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【小説】 堂々巡り

どんなに考えても相手は死んだみたいに消えていなくなったから、何があって争う、争わないで口論していたかわからない。

佳世子は母の付き添いで長門市にきていた
見渡すかぎり桜は満開

去年の今頃は桜は見れなかった
それどころじゃなかった
佳世子は弁護士を探していた

1年はあっという間に過ぎた
でも、桜は見れた
生きられた
いとこのお兄ちゃんと慕う人が毎日毎日、朝にLINEをくれた
今日もがんばろう
生きよう

それは、1年続いた。
いとこのおかげで生きられた
そのいとこの母親、佳世子からみれば母の妹が2022年に亡くなった。
そのこともあってLINEは繋がっていた。
ある日、祐輔のことでこれはおかしいと悩んだ佳世子は
いとこに相談した

2023年1月のことだった。
旦那さんに相談してみたらどうだろう。

いとこのその一言は引っかかっていた。
佳世子は1月、2月警察に相談した。
墓場まで持っていけといわれた
 
あの死ねと言われた日
佳世子はジョコに相談した

母には絶対話をしてはダメよ
母は言った
母には言っていた
でも、溜め込んで溜め込んで
爆発しそうな心を受け止めてくれる人がほしかった

でも、ジョコではなかった
ジョコにとっては好都合で
佳世子にとっては
ジョコが離婚の裁判で有利になるとは思っても見なかった



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