憧れの夜空には月が見える

 君に出会えて良かったと思ってるんだ
だけど聞きたいことがあるんだ ひとつだけ
どうして僕の前に現れたの?
現れなきゃいけない理由でもあったの?
僕は今こんなに苦しんでるのに
 
 生まれてきたことさえ後悔していた僕を
こんなに喜ばせたのは褒めてあげるよ
でも今の僕を見てみてよ
あの時以上に空の星に憧れを持ってるだろう?

 初めから僕のものになる気が無かったんなら
初めから僕の前に現れなければ良かっただろう?
なのに君はあんなに綺麗な顔をして
泣いている僕の前に突然現れた
まるで月のように 
直視しても痛くない月のように優しくて
僕は君に恋したんだ
それは君も知っていたはずなのに

 嫌なことが1つも無い日なんて
絶対に無いと分かっていながら
今日も僕は服を着替えて靴を履いて外の空気を吸う
これが僕にとってはどれだけ勇気のいることか
外は空気も人の視線も言葉も何もかもが冷たい
それでも僕は涙を堪えて立ち向かうんだ
僕なんて所詮大人のふりをした子供
思考は幼いまま 心は弱いまま

 君に出会った瞬間は本当に
君が大好きでしょうがなかった
だけど今は少し自信が揺らぐ
どうして僕をこんなに苦しめるんだよ

 ただの暇つぶしでしか無かったのか
それとも途中で気が変わってしまったのか
今は答えを聞く術すら無いけど
僕は君を忘れることができない

 きっと今は新月なんだと
きっとまた満月が来るんだと
僕はもう少しだけ信じて待ってみるよ
憧れの空を見上げて

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