「サステナビリティとテクノロジーをすべての経済活動の当たり前にする」というパーパスを達成するためには、まず我々社員がサステナブルで経済的にも豊かになることを目指し、それを体現する必要があると私は考えています。

そしてもし仮に辞めたメンバーが別の場所で活躍するようになったとしても、会社が成功した際のリターンを分け合うことで社会全体の豊かさやモメンタムが上がるのであれば、それはそれでパーパス達成に一歩近づいたとも言えるのではないでしょうか。

このような世界の実現に共感頂いた方は、弊社ポジションへの応募をいただけると嬉しいです。また社内メンバーであればリファラルを積極的に推進してください!

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