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『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』:紹介編

もはや「信頼と実績のA24」、その新作です!以上。

…って紹介で十分じゃないかとも思うんですが、今年も『WAVES』とか『mid90s』とかイイ作品ありましたけども、「ああ、なるほどこれはA24だわ」って“傾向”みたいなのがあるなって感じるのは、

物語がどうとか別にしても、とにかく映像や音楽が美しくてカッコイイ。

ってところじゃないでしょうか。つまり、

「この映画の場面を切り取ってポスターにして部屋に飾りたい!!」

とか、

「もし自分が映画BARのマスターだとしたら、お店のテレビに流しておきたいのはほぼA24!!」

みたいな付加価値。

だからA24の作品を観に行く時は、美術館にモダンアートを観に行ったような満足感も得られるんじゃないかって期待もあったりします。

でもってこの『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』、観賞後の印象はやっぱり「あ〜、浸ったわぁ・・・」って感じです。

特に最近の流れでまた、ブラックがライブズでマターな話なのかなって構えちゃったりもするんですが、そーゆんが主題の映画はちょっとシンドいという人には安心して観てもらえるといいのかなと思いますね。

この作品の主人公はジミー・フェイルズっていう人物なのですが、それを演じているのがジミー・フェイルズって役者さんで、つまりそのジミー・フェイルズっていう人の実話がベースになってる物語なんです。とても私的な話。

でも「私的な話こそが普遍的に多くの人に響く」ってこと、あるじゃないですか。

アメリカ社会的な話や、黒人等人種差別主義的社会の話、もしくは格差社会的な話などなど主語の大きな話の方が、多くの人に向けられて語られるのだろうけれど、例えばそれらの社会の外にいる(と思ってる)日本人の僕にとっては、「知っておくべき、同情すべき他人事として、安全圏から覗き見してる」に留まる。でも、突き詰めた私的な話ほど、何かの断片が刺さって激しく共鳴することもある。なぜなら世界中の誰もが全て、ひとりひとりの“私”だから。

さて、この『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』、あなたの“私”には、何が響いてくるでしょうか?

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