見出し画像

映画『リング・ワンダリング』と私①

16年ぶりの商業映画のプロデューサーを務めている金子雅和監督作品、映画『リング・ワンダリング』は現在、東京は渋谷シアターイメージフォーラム他にて3週目を迎えました。ご鑑賞いただいた方々からも御好評を博し合わせて次第に上映館も増えてきまして、3月5日現在、全25館になっています。今後も上映館は増えていく見込みです。最寄りの町でも『リング・ワンダリング』を観ていただける機会を多く作れるべく、金子監督も連日、東京上映ではゲストをお招きしての対談イベントを企画したりと東京での動員について一際熱が入ります。

私の拠点としている下関市でも今月26,27の土日限定でcinepos特別上映といたしまして、舞台挨拶に金子監督と映画の中で非常にインパクトを残している名優の長谷川初範さんにお越しいただいて、下関シーモールシアターで公開いたします。
豪華舞台挨拶と合わせて、映画のご鑑賞をどうぞご期待ください!

そこで3週間後に下関上映を控えまして、今回から3回に渡って“映画『リング・ワンダリング』と私”と題して作品に触れたくなるようなちょっとした関連のよもやま話をご紹介させていただけたらと思います。

私が東京をベースに商業映画制作に従事していたのは2006年の3月頭迄でした。それから程無く実家の特定郵便局を継承するために当時の日本郵政公社中国支社に転職する事になるのですが、その頃ギリギリまでプロデューサーとして手掛けていた作品の仕上げ段階にあって、引き継ぎができる段階まで何とか務めていました。
その作品タイトルは『雨の町』。
バイオレンス&ホラー&エロスについて日本文壇の第一人者である菊地秀行先生による原作小説『雨の町』の映画化でした。

私は企画担当として、菊地先生との原作権についての契約のとりまとめや出演者のキャスティング全般を統括する役回りで、今に思い出しても素晴らしいキャスティングだったと実感できます。例えば草薙幸二郎さんや絵沢萠子さんといった70年代の東映や日活映画で馴らした名優の方々のご出演はある種仕事を忘れて一映画ファンの眼差しになってしまいました。
その『雨の町』でご出演いただいた中にあって、当時は新進気鋭な存在だった安田顕さん、舞台や声優がメインで『白い巨塔』のドラマリメイクの大河内教授役でお茶の間に印象を与えた品川徹さんがいました。
安田さん、品川さんが映画という媒体に登場されるのは意外と当時としては新鮮に受け止められたのです。その後のお二人のご活躍は言わずもがなであります。
そのお二人が今回『リング・ワンダリング』にキャスティングされたのはこれまた嬉しいご縁を感じてやみません。
短い登場でも観る側に印象を与えて、物語の輪郭を形成できる存在、こうした芝居力を発揮できるプロフェッショナリズム
を安田顕さん、品川徹さんから堪能できます。

もう一人、横山美智代さんという俳優さんも『リング・ワンダリング』にはキャスティングされています。品川徹さんの親族の役になりますが、私が初めてプロデューサーを務めたホラー映画『MAIL』で死霊の役で怪演いただいた事がありました。
何人かの候補の中で推薦させていただき、『リング・ワンダリング』劇中でも笠松将さん演じる主人公の行動に印象を残すくだりでの登場となっています。観ていただく方々の記憶に刻まれたらと思います。

ちなみに撮影スタッフではメインカメラマンの古屋幸一さんは『雨の町』では撮影アシスタントだったとお聞きしました。

所縁のある方々が期せずして、自分の関わる新作映画に登場、関係されるのはこれはこれで感動を覚えるものです。そのまた逆もある以上、noteに私がよく記す出逢いにおける喜び、その続きが醸されているように思うからでしょうか。

時間を感じて今に至る映画『リング・ワンダリング』
作品のテーマともふと重なるようです。

『リング・ワンダリング』足利市での撮影にお邪魔させていただいた折のひとこまです。
下関からの差し入れで、やはり巌流本舗さんの甘味にいたしました。
今回の冒頭の写真は夜のオープンロケセットからです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?